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淹れてもらったお茶を口にする。
「…アルは合格したのか?」
「えぇ、もちろん。
二つ名は鎧を与えました」
「鎧、か…」
何となく、その意味合いを理解したのか、イズミがそれを口にすることはなかった。
「突然すまないな。
どうしても今日しか時間が取れなかった」
「仕方ない、これから忙しくなる」
「…私は国も軍も変えてみせる。
いつか、あなたに国家錬金術師になってもらえるように」
「諦めていなかったのか」
「あの人がやれなかったことを私はやる」
「…本題は?」
懐から1枚の封筒を取り出した。
「‥‥これは?」
「私はいつ暗殺されてもおかしくない立場にある。
私が暗殺された後、それを届けてくれ。
あなたに託す」
「………。」
「それが使われないことを願うが、まだ軍は安全とは言えない。
私をよく思っていない者達もいるんだ。
あなたにしか頼めない、それを守ってくれないだろうか。
遺書だから誰も受け取ってはくれないだろう」
「…分かった。
絶対に死ぬなよ?」
「そう簡単に死にませんよ。
まだやりたいことが山ほどあるんで」
「…そうだったな」
イズミは口元を緩め、封筒を受け取る。
仲間の為に託す“遺書”。
それは自分が死んでも守りたいという強い意思。
「…誰にも言っていないのか?」
「言っていたら来れませんよ。
言える訳がないじゃないですか、こんなことを…」
大切だから言えないこともある。
それはイズミも分かっていた。
「あいつは?」
「音信不通だそうです」
「まったく、親子揃って…」
「私が出来る限りのことはしますよ」
「‥‥アルを頼む」
「はい」
「どんなに大人びていても、あいつらはまだ子供だ」
「分かってますよ。
だからこそ、私達…大人がいるんじゃないですか。…っと、そろそろ時間ですね」
立ち上がったと同時に迎えを知らせる音。
「お話は済みましたか?」
「あぁ、今終わった。
それでは…」
「任せておけ。
アルを頼んだ」
「はい」
「失礼しました」
家から出ると駅に向かって歩く。
胸に秘めた決意と共に歩いてゆく…。
強い焔は消えることはない‥‥。
-END-
「…アルは合格したのか?」
「えぇ、もちろん。
二つ名は鎧を与えました」
「鎧、か…」
何となく、その意味合いを理解したのか、イズミがそれを口にすることはなかった。
「突然すまないな。
どうしても今日しか時間が取れなかった」
「仕方ない、これから忙しくなる」
「…私は国も軍も変えてみせる。
いつか、あなたに国家錬金術師になってもらえるように」
「諦めていなかったのか」
「あの人がやれなかったことを私はやる」
「…本題は?」
懐から1枚の封筒を取り出した。
「‥‥これは?」
「私はいつ暗殺されてもおかしくない立場にある。
私が暗殺された後、それを届けてくれ。
あなたに託す」
「………。」
「それが使われないことを願うが、まだ軍は安全とは言えない。
私をよく思っていない者達もいるんだ。
あなたにしか頼めない、それを守ってくれないだろうか。
遺書だから誰も受け取ってはくれないだろう」
「…分かった。
絶対に死ぬなよ?」
「そう簡単に死にませんよ。
まだやりたいことが山ほどあるんで」
「…そうだったな」
イズミは口元を緩め、封筒を受け取る。
仲間の為に託す“遺書”。
それは自分が死んでも守りたいという強い意思。
「…誰にも言っていないのか?」
「言っていたら来れませんよ。
言える訳がないじゃないですか、こんなことを…」
大切だから言えないこともある。
それはイズミも分かっていた。
「あいつは?」
「音信不通だそうです」
「まったく、親子揃って…」
「私が出来る限りのことはしますよ」
「‥‥アルを頼む」
「はい」
「どんなに大人びていても、あいつらはまだ子供だ」
「分かってますよ。
だからこそ、私達…大人がいるんじゃないですか。…っと、そろそろ時間ですね」
立ち上がったと同時に迎えを知らせる音。
「お話は済みましたか?」
「あぁ、今終わった。
それでは…」
「任せておけ。
アルを頼んだ」
「はい」
「失礼しました」
家から出ると駅に向かって歩く。
胸に秘めた決意と共に歩いてゆく…。
強い焔は消えることはない‥‥。
-END-