第⑥話
夢小説設定
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待っているだけなのだが、接客のようなことをされてロイは表情に出てないが、うんざりしていた。
(大総統室で仕事しながらでも待ってればよかったかな。
今更言っても無意味だけど…)
上機嫌で話しかけて来るが、内心は自分を憎く思ってる上層部に気づいていた。
(その偽りの笑顔はいつになったら崩れるのかな…)
不敵な笑みを浮かべるロイにリザはため息をつく。
(また変なことを考えてるわね…)
ロイが目で合図し、会話ができるのは相手がリザだから。
「大総統、経歴もいいですし。
美人ではありませんか?
親戚の者もぜひ会いたいと申しておりますし…」
「そんなことより、仕事をしたらどうかね?」
「仕事も大切ですが、私は大総統が独身なのが心配なのですよ」
「ご心配ありがとう。
だが、私は結婚できないのではなく、結婚しないだけだ」
「勿体ないですね。
結婚はいいものですよ」
「ヒューズから耳が腐るほど言われたさ」
それでもロイは結婚を選ぶことはない。
見えない血で汚れている自分の手、自分は幸せになる権利がなく、命の保証もできない。
結婚して残された家族は悲しみに暮れる、そんな想像をして結婚と自分は無縁だと思ってる。
「私はお見合いなどはしないと言っている。
いい加減、さっさと仕事に戻れ」
どちらも引き下がらず、言い合いが続く。
「大総統の結婚の条件は何ですか?」
「条件や理想などはあるでしょう?」
「…痛みと孤独を理解する者。
何も言わなくとも私の心情を理解してくれる女性」
親しい者ならそれが、ただ1人の女性“リザ・ホークアイ”だと気づくだろう。
「まぁ、君達には理解できないことだろうな」
年上の上層部に対して“君”と言うのはロイの仕返し。
「大総統、申し訳ありません!
お待たせしました!!」
慌てた様子で入室して来たマリア・ロスは敬礼する。
「そんなに慌てなくても大丈夫だ。
それよりも、君に話があるんだが…」
「あ、はい」
何の話か周りの軍人達も気になる様子だ。
廊下にいる軍人も聞き耳をたてているのにも気づいている。
「あの、聞かれても大丈夫なんですか?」
「心配ないさ。
軍の調査をする訳でもないし、隠し事は好まない。
とりあえずは君の意思確認しようと思ってね」
「意思確認、ですか?」
何のことだろうかとロスは首を傾げる。
「誘惑しに来た」
「はっ?」
「君、私の補佐官になるつもりない?」
「はぁ!!?
あ、失礼しました」
「クスクスッ…構わないよ。
今すぐ答えを出さなくていいし、考えてみてくれないかな。
嫌なら断ってくれていいし、それを理由で異動させたりもしない。
私は君の意思を尊重したい」
「‥‥どうして私なんですか?
あのことで同情なんて思っていらっしゃるのなら」
「違うよ」
「私は銃の腕も普通ですし、アルフォンスくんのように錬金術は使えません」
「君は気遣いの出来て意思が強くて正義感があり、優しい女性だ。
君なら2人も気遣うことなく仕事できるかと思ってね」
(…自分の為じゃなくて補佐官の為に?)
戸惑うようにロイを見つめると、その視線に気づいたロイがふわりと微笑んだ。
命令じゃないのがロイらしい。
「気の合う今の仕事仲間もいるだろうし、無理には言わない。
私の補佐官はまだ2人しかいないから大変そうでね」
「それなら、私でなくても…
優秀な方は沢山います」
戸惑いを隠せずに自分の上官である軍人に視線を移す。
「おっさんなんて暑苦しいだけだ」
「はい?」
「…冗談だ。
まぁ、半分は本気だけど。
どんなに優秀でも、いざという時に逃げ出す奴は使い物にならない。
そんな奴等は優秀とは言えない。
私は逃げ出さないで立ち向かう者こそ、優秀だと思うよ。
君はエルリック兄弟が危険だと分かると立ち向かって行っただろう?」
「私は優秀ではありません。
子供を守るのが大人の義務ですから」
「そうかね?
とにかく、考えてみてくれるか?」
「‥‥はい」
「じゃあ、答えが出たらいつでもいいから来てくれ」
「分かりました」
「いい答えを期待してるよ、マリア・ロス。
では、失礼した。
ホークアイ、戻ろうか」
「はい」
ロイはリザと共に出て行く。
(大総統室で仕事しながらでも待ってればよかったかな。
今更言っても無意味だけど…)
上機嫌で話しかけて来るが、内心は自分を憎く思ってる上層部に気づいていた。
(その偽りの笑顔はいつになったら崩れるのかな…)
不敵な笑みを浮かべるロイにリザはため息をつく。
(また変なことを考えてるわね…)
ロイが目で合図し、会話ができるのは相手がリザだから。
「大総統、経歴もいいですし。
美人ではありませんか?
親戚の者もぜひ会いたいと申しておりますし…」
「そんなことより、仕事をしたらどうかね?」
「仕事も大切ですが、私は大総統が独身なのが心配なのですよ」
「ご心配ありがとう。
だが、私は結婚できないのではなく、結婚しないだけだ」
「勿体ないですね。
結婚はいいものですよ」
「ヒューズから耳が腐るほど言われたさ」
それでもロイは結婚を選ぶことはない。
見えない血で汚れている自分の手、自分は幸せになる権利がなく、命の保証もできない。
結婚して残された家族は悲しみに暮れる、そんな想像をして結婚と自分は無縁だと思ってる。
「私はお見合いなどはしないと言っている。
いい加減、さっさと仕事に戻れ」
どちらも引き下がらず、言い合いが続く。
「大総統の結婚の条件は何ですか?」
「条件や理想などはあるでしょう?」
「…痛みと孤独を理解する者。
何も言わなくとも私の心情を理解してくれる女性」
親しい者ならそれが、ただ1人の女性“リザ・ホークアイ”だと気づくだろう。
「まぁ、君達には理解できないことだろうな」
年上の上層部に対して“君”と言うのはロイの仕返し。
「大総統、申し訳ありません!
お待たせしました!!」
慌てた様子で入室して来たマリア・ロスは敬礼する。
「そんなに慌てなくても大丈夫だ。
それよりも、君に話があるんだが…」
「あ、はい」
何の話か周りの軍人達も気になる様子だ。
廊下にいる軍人も聞き耳をたてているのにも気づいている。
「あの、聞かれても大丈夫なんですか?」
「心配ないさ。
軍の調査をする訳でもないし、隠し事は好まない。
とりあえずは君の意思確認しようと思ってね」
「意思確認、ですか?」
何のことだろうかとロスは首を傾げる。
「誘惑しに来た」
「はっ?」
「君、私の補佐官になるつもりない?」
「はぁ!!?
あ、失礼しました」
「クスクスッ…構わないよ。
今すぐ答えを出さなくていいし、考えてみてくれないかな。
嫌なら断ってくれていいし、それを理由で異動させたりもしない。
私は君の意思を尊重したい」
「‥‥どうして私なんですか?
あのことで同情なんて思っていらっしゃるのなら」
「違うよ」
「私は銃の腕も普通ですし、アルフォンスくんのように錬金術は使えません」
「君は気遣いの出来て意思が強くて正義感があり、優しい女性だ。
君なら2人も気遣うことなく仕事できるかと思ってね」
(…自分の為じゃなくて補佐官の為に?)
戸惑うようにロイを見つめると、その視線に気づいたロイがふわりと微笑んだ。
命令じゃないのがロイらしい。
「気の合う今の仕事仲間もいるだろうし、無理には言わない。
私の補佐官はまだ2人しかいないから大変そうでね」
「それなら、私でなくても…
優秀な方は沢山います」
戸惑いを隠せずに自分の上官である軍人に視線を移す。
「おっさんなんて暑苦しいだけだ」
「はい?」
「…冗談だ。
まぁ、半分は本気だけど。
どんなに優秀でも、いざという時に逃げ出す奴は使い物にならない。
そんな奴等は優秀とは言えない。
私は逃げ出さないで立ち向かう者こそ、優秀だと思うよ。
君はエルリック兄弟が危険だと分かると立ち向かって行っただろう?」
「私は優秀ではありません。
子供を守るのが大人の義務ですから」
「そうかね?
とにかく、考えてみてくれるか?」
「‥‥はい」
「じゃあ、答えが出たらいつでもいいから来てくれ」
「分かりました」
「いい答えを期待してるよ、マリア・ロス。
では、失礼した。
ホークアイ、戻ろうか」
「はい」
ロイはリザと共に出て行く。