第③話
夢小説設定
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ロイが上着を脱ぐと女性達から歓声が上がった。
大統領以外は顔を歪めていたが、ロイは気づかないフリ。
スーツには水が吸い込んでいて、それを絞った。
「…っくしゅ!」
「大総統、すいませんね~」
「悪いと思ってないだろう?
帰ったら覚えておけ!」
「タオルを持ってくればよかったですね」
リザがハンカチでロイの髪を拭くが、そんなもので足りるはずもない。
「ホテルに着いたら、シャワーを浴びてください」
「悪ふざけが過ぎる。
何なんだ、これは」
「私から厳重に言っておきます。
助けられずに申し訳ありません」
「いや‥‥君が濡れるよりはいいさ」
心配するリザにロイは優しく微笑む。
「これがプライベートならハボックを海に蹴り落としていたさ」
不機嫌そうにロイはリザに愚痴る。
周りからの視線や笑い声を聞き、更に不機嫌を露にしていた。
「貴様のせいで私は恥をかいたんだぞ、ハボックっ!」
「大総統、説教は後にして風邪をひきますからシャワーを」
「…あぁ」
「着替えは持って行きますから」
頷いてロイはシャワールームに消えて行った。
「ハボック、あれはヤバイと思うぞ?」
「僕も」
「はい、同感です」
「今の状況も十分にヤバイと思うけどね」
アルの視線の先にはリザが怒りを露にしてる姿。
リザがロイに対する忠誠心を考えれば予想がつく。
「どういうつもりであんなことをしたのかしら?
一歩間違えば国際問題に発展するし、今の大総統にマイナスな面を与えてはいけないことくらい分かるでしょう?
大総統の年齢に私達の年齢に、私は女性で補佐官だし。
アルフォンスくんはまだ少年よ」
「大総統がどう思っても周りから見たらマイナス面はありますよ。
些細なことが命取りになります」
リザだけではなく、アルからも説教を受ける。
リザは説教していたが、思い出してロイのトランクから着替えを取り出した。
「大総統も今回はかなり怒ってたみたいだから覚悟しておくことね」
「やっぱり、ですか?」
「当たり前です!!」
呆れたようにハボックに突きささる視線。
ハボックは考える時は考えるのだが、基本的に考える前に即行動だったりする。
「大総統?
ここに着替えを置いときますね」
「ん、分かった」
「まだ時間ありますので、ゆっくり温まって来てください」
「…ありがとう」
戸越しに話しかけ、リザは着替えを置いて行く。
しばらくしてロイが髪を拭きながら出て来る。
まだ時間があるのでスーツではなく、普段着だ。
セキュリティ設備がある高級ホテルであり、ハボック達はこういう場合でなければ無縁だろう。
「この部屋、凄いですよね~。
今更なんですけど」
「これも仕事の内だよ。
私はともかく、ほかの国の首相にはね。
評判が落ちないとも限らないし」
「なるほど」
「国を外にアピールするチャンスでもあるんだ」
ロイの説明に納得したようにフュリーは頷いた。
「若いうちにそういうものを経験してると、後々に役立つ。
君達にはその素質が十分にあるんだ」
ロイはただ側に置くだけでなく、成長させてくれる上官でそれは大総統になった今も変わらない。
タオルをリザに手渡し、髪を整えるとロイはハボックを見る。
「さてと、言い残すことは?」
「御愁傷様」
「アル、縁起もないことを言うな!!」
「自業自得という言葉を知ってますか?
兄さんと同類。
あぁ、だから、気が合ってたのかもしれませんね」
「アル‥‥何気にまだ怒ってるだろう?」
「怒ってないとは言えませんけど」
リザまではいかないが、アルにとって今のロイは憧れの人。
憧れの人に対する行いは許せなかった。
「まぁ、冗談はともかくとして…」
ロイが発火布を外すとアルも怒りを消す。
「アル、今のは演技か?」
「はい、少しは反省してもらおうかと。
旅でこういう場の演技を身につけました。
それなりに上手でしょう?」
ハボックは頭を抱えた。
「それで、理由は?
理由くらいは聞いてやる」
「…笑って欲しかったんスよ」
「はっ?」
「別にそっち系の趣味はないですからね!!
ただ、本当の笑顔を最近は見てなくて…
疲れて無理してる笑顔が痛々しく見えたっんスよ。
海を見た時に本当の笑顔が微かに見えて、これだって。
即行動しちゃいました。
考えれば大変なことをしてました。
本当にすんません」
ハボックはロイに謝って頭を下げた。
大統領以外は顔を歪めていたが、ロイは気づかないフリ。
スーツには水が吸い込んでいて、それを絞った。
「…っくしゅ!」
「大総統、すいませんね~」
「悪いと思ってないだろう?
帰ったら覚えておけ!」
「タオルを持ってくればよかったですね」
リザがハンカチでロイの髪を拭くが、そんなもので足りるはずもない。
「ホテルに着いたら、シャワーを浴びてください」
「悪ふざけが過ぎる。
何なんだ、これは」
「私から厳重に言っておきます。
助けられずに申し訳ありません」
「いや‥‥君が濡れるよりはいいさ」
心配するリザにロイは優しく微笑む。
「これがプライベートならハボックを海に蹴り落としていたさ」
不機嫌そうにロイはリザに愚痴る。
周りからの視線や笑い声を聞き、更に不機嫌を露にしていた。
「貴様のせいで私は恥をかいたんだぞ、ハボックっ!」
「大総統、説教は後にして風邪をひきますからシャワーを」
「…あぁ」
「着替えは持って行きますから」
頷いてロイはシャワールームに消えて行った。
「ハボック、あれはヤバイと思うぞ?」
「僕も」
「はい、同感です」
「今の状況も十分にヤバイと思うけどね」
アルの視線の先にはリザが怒りを露にしてる姿。
リザがロイに対する忠誠心を考えれば予想がつく。
「どういうつもりであんなことをしたのかしら?
一歩間違えば国際問題に発展するし、今の大総統にマイナスな面を与えてはいけないことくらい分かるでしょう?
大総統の年齢に私達の年齢に、私は女性で補佐官だし。
アルフォンスくんはまだ少年よ」
「大総統がどう思っても周りから見たらマイナス面はありますよ。
些細なことが命取りになります」
リザだけではなく、アルからも説教を受ける。
リザは説教していたが、思い出してロイのトランクから着替えを取り出した。
「大総統も今回はかなり怒ってたみたいだから覚悟しておくことね」
「やっぱり、ですか?」
「当たり前です!!」
呆れたようにハボックに突きささる視線。
ハボックは考える時は考えるのだが、基本的に考える前に即行動だったりする。
「大総統?
ここに着替えを置いときますね」
「ん、分かった」
「まだ時間ありますので、ゆっくり温まって来てください」
「…ありがとう」
戸越しに話しかけ、リザは着替えを置いて行く。
しばらくしてロイが髪を拭きながら出て来る。
まだ時間があるのでスーツではなく、普段着だ。
セキュリティ設備がある高級ホテルであり、ハボック達はこういう場合でなければ無縁だろう。
「この部屋、凄いですよね~。
今更なんですけど」
「これも仕事の内だよ。
私はともかく、ほかの国の首相にはね。
評判が落ちないとも限らないし」
「なるほど」
「国を外にアピールするチャンスでもあるんだ」
ロイの説明に納得したようにフュリーは頷いた。
「若いうちにそういうものを経験してると、後々に役立つ。
君達にはその素質が十分にあるんだ」
ロイはただ側に置くだけでなく、成長させてくれる上官でそれは大総統になった今も変わらない。
タオルをリザに手渡し、髪を整えるとロイはハボックを見る。
「さてと、言い残すことは?」
「御愁傷様」
「アル、縁起もないことを言うな!!」
「自業自得という言葉を知ってますか?
兄さんと同類。
あぁ、だから、気が合ってたのかもしれませんね」
「アル‥‥何気にまだ怒ってるだろう?」
「怒ってないとは言えませんけど」
リザまではいかないが、アルにとって今のロイは憧れの人。
憧れの人に対する行いは許せなかった。
「まぁ、冗談はともかくとして…」
ロイが発火布を外すとアルも怒りを消す。
「アル、今のは演技か?」
「はい、少しは反省してもらおうかと。
旅でこういう場の演技を身につけました。
それなりに上手でしょう?」
ハボックは頭を抱えた。
「それで、理由は?
理由くらいは聞いてやる」
「…笑って欲しかったんスよ」
「はっ?」
「別にそっち系の趣味はないですからね!!
ただ、本当の笑顔を最近は見てなくて…
疲れて無理してる笑顔が痛々しく見えたっんスよ。
海を見た時に本当の笑顔が微かに見えて、これだって。
即行動しちゃいました。
考えれば大変なことをしてました。
本当にすんません」
ハボックはロイに謝って頭を下げた。