第④話
夢小説設定
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ロイは優しく微笑み、アルの頭をなでた。
「そのうち分かるさ。
困ったり、悩みがあるなら相談していいから」
「はい、ありがとうございます」
にっこりとアルは笑う。
(本当に異なる兄弟だな。
鋼のとは違って素直でよろしい)
アルの笑顔につられるようにロイも笑みが溢れる。
「大総統、温かい飲み物でよろしかったですか?」
「ありがとう。
ん、甘いな…」
「甘すぎました?」
「いや、久々だったから。
懐かしいね…」
風邪をひいた時に作ってくれたリザの優しくも懐かしい味にロイは微笑む。
「帰ってからの予定は?」
「司令部に行って顔を出さないと。
とりあえず、ドクターに診てもらってください」
「はっ?」
「疲れも溜まってるでしょうから、倒れられては困ります」
「…分かったよ」
淡々と話すリザにロイはため息をついた。
過ごしやすいとは言えないが、それでも自分の国なのだから他国より安心する。
どちらかと言えば、東方時代の方が過ごしやすかったかもしれない。
事件や事故もあったので平和とは言えなかったが…。
ロイは青空に眩しそうに目を細めた。
「マスタング大総統、お疲れ様でした。
お帰りなさいませ」
「…ただいま」
「お待ちしておりました!」
「ヒューズ准将、お疲れ様。
助かったよ、ありがとう」
「いえ‥‥お疲れになりましたか?
あちらに車を停めてありますので」
「ありがとう。
何か変わったことは?」
「特に問題はありません。
大総統の書類とリストのおかげで」
「…そうか」
互いに含み笑いを浮かべた。
「新聞に載ってましたよ」
「ん?」
「写真と記事」
「あぁ、あれか…」
「見ていないんですか?」
「たいしたことは書かれてないだろ。
ある程度はホークアイに聞いて知ってる」
「主催国の大統領に気に入られてるなんていいじゃないですか」
「どうだかね…」
ロイは苦笑いしながらヒューズと歩いて行く。
その後ろからリザ達がついて行く。
メディアのカメラのシャッター音や質問にうんざりしながらも顔には出さず、無言で歩いていた。
顔が険しくなって確実に隠せてはいなかったが…。
「マスタング大総統!
お帰りなさい!!」
メディアの記者とは違う声にロイは気になったのか視線を動かした。
見てくれたのが嬉しかったのか、にっこりと笑った。
クスッとロイは微笑んだ。
どうやら、国民の数人が見に来ていたようでまだ幼い女の子だった。
後ろで慌てて母親が頭を下げるとロイは気にしていないと合図する。
「お仕事頑張ってね!」
「…ありがとう」
その様子を撮られていることに気づき、振り向いた。
「国民に迷惑をかけるな。
私を追いかけるのが仕事なのだろうが、それで国民に迷惑をかけるのは私は許さん」
鋭い眼で見られ、シャッター音が止んだ。
その隙にロイは車に乗り込んだ。
「マスコミ嫌いだったか?」
「好む奴はいないだろ」
車に入るとヒューズとロイはいつもの口調に戻る。
送り迎えの際はさすがにいつもの口調とはいかないのだろう。
ロイはため息をつき、車の揺れを感じながら景色を見ていた。
「…凄く長く感じた。
疲れたな」
「大変だったみたいだな」
「おまえ以上に信頼できる奴がいれば、おまえを連れて行ったんだけどな」
「グレイシアとエリシアと引き離す気か!?」
「そう言うと思ったから連れて行かなかったんだ」
「ロイ…」
「少しは感謝して欲しいものだな、ヒューズ准将?」
ヒューズは笑ってロイの肩を叩く。
「大総統、女の子に出迎えられてよかったですね。
少しずつ信頼されてるんですよ」
「そうだといいな。
まずは子供からって?」
「子供は素直な分、難しくも頼りになりますよ」
「頼りに?」
「子供から親に。
親から友に、その輪は広がります」
「なるほどね」
リザの言葉に納得したように笑う。
司令部に着くと敬礼で出迎えられた。
「「マスタング大総統、お帰りなさいませ!」」
「…ただいま」
ロイは思わず、苦笑いを浮かべた。
「そのうち分かるさ。
困ったり、悩みがあるなら相談していいから」
「はい、ありがとうございます」
にっこりとアルは笑う。
(本当に異なる兄弟だな。
鋼のとは違って素直でよろしい)
アルの笑顔につられるようにロイも笑みが溢れる。
「大総統、温かい飲み物でよろしかったですか?」
「ありがとう。
ん、甘いな…」
「甘すぎました?」
「いや、久々だったから。
懐かしいね…」
風邪をひいた時に作ってくれたリザの優しくも懐かしい味にロイは微笑む。
「帰ってからの予定は?」
「司令部に行って顔を出さないと。
とりあえず、ドクターに診てもらってください」
「はっ?」
「疲れも溜まってるでしょうから、倒れられては困ります」
「…分かったよ」
淡々と話すリザにロイはため息をついた。
過ごしやすいとは言えないが、それでも自分の国なのだから他国より安心する。
どちらかと言えば、東方時代の方が過ごしやすかったかもしれない。
事件や事故もあったので平和とは言えなかったが…。
ロイは青空に眩しそうに目を細めた。
「マスタング大総統、お疲れ様でした。
お帰りなさいませ」
「…ただいま」
「お待ちしておりました!」
「ヒューズ准将、お疲れ様。
助かったよ、ありがとう」
「いえ‥‥お疲れになりましたか?
あちらに車を停めてありますので」
「ありがとう。
何か変わったことは?」
「特に問題はありません。
大総統の書類とリストのおかげで」
「…そうか」
互いに含み笑いを浮かべた。
「新聞に載ってましたよ」
「ん?」
「写真と記事」
「あぁ、あれか…」
「見ていないんですか?」
「たいしたことは書かれてないだろ。
ある程度はホークアイに聞いて知ってる」
「主催国の大統領に気に入られてるなんていいじゃないですか」
「どうだかね…」
ロイは苦笑いしながらヒューズと歩いて行く。
その後ろからリザ達がついて行く。
メディアのカメラのシャッター音や質問にうんざりしながらも顔には出さず、無言で歩いていた。
顔が険しくなって確実に隠せてはいなかったが…。
「マスタング大総統!
お帰りなさい!!」
メディアの記者とは違う声にロイは気になったのか視線を動かした。
見てくれたのが嬉しかったのか、にっこりと笑った。
クスッとロイは微笑んだ。
どうやら、国民の数人が見に来ていたようでまだ幼い女の子だった。
後ろで慌てて母親が頭を下げるとロイは気にしていないと合図する。
「お仕事頑張ってね!」
「…ありがとう」
その様子を撮られていることに気づき、振り向いた。
「国民に迷惑をかけるな。
私を追いかけるのが仕事なのだろうが、それで国民に迷惑をかけるのは私は許さん」
鋭い眼で見られ、シャッター音が止んだ。
その隙にロイは車に乗り込んだ。
「マスコミ嫌いだったか?」
「好む奴はいないだろ」
車に入るとヒューズとロイはいつもの口調に戻る。
送り迎えの際はさすがにいつもの口調とはいかないのだろう。
ロイはため息をつき、車の揺れを感じながら景色を見ていた。
「…凄く長く感じた。
疲れたな」
「大変だったみたいだな」
「おまえ以上に信頼できる奴がいれば、おまえを連れて行ったんだけどな」
「グレイシアとエリシアと引き離す気か!?」
「そう言うと思ったから連れて行かなかったんだ」
「ロイ…」
「少しは感謝して欲しいものだな、ヒューズ准将?」
ヒューズは笑ってロイの肩を叩く。
「大総統、女の子に出迎えられてよかったですね。
少しずつ信頼されてるんですよ」
「そうだといいな。
まずは子供からって?」
「子供は素直な分、難しくも頼りになりますよ」
「頼りに?」
「子供から親に。
親から友に、その輪は広がります」
「なるほどね」
リザの言葉に納得したように笑う。
司令部に着くと敬礼で出迎えられた。
「「マスタング大総統、お帰りなさいませ!」」
「…ただいま」
ロイは思わず、苦笑いを浮かべた。