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ポンポンとアルの頭を軽く叩いた。
「分かればよろしい。
…まだ旅に?」
「はい、今はどこで何をしているのか…
半ば行方不明の音信不通ですよ」
苦笑いしながらも、その伏せられた眼は寂しそうだった。
「まぁ、噂を聞いてる限りは派手にやっているようだな。
査定もあるから、そろそろ戻っては来るだろう。
止める人がいないから多少不安だが…」
「暴走してないといいんですけど‥‥」
2人の脳裏にはチビと言われて大暴れしている“鋼の錬金術師”の姿が浮かんだ。
「国家錬金術師のことは?」
「…話してません。
話したかったんですけど、音信不通で。
反対されてるのは分かってますし。
ばっちゃんとウィンリィには許しを貰ったので。
…師匠を説得するのに1年もかかって大変でしたけどι」
「その傷は‥‥」
「あ、はい。
ちょっと師匠に…」
「相変わらずか…」
アルの頬や腕にある傷を見て納得した。
アルが退室した後、ため息をつく。
「…まるで父親になった気分だ」
「そうですね。
苦労を乗り越えて成長していくんですね」
「あぁ、そうだ。
明日出掛けたいんだが…」
「どこに?」
「‥‥師匠に報告を。
君も行くか?」
「…護衛は必要ですから」
「行きたくないのならどこかで待っているか?」
「‥‥いえ」
「…そうか」
会話が途切れ、窓の外を見ると青空が広がっていた。
「もうすぐだな」
「‥‥えぇ」
長い戦いだったと呟き、思わず口元が緩んだ。
翌日、留守を部下達に任せて2人で出掛けた。
列車に乗り込んで外を見ると懐かしく感じた。
どれくらい列車に揺らされていたのか、師匠の墓のある懐かしい土地に降り立つ。
「師匠‥‥お久しぶりです」
墓参りしている後ろ姿を中尉はただ見つめていた。
今までのことを報告した。
「…私は国を変えてみせます」
決意と共に凛とした言葉が響いた。
「――君は?」
「えっ…」
「墓参り、しないのか?」
「………。」
「‥‥嫌ならいい。
無理することない。
また来ようか。
もう1ヶ所、寄りたい場所がある」
肩を抱かれ、墓石前から去る。
どこに行くのか聞かされないまま、列車に乗り込んだ。
「…どこに行くんですか?」
「‥‥あの子達の師匠の元に」
「えっ…」
「話したいことがあるんだ。
錬金術に関することだから、悪いが、その時は席を外してもらえるか?」
「…分かりました。
あの、殴り合ったりしませんよね?」
「する訳がないだろう。
まぁ、あの人の性格が性格だからな」
思わず、苦笑いを浮かべた。
訪ねて行くと驚きながらも迎え入れてくれた。
「どうしたんだ?」
「突然ですまない」
「…いらっしゃい」
「まぁ、いいさ。
上がってくれ」
「お邪魔します」
「私はここで。
何時頃に迎えに来ればよろしいですか?」
「あぁ、そうだな。
1時間後に」
「分かりました」
ペコリと頭を下げ、中尉は去って行く。
「分かればよろしい。
…まだ旅に?」
「はい、今はどこで何をしているのか…
半ば行方不明の音信不通ですよ」
苦笑いしながらも、その伏せられた眼は寂しそうだった。
「まぁ、噂を聞いてる限りは派手にやっているようだな。
査定もあるから、そろそろ戻っては来るだろう。
止める人がいないから多少不安だが…」
「暴走してないといいんですけど‥‥」
2人の脳裏にはチビと言われて大暴れしている“鋼の錬金術師”の姿が浮かんだ。
「国家錬金術師のことは?」
「…話してません。
話したかったんですけど、音信不通で。
反対されてるのは分かってますし。
ばっちゃんとウィンリィには許しを貰ったので。
…師匠を説得するのに1年もかかって大変でしたけどι」
「その傷は‥‥」
「あ、はい。
ちょっと師匠に…」
「相変わらずか…」
アルの頬や腕にある傷を見て納得した。
アルが退室した後、ため息をつく。
「…まるで父親になった気分だ」
「そうですね。
苦労を乗り越えて成長していくんですね」
「あぁ、そうだ。
明日出掛けたいんだが…」
「どこに?」
「‥‥師匠に報告を。
君も行くか?」
「…護衛は必要ですから」
「行きたくないのならどこかで待っているか?」
「‥‥いえ」
「…そうか」
会話が途切れ、窓の外を見ると青空が広がっていた。
「もうすぐだな」
「‥‥えぇ」
長い戦いだったと呟き、思わず口元が緩んだ。
翌日、留守を部下達に任せて2人で出掛けた。
列車に乗り込んで外を見ると懐かしく感じた。
どれくらい列車に揺らされていたのか、師匠の墓のある懐かしい土地に降り立つ。
「師匠‥‥お久しぶりです」
墓参りしている後ろ姿を中尉はただ見つめていた。
今までのことを報告した。
「…私は国を変えてみせます」
決意と共に凛とした言葉が響いた。
「――君は?」
「えっ…」
「墓参り、しないのか?」
「………。」
「‥‥嫌ならいい。
無理することない。
また来ようか。
もう1ヶ所、寄りたい場所がある」
肩を抱かれ、墓石前から去る。
どこに行くのか聞かされないまま、列車に乗り込んだ。
「…どこに行くんですか?」
「‥‥あの子達の師匠の元に」
「えっ…」
「話したいことがあるんだ。
錬金術に関することだから、悪いが、その時は席を外してもらえるか?」
「…分かりました。
あの、殴り合ったりしませんよね?」
「する訳がないだろう。
まぁ、あの人の性格が性格だからな」
思わず、苦笑いを浮かべた。
訪ねて行くと驚きながらも迎え入れてくれた。
「どうしたんだ?」
「突然ですまない」
「…いらっしゃい」
「まぁ、いいさ。
上がってくれ」
「お邪魔します」
「私はここで。
何時頃に迎えに来ればよろしいですか?」
「あぁ、そうだな。
1時間後に」
「分かりました」
ペコリと頭を下げ、中尉は去って行く。