第④話
夢小説設定
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誰にも心配かけたくなくて、大総統の地位が邪魔して言えるタイミングもなかったのだろう。
「今はゆっくり、おやすみください。
大丈夫ですよ。
起きた時にはまたいつもの貴方に戻ってますよ」
「そう、だな…」
疲れがあり、ロイはリザに諭されて素直に眠りに着いた。
「やっぱり、不安だったんですね」
「…やっぱり?」
「思い当たるところがあるのか?」
「あぁ、アルフォンスくんは仕事も家も同じですから私達より長い時間を過ごしてますからね」
「何か引っ掛かってたの?」
「ほら、不安だとぬくもりを感じたくなるでしょう?」
「ん?」
「ぬくもり?」
「まぁ、確かに…」
不安から何故、いきなり温もりの話になるのかとハボック達は不思議そうな顔をする。
錬金術師は頭がいいから話が突然飛ぶのか、それとも話に繋がりがあるのか、天然なのかとそれぞれがアルを見て思っていた。
「最近は僕がお願いする前に一緒に寝てくれるから」
ロイとリザに続き、アルも天然のようだ。
爆弾発言だとアルは気づいていない。
沈黙の後に凝視し、一瞬言うべきなのかと迷った。
「アル、お願いして一緒に寝てもらってんのか?」
「大総統も意外にアルには甘いからなぁ」
「あッ!!」
アルはやっと自分の発言の問題に気づく。
ハボックとブレダがニヤリと笑い、アルをからかう。
普段はロイやリザが側にいるから出来ないのだ。
2人が可愛がっているのは見ていれば分かり、からかった時なんてダブルで叱られた。
自分の弟のように、時に子供のように大切な存在なのだ。
「ふぅん、大総統には甘えてるのか~」
「ちが…ッ」
「かっわいいねぇ」
「2人共、それくらいにしないと」
「…遅かったみたいですね」
フュリーとファルマンの視線の先には寝室から出て来たリザ。
「‥‥ここが司令部なら銃声が響いてたでしょうな」
「た、確かに…」
それは安易に想像がついた。
「何を騒いでるの?
大総統が起きてしまうわよ」
「リザさん‥‥2人が僕をイジメるんです~」
アルが半泣きでリザに訴えるとリザの眼がハボックとブレダを捕らえる。
アルが半泣きだったのは恥ずかしくてだったのだが…。
まさに鷹の眼。
リザに敵うはずもなく、土下座させられていた。
「リザさん、凄いですね」
「今度やられたら錬金術を使いなさい。
大丈夫、大総統なら許してくれるわ」
「はい」
(錬金術を使われたら俺等は死ぬよ…ι)
(からかっただけでこんな目に遇うとは‥‥)
リザを慕うアルに不安を少し覚えたハボックとブレダ。
(巻き込まれなくてよかったです…)
(前にもこんな事があったのに、懲りないのかな)
ファルマンとフュリーはそれを横目に苦笑いするのだった。
寝室のドアをノックし、リザは入室する。
「ん‥‥」
「すみません、大総統。
起こしてしまいましたか?」
微かな物音にうっすらと目を開けた。
「…どうかしたのか?」
「あ、いえ‥‥」
「心配しなくても大丈夫だ。
もう隠したりしないよ。
君のことだから不安に思ったのだろう?
すまないね、少し不安定になってたんだ」
寝起きなのにリザの微かな変化に気づくのはさすがだ。
ロイはリザの手を握った。
「…大総統。
どうして、ですか?
私にも言ってくださらなかったのは」
「情けなかったんだよ。
正直、どう切り出せばいいか分からなかったのもある。
自分の弱さを認めたくなかったんだな、私は。
君達と話して自分の弱さを自覚し、遅いけど自分でその弱さをやっと認められた。
そんなはずないのに、不安定で君の信頼を裏切るんじゃないかと怖くなった」
「私はずっと貴方について行きます。
貴方との信頼は何があっても切れたりしませんし、私は私の意思で貴方の側にいるんです!
貴方を心から私は信頼してます。
裏切られたなんて思うはずないでしょう?
お願いですから、もう隠すのはやめてください。
不安にさせないでください」
「あぁ、すまない」
リザがロイに抱きつき、その肩は微かに震えていた。
この2人の関係は恋人に近いのに、互いに好意を抱いてても付き合わないのは軍人としてのプライド。
それに加えて、過去の消えない罪が未だに2人を苦しめていた。
自分達だけが幸せになるのを許せないのだろう。
「今はゆっくり、おやすみください。
大丈夫ですよ。
起きた時にはまたいつもの貴方に戻ってますよ」
「そう、だな…」
疲れがあり、ロイはリザに諭されて素直に眠りに着いた。
「やっぱり、不安だったんですね」
「…やっぱり?」
「思い当たるところがあるのか?」
「あぁ、アルフォンスくんは仕事も家も同じですから私達より長い時間を過ごしてますからね」
「何か引っ掛かってたの?」
「ほら、不安だとぬくもりを感じたくなるでしょう?」
「ん?」
「ぬくもり?」
「まぁ、確かに…」
不安から何故、いきなり温もりの話になるのかとハボック達は不思議そうな顔をする。
錬金術師は頭がいいから話が突然飛ぶのか、それとも話に繋がりがあるのか、天然なのかとそれぞれがアルを見て思っていた。
「最近は僕がお願いする前に一緒に寝てくれるから」
ロイとリザに続き、アルも天然のようだ。
爆弾発言だとアルは気づいていない。
沈黙の後に凝視し、一瞬言うべきなのかと迷った。
「アル、お願いして一緒に寝てもらってんのか?」
「大総統も意外にアルには甘いからなぁ」
「あッ!!」
アルはやっと自分の発言の問題に気づく。
ハボックとブレダがニヤリと笑い、アルをからかう。
普段はロイやリザが側にいるから出来ないのだ。
2人が可愛がっているのは見ていれば分かり、からかった時なんてダブルで叱られた。
自分の弟のように、時に子供のように大切な存在なのだ。
「ふぅん、大総統には甘えてるのか~」
「ちが…ッ」
「かっわいいねぇ」
「2人共、それくらいにしないと」
「…遅かったみたいですね」
フュリーとファルマンの視線の先には寝室から出て来たリザ。
「‥‥ここが司令部なら銃声が響いてたでしょうな」
「た、確かに…」
それは安易に想像がついた。
「何を騒いでるの?
大総統が起きてしまうわよ」
「リザさん‥‥2人が僕をイジメるんです~」
アルが半泣きでリザに訴えるとリザの眼がハボックとブレダを捕らえる。
アルが半泣きだったのは恥ずかしくてだったのだが…。
まさに鷹の眼。
リザに敵うはずもなく、土下座させられていた。
「リザさん、凄いですね」
「今度やられたら錬金術を使いなさい。
大丈夫、大総統なら許してくれるわ」
「はい」
(錬金術を使われたら俺等は死ぬよ…ι)
(からかっただけでこんな目に遇うとは‥‥)
リザを慕うアルに不安を少し覚えたハボックとブレダ。
(巻き込まれなくてよかったです…)
(前にもこんな事があったのに、懲りないのかな)
ファルマンとフュリーはそれを横目に苦笑いするのだった。
寝室のドアをノックし、リザは入室する。
「ん‥‥」
「すみません、大総統。
起こしてしまいましたか?」
微かな物音にうっすらと目を開けた。
「…どうかしたのか?」
「あ、いえ‥‥」
「心配しなくても大丈夫だ。
もう隠したりしないよ。
君のことだから不安に思ったのだろう?
すまないね、少し不安定になってたんだ」
寝起きなのにリザの微かな変化に気づくのはさすがだ。
ロイはリザの手を握った。
「…大総統。
どうして、ですか?
私にも言ってくださらなかったのは」
「情けなかったんだよ。
正直、どう切り出せばいいか分からなかったのもある。
自分の弱さを認めたくなかったんだな、私は。
君達と話して自分の弱さを自覚し、遅いけど自分でその弱さをやっと認められた。
そんなはずないのに、不安定で君の信頼を裏切るんじゃないかと怖くなった」
「私はずっと貴方について行きます。
貴方との信頼は何があっても切れたりしませんし、私は私の意思で貴方の側にいるんです!
貴方を心から私は信頼してます。
裏切られたなんて思うはずないでしょう?
お願いですから、もう隠すのはやめてください。
不安にさせないでください」
「あぁ、すまない」
リザがロイに抱きつき、その肩は微かに震えていた。
この2人の関係は恋人に近いのに、互いに好意を抱いてても付き合わないのは軍人としてのプライド。
それに加えて、過去の消えない罪が未だに2人を苦しめていた。
自分達だけが幸せになるのを許せないのだろう。