第⑤話
夢小説設定
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元の身体に戻ったからと言ってすぐにオシャレになるはずもないだろう。
それでも元の身体に戻った喜びはあり、食べ物や飲み物を口にする度に幸せに思う。
洋服を着れること、お風呂に入れること、些細なことが幸せに思える。
「せっかくなんだし、オシャレすればいいのに。
あぁ、そうだ。
アルにも洋服を買って来たんだ」
「えっ?」
「似合いそうだったから。
迷惑だったか?」
「あ、いえ、びっくりして…
いいんですか?」
「もちろん」
「ありがとうございます」
「気に入らなかったら着なくてもいいから…」
「いえ、着ます。
高そうな洋服をすみません」
「たいした値段じゃないさ」
「本当にありがとうございます」
自分では買えないブランドの洋服なのは見てすぐに分かった。
こんな風にして貰ってばかりでいいのだろうかと思いつつも、嬉しく感じるのもまた事実。
「うまかったか?」
「はい」
「それはよかった。
どうかしたか?」
「僕ばっかり色々としてもらって、いいのかなって」
「いいんだよ。
私がしてあげたいんだから。
君は色々と苦労して来たから尚更、いろんなことをしてあげたい。
そう思うのはいけないことかな?」
「そんなこと…」
戸惑ったようにアルがロイを見つめると、そこには優しい瞳があった。
「私は君には甘いと言われるが、確かにそうだね。
けど、それがいけないことなんて私は思わないよ。
私は仲間や身内の為ならどんなことでもするからね。
だから、申し訳ないとかそんな風に思わなくていいんだよ。
同情でもなく、私は私の意思で君にしてあげたいことをしているまでだ」
「はい」
ロイの気持ちが素直に嬉しくて、自然と笑顔が浮かんだ。
言葉で表現するのは難しいけれど、大切な家族のような存在なのは確かだった。
(マスタングさんがどう思っているか分からないけれど…)
アルにとって、ロイは大切な存在であり、自分を成長させてくれる人物でもある。
生活や軍事のこと、錬金術に関しての知識を教えてくれる。
「僕は鎧だったから、傷も残ってないけど…
兄さんの身体には残ってるのかな」
「ある程度は残ってるだろうな」
アルの傷痕は修行中のものばかりで当然ながら旅の時の傷痕は残ってない。
「…ん?
なんだ?」
「マスタングさんも身体に傷痕が残っていたりするんですか?」
「随分といきなりだな」
「すみません、気になったので…」
「別に構わないよ。
軍人だし、戦いの傷はあるさ。
それでもホークアイが守ってくれていたからな、傷は少ない方だろう」
ロイの身体にある傷痕はリザと出会う前のものがほとんどだったりする。
アルの視線に気づき、ロイは苦笑いを浮かべた。
「傷痕があればいいってものではないさ。
勲章とも言えるだろうけどな」
「あ、いえ、そういう訳ではなくて…
軍人だと傷があるのは当たり前なのかなって」
「私は戦いのない国に変えたい。
だが、今は戦争もまだあるからな。
戦いに立ち向かうのは軍人だから、軍人にとって戦争も覚悟しておかなければならない事実なのだろう。
アル、怖いか?」
「…目の前で守れずに亡くすのは怖いです。
自分のことで精一杯で守れないのかもしれません」
「それでいいんだ。
その恐怖を失ってはいけないよ」
「‥‥はい」
微かに震えてるアルをロイは抱き締めた。
「私を信じてくれ。
絶対に戦いのない国にしてみせるから」
「…はい」
「君を巻き込んでいるのだろうな。
だが、それでも私は‥‥」
「それは違います。
僕は僕の意思で貴方の側にいるんです」
「…あぁ」
ロイのぬくもりに安堵し、震えも止まる。
まだ不安そうなアルの瞳を見てロイは笑みを浮かべ、軽々とアルを抱えた。
「うっわ…!!
ちょッ、マスタングさん!?
恥ずかしいから降ろしてくださいっ!!」
真っ赤になってアルは叫ぶ。
「一緒に風呂に入ろうか」
「ふぇ?」
「親子なら一緒に風呂に入るんだよな?
そういうのしてみたい」
「意味が分かりません!
確かにお父さんみたいですけど…」
「恥ずかしがらなくてもいいじゃないか」
「ちょ…ッ」
半ば強引に連れて行かれるアル。
「‥‥信じられない。
一緒に入ったなんて誰にも言わないでくださいよ!!?
絶対にからかわれるっ!」
「ははっ、可愛いなぁ。
確かにハボック辺りがからかいそうだ。
内緒にしてるから安心しなさい」
真っ赤になりながら少し不満そうにアルが湯船に浸かっていた。
それでも元の身体に戻った喜びはあり、食べ物や飲み物を口にする度に幸せに思う。
洋服を着れること、お風呂に入れること、些細なことが幸せに思える。
「せっかくなんだし、オシャレすればいいのに。
あぁ、そうだ。
アルにも洋服を買って来たんだ」
「えっ?」
「似合いそうだったから。
迷惑だったか?」
「あ、いえ、びっくりして…
いいんですか?」
「もちろん」
「ありがとうございます」
「気に入らなかったら着なくてもいいから…」
「いえ、着ます。
高そうな洋服をすみません」
「たいした値段じゃないさ」
「本当にありがとうございます」
自分では買えないブランドの洋服なのは見てすぐに分かった。
こんな風にして貰ってばかりでいいのだろうかと思いつつも、嬉しく感じるのもまた事実。
「うまかったか?」
「はい」
「それはよかった。
どうかしたか?」
「僕ばっかり色々としてもらって、いいのかなって」
「いいんだよ。
私がしてあげたいんだから。
君は色々と苦労して来たから尚更、いろんなことをしてあげたい。
そう思うのはいけないことかな?」
「そんなこと…」
戸惑ったようにアルがロイを見つめると、そこには優しい瞳があった。
「私は君には甘いと言われるが、確かにそうだね。
けど、それがいけないことなんて私は思わないよ。
私は仲間や身内の為ならどんなことでもするからね。
だから、申し訳ないとかそんな風に思わなくていいんだよ。
同情でもなく、私は私の意思で君にしてあげたいことをしているまでだ」
「はい」
ロイの気持ちが素直に嬉しくて、自然と笑顔が浮かんだ。
言葉で表現するのは難しいけれど、大切な家族のような存在なのは確かだった。
(マスタングさんがどう思っているか分からないけれど…)
アルにとって、ロイは大切な存在であり、自分を成長させてくれる人物でもある。
生活や軍事のこと、錬金術に関しての知識を教えてくれる。
「僕は鎧だったから、傷も残ってないけど…
兄さんの身体には残ってるのかな」
「ある程度は残ってるだろうな」
アルの傷痕は修行中のものばかりで当然ながら旅の時の傷痕は残ってない。
「…ん?
なんだ?」
「マスタングさんも身体に傷痕が残っていたりするんですか?」
「随分といきなりだな」
「すみません、気になったので…」
「別に構わないよ。
軍人だし、戦いの傷はあるさ。
それでもホークアイが守ってくれていたからな、傷は少ない方だろう」
ロイの身体にある傷痕はリザと出会う前のものがほとんどだったりする。
アルの視線に気づき、ロイは苦笑いを浮かべた。
「傷痕があればいいってものではないさ。
勲章とも言えるだろうけどな」
「あ、いえ、そういう訳ではなくて…
軍人だと傷があるのは当たり前なのかなって」
「私は戦いのない国に変えたい。
だが、今は戦争もまだあるからな。
戦いに立ち向かうのは軍人だから、軍人にとって戦争も覚悟しておかなければならない事実なのだろう。
アル、怖いか?」
「…目の前で守れずに亡くすのは怖いです。
自分のことで精一杯で守れないのかもしれません」
「それでいいんだ。
その恐怖を失ってはいけないよ」
「‥‥はい」
微かに震えてるアルをロイは抱き締めた。
「私を信じてくれ。
絶対に戦いのない国にしてみせるから」
「…はい」
「君を巻き込んでいるのだろうな。
だが、それでも私は‥‥」
「それは違います。
僕は僕の意思で貴方の側にいるんです」
「…あぁ」
ロイのぬくもりに安堵し、震えも止まる。
まだ不安そうなアルの瞳を見てロイは笑みを浮かべ、軽々とアルを抱えた。
「うっわ…!!
ちょッ、マスタングさん!?
恥ずかしいから降ろしてくださいっ!!」
真っ赤になってアルは叫ぶ。
「一緒に風呂に入ろうか」
「ふぇ?」
「親子なら一緒に風呂に入るんだよな?
そういうのしてみたい」
「意味が分かりません!
確かにお父さんみたいですけど…」
「恥ずかしがらなくてもいいじゃないか」
「ちょ…ッ」
半ば強引に連れて行かれるアル。
「‥‥信じられない。
一緒に入ったなんて誰にも言わないでくださいよ!!?
絶対にからかわれるっ!」
「ははっ、可愛いなぁ。
確かにハボック辺りがからかいそうだ。
内緒にしてるから安心しなさい」
真っ赤になりながら少し不満そうにアルが湯船に浸かっていた。