第③話
夢小説設定
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会議が終わると街の案内も兼ねて視察が行われる。
「あれは‥‥」
「どうかなさいましたか?」
「あ、いえ、見たことがないもので」
「あれは海です」
「あれがそうなんですか」
「マスタング大総統の国には海がないので?」
「いえ、私が仕事している街にないだけです。
私が育った町にもなかったので海とは無縁なんですよ。
視察には行きましたが、遠くから見ていただけですし」
「では、ほかの人達も?」
「生まれなど異なりますが、私の連れてる部下も近場で見たことはないですね」
ロイは海風を感じて微笑んでいた。
「私の国では海の綺麗なことが有名なんですが、海辺にも有名なものがあるんですよ」
「有名なもの、ですか?」
大統領に案内されて砂浜を歩く。
少し歩きづらいが、歩けないことはない。
「これですよ」
「貝殻?」
「それほどまでにピンクの貝殻とは珍しいですね」
「巷では有名な説があります。
このピンクの貝殻を持っていると夢が叶うと。
それを信じるかは貴方達次第ですが、気に入ったのなら持ち帰って構いませんよ」
ロイだけがピンクの貝殻を見ていた。
仮に信じたとしても周りの目があって恥ずかしくて出来ない。
「大総統、持ち帰るんですか」
「アル、手出して」
「僕ですか?」
「鋼のが早く帰って来るように。
そして、父上が無事に帰って来れるようにな」
「大総統…」
ロイの気持ちが素直に嬉しかった。
「ホークアイ、君にも」
「私も、ですか?」
「私の代わりに持っていてくれ。
いつか、すべてが叶う日まで…」
「はい。
貴方がそれを望むなら‥‥」
ロイはリザを見て優しく微笑む。
「子供の戯言と言う人がいるかもしれない。
女々しいと思う者もいるだろう。
だが、これを信じてみてもいいとは思わんかね?」
「そうですね」
「神は信じられないけど、僕は貝殻ではなくて大総統の言葉を信じます」
ロイを見てリザとアルは微笑む。
通訳もついているので、きっとロイの言葉は通訳されて聞かれているのだろう。
それでも構わないとロイは思っていた。
「これで視察は終わりっスか?」
「あぁ、そうらしいな。
この後はホテルに戻って夜にパーティーがあるから着替えないとな」
「それはまた違うんですよね?」
「パーティー用とは違うからな。
同じ格好なんて恥をかくだろ。
ハボック、さっきから何なんだ?」
「じゃあ、着替えはあるんっスね?」
「あると言っているだろう?」
意味が分からないと言うようにロイが顔を歪める。
「この海って、入っても大丈夫なんですかね?」
「入るつもりか?
まぁ、仕事が終わった後なら時間あればいいが…
大統領、彼がこの海は入っても平気なのかと聞いているんですが、大丈夫ですか?
すみません、彼は英語が話せなくて。
頭脳派ではないので…」
「入れますよ。
仕事終わりにでも入るつもりですか?」
「仕事が忙しかったので遊びたいのかもしれませんね。
ハボック、入れるらしいぞ」
ロイの言葉を聞き、ハボックはニヤリと笑った。
後ろから声が聞こえ、ロイ目当てだろうか、一般国民の女性達が集まって来ていた。
「…まるで動物園だな」
「あら、嬉しくないんですか?」
「あのねぇ…」
呆れたようにロイがリザを見る。
珍しくハボックは煙草をくわえてないのはロイに禁じられたからだった。
「そっか~、入れるんっスね」
「おまえはさっきから何なん…ッ
おぅわ!!?」
ハボックに押され、勢いのまま、スーツ姿でロイは海に入るハメになる。
「大総統っ!!」
「んなっ!?」
「ハボックっ!」
「何をしているんですか!!」
「大丈夫ですか!!?」
予想外の出来事に唖然とする。
「ハボック‥‥どういうつもりだ?」
「いや~、入りたそうだったから」
「初めて間近で見る海だからな。
だがな、これも視察で仕事中だ!」
「大総統、とりあえず、上がってください」
リザの手を借りて立ち上がるが、全身濡れていた。
「も、申し訳ありません…
部下が悪ふざけを‥‥」
「ふははっ!
構わんよ、面白いね。
風邪ひくと困るから帰ろうか」
大統領が怒らずに楽しんでくれたのが救いだ。
「あれは‥‥」
「どうかなさいましたか?」
「あ、いえ、見たことがないもので」
「あれは海です」
「あれがそうなんですか」
「マスタング大総統の国には海がないので?」
「いえ、私が仕事している街にないだけです。
私が育った町にもなかったので海とは無縁なんですよ。
視察には行きましたが、遠くから見ていただけですし」
「では、ほかの人達も?」
「生まれなど異なりますが、私の連れてる部下も近場で見たことはないですね」
ロイは海風を感じて微笑んでいた。
「私の国では海の綺麗なことが有名なんですが、海辺にも有名なものがあるんですよ」
「有名なもの、ですか?」
大統領に案内されて砂浜を歩く。
少し歩きづらいが、歩けないことはない。
「これですよ」
「貝殻?」
「それほどまでにピンクの貝殻とは珍しいですね」
「巷では有名な説があります。
このピンクの貝殻を持っていると夢が叶うと。
それを信じるかは貴方達次第ですが、気に入ったのなら持ち帰って構いませんよ」
ロイだけがピンクの貝殻を見ていた。
仮に信じたとしても周りの目があって恥ずかしくて出来ない。
「大総統、持ち帰るんですか」
「アル、手出して」
「僕ですか?」
「鋼のが早く帰って来るように。
そして、父上が無事に帰って来れるようにな」
「大総統…」
ロイの気持ちが素直に嬉しかった。
「ホークアイ、君にも」
「私も、ですか?」
「私の代わりに持っていてくれ。
いつか、すべてが叶う日まで…」
「はい。
貴方がそれを望むなら‥‥」
ロイはリザを見て優しく微笑む。
「子供の戯言と言う人がいるかもしれない。
女々しいと思う者もいるだろう。
だが、これを信じてみてもいいとは思わんかね?」
「そうですね」
「神は信じられないけど、僕は貝殻ではなくて大総統の言葉を信じます」
ロイを見てリザとアルは微笑む。
通訳もついているので、きっとロイの言葉は通訳されて聞かれているのだろう。
それでも構わないとロイは思っていた。
「これで視察は終わりっスか?」
「あぁ、そうらしいな。
この後はホテルに戻って夜にパーティーがあるから着替えないとな」
「それはまた違うんですよね?」
「パーティー用とは違うからな。
同じ格好なんて恥をかくだろ。
ハボック、さっきから何なんだ?」
「じゃあ、着替えはあるんっスね?」
「あると言っているだろう?」
意味が分からないと言うようにロイが顔を歪める。
「この海って、入っても大丈夫なんですかね?」
「入るつもりか?
まぁ、仕事が終わった後なら時間あればいいが…
大統領、彼がこの海は入っても平気なのかと聞いているんですが、大丈夫ですか?
すみません、彼は英語が話せなくて。
頭脳派ではないので…」
「入れますよ。
仕事終わりにでも入るつもりですか?」
「仕事が忙しかったので遊びたいのかもしれませんね。
ハボック、入れるらしいぞ」
ロイの言葉を聞き、ハボックはニヤリと笑った。
後ろから声が聞こえ、ロイ目当てだろうか、一般国民の女性達が集まって来ていた。
「…まるで動物園だな」
「あら、嬉しくないんですか?」
「あのねぇ…」
呆れたようにロイがリザを見る。
珍しくハボックは煙草をくわえてないのはロイに禁じられたからだった。
「そっか~、入れるんっスね」
「おまえはさっきから何なん…ッ
おぅわ!!?」
ハボックに押され、勢いのまま、スーツ姿でロイは海に入るハメになる。
「大総統っ!!」
「んなっ!?」
「ハボックっ!」
「何をしているんですか!!」
「大丈夫ですか!!?」
予想外の出来事に唖然とする。
「ハボック‥‥どういうつもりだ?」
「いや~、入りたそうだったから」
「初めて間近で見る海だからな。
だがな、これも視察で仕事中だ!」
「大総統、とりあえず、上がってください」
リザの手を借りて立ち上がるが、全身濡れていた。
「も、申し訳ありません…
部下が悪ふざけを‥‥」
「ふははっ!
構わんよ、面白いね。
風邪ひくと困るから帰ろうか」
大統領が怒らずに楽しんでくれたのが救いだ。