第②話
夢小説設定
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お風呂は遅くない限りはロイが先で次にアルが入って風呂掃除して出る。
「アル、髪まだ濡れてるぞ」
「あ…っ」
「また考え事か?」
「いえ、髪が伸びたかなぁって。
最近切ってないし」
「鋼のみたいに伸ばすか?」
「それはちょっと遠慮したいです…」
「ふははっ!
そういう私も髪が伸びて来たかな…」
切りたいと思いつつもそんな時間も休みもないだろう。
「ちゃんと乾かして寝ろよ?
じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
ロイはアルがお風呂から出て来るまで待っていてくれる。
挨拶を交わして自室に入って行く。
広々とした家にポツンと独り、夜はどうしても寂しくなってしまう。
フルフルと首を振り、アルは髪を乾かすと自室に入り、ベットに潜り込んだ。
「‥‥兄さん」
呟いた声が部屋に響き、堪えるようにぎゅっと布団を握り締めた。
ドアの隙間からロイはアルの様子を見る。
(…やはりな。
しばらくは様子を見るしかないかな)
心配そうに見つめる瞳はまるで父親のようだ。
再び自室に戻り、ベットに腰掛けながら窓から見える月を見上げた。
(…月を見ると思い出す。
もう寝てるかな。
強くて、けれど糸が切れたら儚くて。
昔のように真っ白ではいられず、この手は真っ赤に染まった)
それでも彼女に対する思いは昔も今も変わらない。
微かな物音にハッとして思考を停止させ、振り向いた。
「…マスタングさん。
寝て、ましたか?」
「いや‥‥月を眺めていた。
寝れないのか?」
枕を抱えてアルはおずおずとドアの隙間から顔を覗かせる。
その瞳は不安で揺れていた。
軍服を脱げばまだ子供で、ロイも家ではアルを子供扱いしてる。
「アル、入っておいで?」
「ふぇっ…ごめんなさ…ッ」
「嫌な夢でも見たのか?」
「兄さんがいなくなっちゃう夢を…
怖くなって‥‥」
ロイの胸に飛び込み、服を握り締めてアルは泣いた。
唯一の兄弟で絆が深いだけに不安になることもある。
鎧から元の身体に戻った今はまだ心が不安定。
(代わりにはなれないが、支えてあげることは出来るはずだ。
やっと少し甘えてくれたな)
ポンポンとロイはアルの背を優しく叩く。
「…独りは嫌だ。
怖い‥‥」
「大丈夫、君は独りじゃない。
私が側にいてあげるから」
「…今日は一緒に寝ていいですか?」
「あぁ、構わないよ。
明日も早いから、寝ようか」
コクンと頷くが、アルはロイにしがみついたまま。
苦笑いしてアルを抱えてベットに入る。
母親を亡くしてから甘えることをしなかったアルだが、少しだけまた甘えることを覚えた。
甘えられなかった分、甘えたいのなら必要なだけ、甘やかしてあげよう。
きっと、それが自分の役目なのだからとロイはアルの頭をなでながら思う。
隣から小さな寝息が聞こえて来た。
「…やっと寝たか。
おやすみ、アル。
今度はいい夢が見られるように」
アルの前髪を掻き上げるとロイは額にキスをした。
(‥‥これは完全に父親だな。
もういいや、父親が帰って来るまで代わりになるか)
自分の行動に苦笑いし、諦めたようだ。
つい心配して自然の行動に自分でも失笑してしまう。
シングルベットではなく、キングサイズだからベットの広さには余裕あるので特に問題はなかった。
(鋼のが戻って来たら何かするか。
休みが取れたら、彼女達を誘って遊びに行くのもいいかもな。
実現したら、きっと楽しいだろうなぁ…)
ぼんやりとした頭で企画を考えていた。
恋人ではないが、リザのことを彼女と言う傾向がロイにはある。
睡魔に誘われるがまま、眠りに着いた。
大総統は当然ながら責任のある仕事と同時に命が狙われることも多い。
書類だけが仕事ではないが、その量は多い時もあれば、少ない時もある。
部下達の書類に許可を出したりするので、部下が仕上げなければ大総統に仕事が回って来ないこともある。
もちろん部下だけではなく、議会や警察や市長など様々だ。
大総統自ら提案し、作成する書類もある。
「ホークアイ、この書類の提出日は過ぎているが、まだ来ない」
「確認して来ます」
「それから、この事件はまだ解決しないのか?
私の指揮でやってもいいと伝えておけ。
本気を出して片付けろと」
「分かりました」
有能なリザがいるから仕事も素早くこなせるのもまた事実。
「アル、それが終わったら勉強していいよ。
ホークアイから本は貰っただろう?」
「はい、ありがとうございます。
頑張ります」
アルが仕事内容を覚えるまでリザの手伝いがほとんどだったが、最近では書類作成を少し頼んだりしてる。
アルには基本的にロイは優しかったりするが、それは表では贔屓となるのであまり見せたりはしない。
少しずつ認めてもらえばいい…。
それぞれの絆がある‥‥。
-END-
「アル、髪まだ濡れてるぞ」
「あ…っ」
「また考え事か?」
「いえ、髪が伸びたかなぁって。
最近切ってないし」
「鋼のみたいに伸ばすか?」
「それはちょっと遠慮したいです…」
「ふははっ!
そういう私も髪が伸びて来たかな…」
切りたいと思いつつもそんな時間も休みもないだろう。
「ちゃんと乾かして寝ろよ?
じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
ロイはアルがお風呂から出て来るまで待っていてくれる。
挨拶を交わして自室に入って行く。
広々とした家にポツンと独り、夜はどうしても寂しくなってしまう。
フルフルと首を振り、アルは髪を乾かすと自室に入り、ベットに潜り込んだ。
「‥‥兄さん」
呟いた声が部屋に響き、堪えるようにぎゅっと布団を握り締めた。
ドアの隙間からロイはアルの様子を見る。
(…やはりな。
しばらくは様子を見るしかないかな)
心配そうに見つめる瞳はまるで父親のようだ。
再び自室に戻り、ベットに腰掛けながら窓から見える月を見上げた。
(…月を見ると思い出す。
もう寝てるかな。
強くて、けれど糸が切れたら儚くて。
昔のように真っ白ではいられず、この手は真っ赤に染まった)
それでも彼女に対する思いは昔も今も変わらない。
微かな物音にハッとして思考を停止させ、振り向いた。
「…マスタングさん。
寝て、ましたか?」
「いや‥‥月を眺めていた。
寝れないのか?」
枕を抱えてアルはおずおずとドアの隙間から顔を覗かせる。
その瞳は不安で揺れていた。
軍服を脱げばまだ子供で、ロイも家ではアルを子供扱いしてる。
「アル、入っておいで?」
「ふぇっ…ごめんなさ…ッ」
「嫌な夢でも見たのか?」
「兄さんがいなくなっちゃう夢を…
怖くなって‥‥」
ロイの胸に飛び込み、服を握り締めてアルは泣いた。
唯一の兄弟で絆が深いだけに不安になることもある。
鎧から元の身体に戻った今はまだ心が不安定。
(代わりにはなれないが、支えてあげることは出来るはずだ。
やっと少し甘えてくれたな)
ポンポンとロイはアルの背を優しく叩く。
「…独りは嫌だ。
怖い‥‥」
「大丈夫、君は独りじゃない。
私が側にいてあげるから」
「…今日は一緒に寝ていいですか?」
「あぁ、構わないよ。
明日も早いから、寝ようか」
コクンと頷くが、アルはロイにしがみついたまま。
苦笑いしてアルを抱えてベットに入る。
母親を亡くしてから甘えることをしなかったアルだが、少しだけまた甘えることを覚えた。
甘えられなかった分、甘えたいのなら必要なだけ、甘やかしてあげよう。
きっと、それが自分の役目なのだからとロイはアルの頭をなでながら思う。
隣から小さな寝息が聞こえて来た。
「…やっと寝たか。
おやすみ、アル。
今度はいい夢が見られるように」
アルの前髪を掻き上げるとロイは額にキスをした。
(‥‥これは完全に父親だな。
もういいや、父親が帰って来るまで代わりになるか)
自分の行動に苦笑いし、諦めたようだ。
つい心配して自然の行動に自分でも失笑してしまう。
シングルベットではなく、キングサイズだからベットの広さには余裕あるので特に問題はなかった。
(鋼のが戻って来たら何かするか。
休みが取れたら、彼女達を誘って遊びに行くのもいいかもな。
実現したら、きっと楽しいだろうなぁ…)
ぼんやりとした頭で企画を考えていた。
恋人ではないが、リザのことを彼女と言う傾向がロイにはある。
睡魔に誘われるがまま、眠りに着いた。
大総統は当然ながら責任のある仕事と同時に命が狙われることも多い。
書類だけが仕事ではないが、その量は多い時もあれば、少ない時もある。
部下達の書類に許可を出したりするので、部下が仕上げなければ大総統に仕事が回って来ないこともある。
もちろん部下だけではなく、議会や警察や市長など様々だ。
大総統自ら提案し、作成する書類もある。
「ホークアイ、この書類の提出日は過ぎているが、まだ来ない」
「確認して来ます」
「それから、この事件はまだ解決しないのか?
私の指揮でやってもいいと伝えておけ。
本気を出して片付けろと」
「分かりました」
有能なリザがいるから仕事も素早くこなせるのもまた事実。
「アル、それが終わったら勉強していいよ。
ホークアイから本は貰っただろう?」
「はい、ありがとうございます。
頑張ります」
アルが仕事内容を覚えるまでリザの手伝いがほとんどだったが、最近では書類作成を少し頼んだりしてる。
アルには基本的にロイは優しかったりするが、それは表では贔屓となるのであまり見せたりはしない。
少しずつ認めてもらえばいい…。
それぞれの絆がある‥‥。
-END-