第③話
夢小説設定
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飛行機はまだ一般的には珍しく、大金持ちや貴族などしか乗ることが出来ない乗り物だったりする。
「こういう機会じゃないと、飛行機なんて乗れなかったよな~」
「あと何年しても僕達には手を出せる金額じゃありませんよ」
「確かにそうだな」
「旅してた時に乗ったことあるのか?」
「飛行船なら。
飛行機は初めてですね」
「…飛行船でも凄いよ」
「飛行船はわりと安いからな」
「俺等には高いっスよ!!」
ロイとの金銭感覚のズレは今に始まったことではない。
給料に国家錬金術師の資金もあり、大佐の頃からお金に余裕があったロイと部下達は差がありすぎる。
地位に違いがあるのだからそれは当然なのだが…。
「怖いとは思わないのか?」
「全っ然!」
「むしろ、ワクワクという感じです」
「最新ですから」
「フュリーは?」
「こいつ、機械オタクだし」
「オタクではありません。
まぁ、楽しいですけど」
「それがオタクなんだろ」
「違いますよ」
ハボックにからかわれるのはいつものことだ。
最新の飛行機でも天候もあるので微かに揺れる時もある。
「‥‥ッ‥」
「…大丈夫か?」
「な、何が…ですか?」
「もしかして、怖いのか?」
「違います!!」
(…そのわりには少し震えてるけど)
相変わらず、素直ではないリザにロイは苦笑いする。
リザの手をきゅっと握る。
「怖くないと言ってます」
「分かってる。
私が手を握っていて欲しいだけ」
「‥‥っ‥」
「安心するから」
ぎゅっと握るリザにロイは微かに笑みを浮かべた。
「べ、別に怖くありませんから。
ただ寒いから手を握るんです」
「はいはい」
クスクスとロイは笑う。
(素直じゃないよな、中尉も…
あっ、もう中尉じゃないか‥‥)
(相変わらずの意地っ張りだ。
まぁ、それがらしくていいのか)
(それでもあれを納得させる大総統はさすがですね)
(…凄いとしか言い様がない)
その様子にハボック達は苦笑いする。
(素直に甘えられないんですね。
それを大総統も分かってる…)
2人の仲にアルはこっそりと笑う。
話題がなくなったのか、後ろではロイが持ち込んだチェスやトランプをしていた。
到着まで好きに過ごせと言っているので問題ない。
こんなことを許すのはロイくらいだろう。
否、グラマン将軍も許すだろう。
グラマン将軍の場合は自ら楽しみ、回りを巻き込みそうだ。
ロイは新聞、リザは資料でアルは持ち込んだ錬金術の本を読み、3人だけは騒がずに読書で時間を潰してる。
それでも後ろの会話は聞こえているようで時々、口を挟む。
ふと微かな重みを感じ、新聞から顔を上げたロイは苦笑いを浮かべた。
「‥‥この状態はどうすればいいんだ」
手を繋ぎながらリザがロイの肩に寄りかかり、アルはロイの腕辺りに寄りかかり、どちらも小さな寝息をたてて寝てる。
「大総統、肩懲りませんか?」
「私はそんなに年ではないぞ、フュリー」
「す、すみません。
そういうつもりでは…」
「冗談だ」
「その冗談はともかく、本当に大丈夫っスか?
席移動します?」
「大丈夫だ。
いや、2人共、軽いから心配ない。
私が移動して起きてしまうかもしれん」
(…ったく。
たまには自分優先に考えりゃいいのに)
(大総統らしいな、相変わらず)
ハボック達は微かに笑みを浮かべる。
2人の寝顔を見てロイは疲れているんだろうなと思った。
補佐官を中心に準備をしなくてはならず、大変だったのだろう。
自分は部下達がほとんど準備をしていたので補佐官の2人に特にリザには負担がかかったはずだ。
もちろんロイだって色々と準備していたのだが。
(…補佐官を増やした方がいいのかな)
確かに2人は少ないのはロイも分かってるが、信用ならない者を補佐官として側に置きたくないのだ。
ふと目を覚まし、目の前に見える黒髪。
「ん…」
「あぁ、起きた?
おはよう」
「‥‥おはようございます」
状況を把握してなくても挨拶を返すのはアルの性格なのだろう。
これがエドだったら返事もなく、運悪ければ睨まれるかもしれない。
「えっ…あれ?」
「あぁ、食べる?
私には甘すぎる」
まだ寝惚けているのか、差し出されるまま、アルは口を開く。
「甘い…
美味しいです」
「キャラメルだよ。
初めて食べた?」
「はい、初めて…
そうではなく!」
思わず、雰囲気で流されそうになって会話しそうになった。
「こういう機会じゃないと、飛行機なんて乗れなかったよな~」
「あと何年しても僕達には手を出せる金額じゃありませんよ」
「確かにそうだな」
「旅してた時に乗ったことあるのか?」
「飛行船なら。
飛行機は初めてですね」
「…飛行船でも凄いよ」
「飛行船はわりと安いからな」
「俺等には高いっスよ!!」
ロイとの金銭感覚のズレは今に始まったことではない。
給料に国家錬金術師の資金もあり、大佐の頃からお金に余裕があったロイと部下達は差がありすぎる。
地位に違いがあるのだからそれは当然なのだが…。
「怖いとは思わないのか?」
「全っ然!」
「むしろ、ワクワクという感じです」
「最新ですから」
「フュリーは?」
「こいつ、機械オタクだし」
「オタクではありません。
まぁ、楽しいですけど」
「それがオタクなんだろ」
「違いますよ」
ハボックにからかわれるのはいつものことだ。
最新の飛行機でも天候もあるので微かに揺れる時もある。
「‥‥ッ‥」
「…大丈夫か?」
「な、何が…ですか?」
「もしかして、怖いのか?」
「違います!!」
(…そのわりには少し震えてるけど)
相変わらず、素直ではないリザにロイは苦笑いする。
リザの手をきゅっと握る。
「怖くないと言ってます」
「分かってる。
私が手を握っていて欲しいだけ」
「‥‥っ‥」
「安心するから」
ぎゅっと握るリザにロイは微かに笑みを浮かべた。
「べ、別に怖くありませんから。
ただ寒いから手を握るんです」
「はいはい」
クスクスとロイは笑う。
(素直じゃないよな、中尉も…
あっ、もう中尉じゃないか‥‥)
(相変わらずの意地っ張りだ。
まぁ、それがらしくていいのか)
(それでもあれを納得させる大総統はさすがですね)
(…凄いとしか言い様がない)
その様子にハボック達は苦笑いする。
(素直に甘えられないんですね。
それを大総統も分かってる…)
2人の仲にアルはこっそりと笑う。
話題がなくなったのか、後ろではロイが持ち込んだチェスやトランプをしていた。
到着まで好きに過ごせと言っているので問題ない。
こんなことを許すのはロイくらいだろう。
否、グラマン将軍も許すだろう。
グラマン将軍の場合は自ら楽しみ、回りを巻き込みそうだ。
ロイは新聞、リザは資料でアルは持ち込んだ錬金術の本を読み、3人だけは騒がずに読書で時間を潰してる。
それでも後ろの会話は聞こえているようで時々、口を挟む。
ふと微かな重みを感じ、新聞から顔を上げたロイは苦笑いを浮かべた。
「‥‥この状態はどうすればいいんだ」
手を繋ぎながらリザがロイの肩に寄りかかり、アルはロイの腕辺りに寄りかかり、どちらも小さな寝息をたてて寝てる。
「大総統、肩懲りませんか?」
「私はそんなに年ではないぞ、フュリー」
「す、すみません。
そういうつもりでは…」
「冗談だ」
「その冗談はともかく、本当に大丈夫っスか?
席移動します?」
「大丈夫だ。
いや、2人共、軽いから心配ない。
私が移動して起きてしまうかもしれん」
(…ったく。
たまには自分優先に考えりゃいいのに)
(大総統らしいな、相変わらず)
ハボック達は微かに笑みを浮かべる。
2人の寝顔を見てロイは疲れているんだろうなと思った。
補佐官を中心に準備をしなくてはならず、大変だったのだろう。
自分は部下達がほとんど準備をしていたので補佐官の2人に特にリザには負担がかかったはずだ。
もちろんロイだって色々と準備していたのだが。
(…補佐官を増やした方がいいのかな)
確かに2人は少ないのはロイも分かってるが、信用ならない者を補佐官として側に置きたくないのだ。
ふと目を覚まし、目の前に見える黒髪。
「ん…」
「あぁ、起きた?
おはよう」
「‥‥おはようございます」
状況を把握してなくても挨拶を返すのはアルの性格なのだろう。
これがエドだったら返事もなく、運悪ければ睨まれるかもしれない。
「えっ…あれ?」
「あぁ、食べる?
私には甘すぎる」
まだ寝惚けているのか、差し出されるまま、アルは口を開く。
「甘い…
美味しいです」
「キャラメルだよ。
初めて食べた?」
「はい、初めて…
そうではなく!」
思わず、雰囲気で流されそうになって会話しそうになった。