第④話
夢小説設定
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リザが用事でロイの元から離れ、誰も入れないように大総統室の鍵を閉めた。
「ちょっと用事があるから。
誰も入れないでちょうだい」
「分かりました」
大総統室前にいる受付嬢に声をかけ、リザは早足で出て行く。
リザが大総統室に戻って来るとロイは既に起きていた。
「大総統っ!!
何をなさっているんですか!」
「何って、仕事」
(‥‥修行中の真面目な頃に逆戻り?
不真面目なのは偽りの姿とはいえ、偽りの仮面を一気に取りすぎだわι)
複雑な心境のリザであった。
「ダメですよ、あまり無茶をしては…」
「もう終わるよ。
これは問題ないから提出して来てくれ。
こっちはやり直し、再提出するように言ってくれ」
「…再提出が多いですね」
「仕方ないさ、改革するんだ。
今まで通りにはいかない。
不満もあるだろうが、このまま腐った軍にしとけないからな」
「…そうですね。
とりあえず、こちらを提出して来ます」
「ホークアイ、アルの姿が見えないが…」
「荷物を運ぶように指示しました」
「‥‥そうか」
「失礼します」
敬礼してリザが出て行く。
アルは2人分の荷物を片付け、スーツはクリーニングに出した。
湿気臭く、空気を入れ換えた。
「留守にしてたから仕方ないか。
埃も溜まってるし、掃除しよう」
しっかり者のアルらしく、休まずに自ら働いている。
部屋中を掃除して冷蔵庫の電源も入れると食材を買って来て揃えた。
腐るだろうと食材はすべて使い切り、冷蔵庫と冷凍庫には何も入ってない。
(あっ、そうそう。
たまに飲むし、ウィスキー用の氷も作っておかないと…)
ロイの為に働くアルはまるで妻のようだ。
お酒が飲める年齢になったら飲もうと口約束ではあるが、ロイと約束した。
(最初に飲む相手はマスタングさんかな。
僕を放って行った兄さんや父さんなんかより、ずっと頼りになるし!
もういい加減、知らないんだから!!)
2人に対して悲しさや寂しさよりも怒りも込み上げて来そうだ。
「…電話が無理でも手紙くらいくれてもいいじゃないか。
本当に自分勝手な親子なんだから」
涙が滲み、アルは袖で拭う。
定時までに迎えに来てくれればいいと言われたが、アルは独りで居たくなくて司令部に戻って来た。
「大総統、失礼します。
起きていたんですか?」
「あぁ、心配かけたな」
「‥‥いえ」
「どうした?」
「家で独りでいたら、なんか…っ」
ロイの顔を見たら安堵し、涙が溢れた。
「プライベートに戻ろうか。
アル、おいで。
大丈夫だから」
「マスタングさん…っ」
ロイの腕に飛び込んで来たアルを優しく受け入れた。
「広すぎる家に独りでいたら、思い出しちゃったんです。
寂しくて悲しくて、怒りもあって…」
ロイはアルの頭を優しくなでながら話を聞いていた。
「ひっ、く…ッ
‥‥僕は置いて行かれたんですか?
捨てられたの?
2人にとって迷惑で重荷なんでしょうか」
「…っ!!」
ロイはアルの切なすぎる悲しい問いかけに息を呑んだ。
「そんな訳あるはずないだろう?
鋼のや、父上も君を愛しているし、大切な弟で息子だ」
「だったら、どうして会いに来ないの?
手紙や電話さえもない!」
「…君のいる場所が分からないんだよ」
「ウィンリィの家があるんだから住所も分かるし、電話番号だって分かる!!」
アルは泣き叫び、ロイの胸板を叩く。
宥めるようにアルの腕を掴んだ。
「アル、落ち着け。
君を置いて行ったりしないよ」
「血の繋がりのないマスタングさんの方が家族みたいだよ。
どうしてなの?
無事さえも分からなくて待つしか出来ないなんて‥‥」
不安定で限界も近いのだろう。
「アル、私が父上と鋼のの代わりだ。
2人の代わりに大切に思うから。
もっと我儘になっていいし、甘えなさい。
君にはその権利があるんだから」
「うわあぁぁんっ!!」
子供のようにアルはロイの腕の中で声を上げて大泣きした。
「…ホークアイ。
もう入って来ていいよ。
泣き疲れたみたいだな」
「やはり、気づいていましたか。
寝てしまったんですか?」
「そのようだな」
アルを抱えてロイはソファに寝かせる。
「貴方の負担にならないように我慢していたのですね。
ふふっ、随分とアルフォンスくんを可愛がってますね?」
「そうだな。
君だってそうだろう?」
顔を見合わせ、クスクスと笑う姿はまるで子供を優しく見守る夫婦みたいだ。
「ちょっと用事があるから。
誰も入れないでちょうだい」
「分かりました」
大総統室前にいる受付嬢に声をかけ、リザは早足で出て行く。
リザが大総統室に戻って来るとロイは既に起きていた。
「大総統っ!!
何をなさっているんですか!」
「何って、仕事」
(‥‥修行中の真面目な頃に逆戻り?
不真面目なのは偽りの姿とはいえ、偽りの仮面を一気に取りすぎだわι)
複雑な心境のリザであった。
「ダメですよ、あまり無茶をしては…」
「もう終わるよ。
これは問題ないから提出して来てくれ。
こっちはやり直し、再提出するように言ってくれ」
「…再提出が多いですね」
「仕方ないさ、改革するんだ。
今まで通りにはいかない。
不満もあるだろうが、このまま腐った軍にしとけないからな」
「…そうですね。
とりあえず、こちらを提出して来ます」
「ホークアイ、アルの姿が見えないが…」
「荷物を運ぶように指示しました」
「‥‥そうか」
「失礼します」
敬礼してリザが出て行く。
アルは2人分の荷物を片付け、スーツはクリーニングに出した。
湿気臭く、空気を入れ換えた。
「留守にしてたから仕方ないか。
埃も溜まってるし、掃除しよう」
しっかり者のアルらしく、休まずに自ら働いている。
部屋中を掃除して冷蔵庫の電源も入れると食材を買って来て揃えた。
腐るだろうと食材はすべて使い切り、冷蔵庫と冷凍庫には何も入ってない。
(あっ、そうそう。
たまに飲むし、ウィスキー用の氷も作っておかないと…)
ロイの為に働くアルはまるで妻のようだ。
お酒が飲める年齢になったら飲もうと口約束ではあるが、ロイと約束した。
(最初に飲む相手はマスタングさんかな。
僕を放って行った兄さんや父さんなんかより、ずっと頼りになるし!
もういい加減、知らないんだから!!)
2人に対して悲しさや寂しさよりも怒りも込み上げて来そうだ。
「…電話が無理でも手紙くらいくれてもいいじゃないか。
本当に自分勝手な親子なんだから」
涙が滲み、アルは袖で拭う。
定時までに迎えに来てくれればいいと言われたが、アルは独りで居たくなくて司令部に戻って来た。
「大総統、失礼します。
起きていたんですか?」
「あぁ、心配かけたな」
「‥‥いえ」
「どうした?」
「家で独りでいたら、なんか…っ」
ロイの顔を見たら安堵し、涙が溢れた。
「プライベートに戻ろうか。
アル、おいで。
大丈夫だから」
「マスタングさん…っ」
ロイの腕に飛び込んで来たアルを優しく受け入れた。
「広すぎる家に独りでいたら、思い出しちゃったんです。
寂しくて悲しくて、怒りもあって…」
ロイはアルの頭を優しくなでながら話を聞いていた。
「ひっ、く…ッ
‥‥僕は置いて行かれたんですか?
捨てられたの?
2人にとって迷惑で重荷なんでしょうか」
「…っ!!」
ロイはアルの切なすぎる悲しい問いかけに息を呑んだ。
「そんな訳あるはずないだろう?
鋼のや、父上も君を愛しているし、大切な弟で息子だ」
「だったら、どうして会いに来ないの?
手紙や電話さえもない!」
「…君のいる場所が分からないんだよ」
「ウィンリィの家があるんだから住所も分かるし、電話番号だって分かる!!」
アルは泣き叫び、ロイの胸板を叩く。
宥めるようにアルの腕を掴んだ。
「アル、落ち着け。
君を置いて行ったりしないよ」
「血の繋がりのないマスタングさんの方が家族みたいだよ。
どうしてなの?
無事さえも分からなくて待つしか出来ないなんて‥‥」
不安定で限界も近いのだろう。
「アル、私が父上と鋼のの代わりだ。
2人の代わりに大切に思うから。
もっと我儘になっていいし、甘えなさい。
君にはその権利があるんだから」
「うわあぁぁんっ!!」
子供のようにアルはロイの腕の中で声を上げて大泣きした。
「…ホークアイ。
もう入って来ていいよ。
泣き疲れたみたいだな」
「やはり、気づいていましたか。
寝てしまったんですか?」
「そのようだな」
アルを抱えてロイはソファに寝かせる。
「貴方の負担にならないように我慢していたのですね。
ふふっ、随分とアルフォンスくんを可愛がってますね?」
「そうだな。
君だってそうだろう?」
顔を見合わせ、クスクスと笑う姿はまるで子供を優しく見守る夫婦みたいだ。