第④話
夢小説設定
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騒がしいのを好まないロイらしい落ち着いた雰囲気のカフェだった。
「あまり騒がしいのは好きではないし、落ち着いた感じでいいね…」
「そうですね。
ほかの皆さんは騒がしい店に行ったりするのに珍しいですね」
「よく言われるよ。
別に嫌いではないけど雑音が煩く感じる。
話し声も様々な方向から聞こえるし。
ヒューズはそういうバーを好むんだが、私は苦手だ」
「話はしても貴方は騒いだりするタイプではありませんからね。
そう考えると偽っていたとはいえ、自分とは正反対で大変だったんでは…」
修行していた頃の真面目なロイと変わってしまったと感じていたが、実際には偽っていただけだった。
もちろんすべてを偽っていた訳ではない。
仕事姿勢と女性問題については偽っていたようだ。
モテるのはもちろん事実だったが…。
「あぁ、苦労した。
女性問題も含めてな。
口説かれたことはあっても、口説くことはなかったし。
ヒューズに相談して笑われながら教わった。
あれは屈辱だったが、仕方ない」
ロイは今思い出しても悔しいようだ。
士官学校時代はもちろん、住み込みで修行していた頃も街中に出ると口説かれたが、真面目だったのですべて断っていた。
だから、遊びを覚えるのは人一倍の努力が必要だった。
女性に恥をかかせないように、さりげなく口説く方法、パーティーなどでの礼儀作法、それを短期間でヒューズの協力と独自で研究して習得したのだ。
口説くのも自然になり、それが当たり前になっていたが、やっと解放された。
それに解放されると同時に自由を制限されたのも事実。
それでも相手が信頼する者なら、苦痛なんて感じない。
大総統になる為にある程度の犠牲は仕方ないと思っていた。
仲間を奪われた時に比べたら、これくらいで済んだとロイは安堵したのだ。
「…笑わないでください。
食べたかったんですから仕方ないでしょう!!?」
「ははっ、すまない。
いやいや、可愛いと思ってね」
リザは意外にも甘いものが好きでパンケーキ、ロイはサンドイッチを頼んだ。
甘い匂いは嫌いではないが、自分が食べるのは少し苦手。
「蜂蜜のいい香りがするな。
それなりにいい蜂蜜を使ってるのか」
「食べます?」
「いや、遠慮する」
「美味しいのに」
「それはよかったな。
君はたまに子供らしくなるが、それは可愛いな」
「な、なにを言ってるんですか///」
ロイはリザを見て優しく微笑む。
まるでデートのようだとそれに気づかないのは本人達だけかもしれない。
否、ロイは気づいてて楽しんでいるのかもしれない。
(まったく、鈍感すぎるよ。
ラブレターにも気づかない天然だから仕方ないか)
リザをチラッと見て苦笑いした。
「ご馳走様でした」
「あぁ…」
「どうかしましたか?」
「いや、何でもない。
そろそろ帰ろうか」
「はい」
「昨日のお礼にアルの好きなケーキでも買いに行こうかな」
やはり、父親みたいだとロイを見てリザは思うのだった。
ケーキを買って家の前で別れた。
「じゃあ、また明日。
今日はありがとう」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございました。
これも買ってもらって…
ブラハのお菓子まで買ってくださって、本当にありがとうございました」
深々とリザは頭を下げてお礼を言う。
「たいしたことないさ。
君に似合うと思ったから」
「宝石で高いものを…」
「そんなに高くはないさ」
(やっぱり、金銭感覚がズレてるわ。
大総統だからいいのかしら?
まぁ、大佐の時からそうだったし)
金銭感覚のズレは偽りではない真実。
似合うからとリザはロイに宝石のピアスをプレゼントされた。
言葉巧みに言われ、断れずに結局は受け取った。
だが、素直にそれは嬉しかった。
「本当にありがとうございました。
また明日」
「あぁ、またな」
ロイが家に入るまで見送り、リザはブラックハヤテ号と帰って行ったのだ。
「あまり騒がしいのは好きではないし、落ち着いた感じでいいね…」
「そうですね。
ほかの皆さんは騒がしい店に行ったりするのに珍しいですね」
「よく言われるよ。
別に嫌いではないけど雑音が煩く感じる。
話し声も様々な方向から聞こえるし。
ヒューズはそういうバーを好むんだが、私は苦手だ」
「話はしても貴方は騒いだりするタイプではありませんからね。
そう考えると偽っていたとはいえ、自分とは正反対で大変だったんでは…」
修行していた頃の真面目なロイと変わってしまったと感じていたが、実際には偽っていただけだった。
もちろんすべてを偽っていた訳ではない。
仕事姿勢と女性問題については偽っていたようだ。
モテるのはもちろん事実だったが…。
「あぁ、苦労した。
女性問題も含めてな。
口説かれたことはあっても、口説くことはなかったし。
ヒューズに相談して笑われながら教わった。
あれは屈辱だったが、仕方ない」
ロイは今思い出しても悔しいようだ。
士官学校時代はもちろん、住み込みで修行していた頃も街中に出ると口説かれたが、真面目だったのですべて断っていた。
だから、遊びを覚えるのは人一倍の努力が必要だった。
女性に恥をかかせないように、さりげなく口説く方法、パーティーなどでの礼儀作法、それを短期間でヒューズの協力と独自で研究して習得したのだ。
口説くのも自然になり、それが当たり前になっていたが、やっと解放された。
それに解放されると同時に自由を制限されたのも事実。
それでも相手が信頼する者なら、苦痛なんて感じない。
大総統になる為にある程度の犠牲は仕方ないと思っていた。
仲間を奪われた時に比べたら、これくらいで済んだとロイは安堵したのだ。
「…笑わないでください。
食べたかったんですから仕方ないでしょう!!?」
「ははっ、すまない。
いやいや、可愛いと思ってね」
リザは意外にも甘いものが好きでパンケーキ、ロイはサンドイッチを頼んだ。
甘い匂いは嫌いではないが、自分が食べるのは少し苦手。
「蜂蜜のいい香りがするな。
それなりにいい蜂蜜を使ってるのか」
「食べます?」
「いや、遠慮する」
「美味しいのに」
「それはよかったな。
君はたまに子供らしくなるが、それは可愛いな」
「な、なにを言ってるんですか///」
ロイはリザを見て優しく微笑む。
まるでデートのようだとそれに気づかないのは本人達だけかもしれない。
否、ロイは気づいてて楽しんでいるのかもしれない。
(まったく、鈍感すぎるよ。
ラブレターにも気づかない天然だから仕方ないか)
リザをチラッと見て苦笑いした。
「ご馳走様でした」
「あぁ…」
「どうかしましたか?」
「いや、何でもない。
そろそろ帰ろうか」
「はい」
「昨日のお礼にアルの好きなケーキでも買いに行こうかな」
やはり、父親みたいだとロイを見てリザは思うのだった。
ケーキを買って家の前で別れた。
「じゃあ、また明日。
今日はありがとう」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございました。
これも買ってもらって…
ブラハのお菓子まで買ってくださって、本当にありがとうございました」
深々とリザは頭を下げてお礼を言う。
「たいしたことないさ。
君に似合うと思ったから」
「宝石で高いものを…」
「そんなに高くはないさ」
(やっぱり、金銭感覚がズレてるわ。
大総統だからいいのかしら?
まぁ、大佐の時からそうだったし)
金銭感覚のズレは偽りではない真実。
似合うからとリザはロイに宝石のピアスをプレゼントされた。
言葉巧みに言われ、断れずに結局は受け取った。
だが、素直にそれは嬉しかった。
「本当にありがとうございました。
また明日」
「あぁ、またな」
ロイが家に入るまで見送り、リザはブラックハヤテ号と帰って行ったのだ。