第④話
夢小説設定
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大総統室に入ると緊張感が緩んだのか、一瞬意識が遠くなる。
「ロイっ!!」
「大総統!」
「大丈夫ですか?」
慌ててヒューズがロイの腕を掴む。
側にいたハボックも駆け寄って傾きかけたロイの身体を支える。
「あ、れ?
…結構やばいかも」
「結構どころじゃないだろ、ロイ。
とりあえず、ソファに」
「ドクターを呼んで来ます!」
「アルフォンスくんっ!」
「分かってます。
海外に行ったので一応診てもらう、周りにはそう思わせます」
「え、えぇ…
お願いね」
「お~、よく分かってんじゃねぇか」
「行って来ます」
アルが大総統室から小走りで向かう。
「忙しいのにすみません。
一応海外に行ったので、検査して欲しいんですよ。
倒れられたら困るので」
「…分かった」
話しながらアルがドクターにメモを手渡した。
“話を合わせてください。
貧血で倒れそうになり、今は休んでます。
疲れが溜まってるようです”
ドクターはチラッと見てアルに話を合わせながら早歩きで大総統室に向かう。
「だったら、早く終わらせるか。
確かに大総統に倒れられたら困るな」
「お願いします」
ドクターと目で合図する。
信頼する仲間達がいるから安心…。
全力疾走できるのは心を許す仲間が側にいるから‥‥。
大総統室―――…
アルが連れて来て、ロイはソファで横になっていた。
「どうなんでしょうか?」
「なに、そう心配するものでもない。
ただの軽い貧血だ。
疲れが溜まってるのと、睡眠不足が原因だろう。
あとは少し栄養が足りないようだな。
ちゃんと食事していたのか?
念の為に点滴をしておくか。
ほら、腕を出せ」
「‥‥はい」
「どんなに忙しくても仮眠か食事どちらかはしろと前も言っただろう?
そんな生活をしてたら倒れるぞ」
「分かってますけど、今回は時間がなかったんですよ」
呆れたようにドクターはロイに点滴する。
「それが終わるまでおとなしくしてろ。
栄養剤だから。
点滴が終わる頃にまた来る」
「はい、ありがとうございました」
ドクターが出て行くとロイは起き上がる。
「ロイ…」
「ヒューズ、書類は?」
「将軍が訂正の書類を持って来た」
渋々ながら起き上がる為に肩を貸し、ヒューズはロイに書類を手渡す。
書類に素早く目を通し、ロイはため息をつくと指を鳴らして灰皿に炭になって落ちた。
「アル、片付けて来て」
「はい」
「また訂正だな」
「担当を変えた方が早くないか?」
「腐った奴に分からすまでやらせるまでだ。
誰がやっても同じだろう」
「まったく、仕方ない奴だな」
「大総統、少し休んでください。
書類はそんなに溜まってませんから」
「いや、大丈夫だ」
「またドクターに説教されますよ?」
「ん~…しつこく言われるのは嫌だな」
リザに言われて仕方なく、ロイはソファで休むことにした。
眩しいだろうとカーテンを閉め、ロイの身体にタオルケットを掛けた。
「じゃあ、俺達は執務室に行きますね」
「お大事に」
「何かあったら呼んでください」
「俺も戻るよ。
じゃあ、またな」
大総統室からハボック達とヒューズも出て行った。
途端に静かになった気がした。
優しくリザがロイの黒髪に触れる。
「眠って構いませんよ、大総統」
「ん…」
「大丈夫ですから。
今は安心してお休みください。
ずっと貴方の側にいますから」
語りかけるように耳元で囁き、ロイの頭をなでた。
それが心地よくて、疲れもあって瞼が重くなる。
不思議と安心して眠れそうな自分に思わず、子供みたいだと苦笑いする。
「やっと眠ったわね。
まったく、仕方ない人ね。
アルフォンスくん」
「あ、はい」
「ここはいいから家に帰って荷物を置いて片付けて来てくれる?
家の片付けもあるだろうし、定時までに迎えに来てくれればいいから」
「…分かりました。
では、失礼します」
リザには逆らっては無駄だと分かっているので、アルは2人分の荷物を軽々と抱えて大総統室から出た。
本当はベットで寝かせてあげたいのだが、大総統の就任をよく思ってない人が多い。
特に上層部の人々はロイについていこうとは思わず、隙を見て落とそうと企んでいるに違いない。
こんなことで体調を崩すとバカにされては困るだろう。
「特にハクロ将軍は厄介ね。
気が合わないというか、嫌ってるみたいだから」
思わず、リザがため息をつく。
今は昔と違って表向きだけでもいい顔をする人もいるが、ロイは味方ではないと分かっているだろう。
その一方で新たに慕ってくれる部下達もいて、ロイの能力や本来の姿に気づいたのだろう。
今まで偽って来た姿に騙されていただけなのだから。
自分達を使い捨ての駒のように使うのではなく、今までの大総統のような扱いではなく、きちんと守り、人間扱いしてくれた。
この人にならついて行けると思った部下達もまだ一部ではあるが、増えているのが実態だ。
自分達のような下の者の意見も真剣に聞いてくれるのだから。
その意見に対してダメな部分はきちんと理由を話して訂正し、いい部分はきちんと評価してくれる。
直接話したことはなく、書類でのやりとりだが、大総統の印が押してあるので間違いなく本人だろう。
大総統の印は大総統しか使えない。
「ロイっ!!」
「大総統!」
「大丈夫ですか?」
慌ててヒューズがロイの腕を掴む。
側にいたハボックも駆け寄って傾きかけたロイの身体を支える。
「あ、れ?
…結構やばいかも」
「結構どころじゃないだろ、ロイ。
とりあえず、ソファに」
「ドクターを呼んで来ます!」
「アルフォンスくんっ!」
「分かってます。
海外に行ったので一応診てもらう、周りにはそう思わせます」
「え、えぇ…
お願いね」
「お~、よく分かってんじゃねぇか」
「行って来ます」
アルが大総統室から小走りで向かう。
「忙しいのにすみません。
一応海外に行ったので、検査して欲しいんですよ。
倒れられたら困るので」
「…分かった」
話しながらアルがドクターにメモを手渡した。
“話を合わせてください。
貧血で倒れそうになり、今は休んでます。
疲れが溜まってるようです”
ドクターはチラッと見てアルに話を合わせながら早歩きで大総統室に向かう。
「だったら、早く終わらせるか。
確かに大総統に倒れられたら困るな」
「お願いします」
ドクターと目で合図する。
信頼する仲間達がいるから安心…。
全力疾走できるのは心を許す仲間が側にいるから‥‥。
大総統室―――…
アルが連れて来て、ロイはソファで横になっていた。
「どうなんでしょうか?」
「なに、そう心配するものでもない。
ただの軽い貧血だ。
疲れが溜まってるのと、睡眠不足が原因だろう。
あとは少し栄養が足りないようだな。
ちゃんと食事していたのか?
念の為に点滴をしておくか。
ほら、腕を出せ」
「‥‥はい」
「どんなに忙しくても仮眠か食事どちらかはしろと前も言っただろう?
そんな生活をしてたら倒れるぞ」
「分かってますけど、今回は時間がなかったんですよ」
呆れたようにドクターはロイに点滴する。
「それが終わるまでおとなしくしてろ。
栄養剤だから。
点滴が終わる頃にまた来る」
「はい、ありがとうございました」
ドクターが出て行くとロイは起き上がる。
「ロイ…」
「ヒューズ、書類は?」
「将軍が訂正の書類を持って来た」
渋々ながら起き上がる為に肩を貸し、ヒューズはロイに書類を手渡す。
書類に素早く目を通し、ロイはため息をつくと指を鳴らして灰皿に炭になって落ちた。
「アル、片付けて来て」
「はい」
「また訂正だな」
「担当を変えた方が早くないか?」
「腐った奴に分からすまでやらせるまでだ。
誰がやっても同じだろう」
「まったく、仕方ない奴だな」
「大総統、少し休んでください。
書類はそんなに溜まってませんから」
「いや、大丈夫だ」
「またドクターに説教されますよ?」
「ん~…しつこく言われるのは嫌だな」
リザに言われて仕方なく、ロイはソファで休むことにした。
眩しいだろうとカーテンを閉め、ロイの身体にタオルケットを掛けた。
「じゃあ、俺達は執務室に行きますね」
「お大事に」
「何かあったら呼んでください」
「俺も戻るよ。
じゃあ、またな」
大総統室からハボック達とヒューズも出て行った。
途端に静かになった気がした。
優しくリザがロイの黒髪に触れる。
「眠って構いませんよ、大総統」
「ん…」
「大丈夫ですから。
今は安心してお休みください。
ずっと貴方の側にいますから」
語りかけるように耳元で囁き、ロイの頭をなでた。
それが心地よくて、疲れもあって瞼が重くなる。
不思議と安心して眠れそうな自分に思わず、子供みたいだと苦笑いする。
「やっと眠ったわね。
まったく、仕方ない人ね。
アルフォンスくん」
「あ、はい」
「ここはいいから家に帰って荷物を置いて片付けて来てくれる?
家の片付けもあるだろうし、定時までに迎えに来てくれればいいから」
「…分かりました。
では、失礼します」
リザには逆らっては無駄だと分かっているので、アルは2人分の荷物を軽々と抱えて大総統室から出た。
本当はベットで寝かせてあげたいのだが、大総統の就任をよく思ってない人が多い。
特に上層部の人々はロイについていこうとは思わず、隙を見て落とそうと企んでいるに違いない。
こんなことで体調を崩すとバカにされては困るだろう。
「特にハクロ将軍は厄介ね。
気が合わないというか、嫌ってるみたいだから」
思わず、リザがため息をつく。
今は昔と違って表向きだけでもいい顔をする人もいるが、ロイは味方ではないと分かっているだろう。
その一方で新たに慕ってくれる部下達もいて、ロイの能力や本来の姿に気づいたのだろう。
今まで偽って来た姿に騙されていただけなのだから。
自分達を使い捨ての駒のように使うのではなく、今までの大総統のような扱いではなく、きちんと守り、人間扱いしてくれた。
この人にならついて行けると思った部下達もまだ一部ではあるが、増えているのが実態だ。
自分達のような下の者の意見も真剣に聞いてくれるのだから。
その意見に対してダメな部分はきちんと理由を話して訂正し、いい部分はきちんと評価してくれる。
直接話したことはなく、書類でのやりとりだが、大総統の印が押してあるので間違いなく本人だろう。
大総統の印は大総統しか使えない。