第②話
夢小説設定
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リザが戻って来ると大総統室から出る。
護衛も兼ねてリザは自宅まで送る。
「‥‥飲みにも行けないな」
「行きたいんですか?」
「そりゃね…」
「落ち着いたら行けますよ」
「護衛付きなら家で飲んだ方がいい」
「…そうですか」
静かなバーで飲むのがロイは好きだった。
あの雰囲気が好きなんだと前に話していたのを思い出す。
騒がしい場所はあまり好まないらしく、ヒューズとは正反対と言える。
軍人達に敬礼されながら見送られる。
「アル、車の免許は取らないのか?」
「車の免許…」
「あった方が便利だぞ?」
「普通は取るものなんですか?」
「ほとんどの人は取ってるかな。
どうだろう?」
「そうですね、あって不便なことはありませんから。
そう難しくもありませんし」
「でも、お金かかりますよね?」
「取る気があるなら私が出すが?」
「えっ…」
驚いたようにアルがロイを見つめる。
ロイがアルの頭をなでた。
「車の免許がないと不便だからな。
送り迎えしてもらえたらそれでいい」
「…なんか甘えてばかりいるような気がするんですが」
「私が甘やかしたいだけだ」
「気にしないで取っていいんじゃない?
私もお金を出してもらって免許取ったし。
意外とお金かかるから助かったわ。
アルフォンスくんなら錬金術が分かるんだから、それに比べたら簡単でしょう?」
「…頑張ります。
えっと、お願いします」
「あぁ、手続きはしとくから。
そうなると本が必要になるな」
「明日でいいなら私が買って来ますよ」
「じゃあ、頼むよ」
「はい」
「最初は筆記試験がある。
詳しいことは本に書いてあるだろう。
分からなかったら私でも誰にでも聞けばいいさ。
ハボックには筆記のことは聞いても無駄だな。
ギリギリ合格だったらしいから」
ハボックは軍の入隊試験だけではなく、車の免許の筆記試験もギリギリ合格だったらしい。
リザに見送られ、車から降りた。
「それでは、また明日」
「あぁ、ご苦労様」
「お疲れ様でした」
挨拶を交わし、家に入って行く。
「はぁ~っ」
「着替えないとシワになりますよ?」
「…そうだな。
じゃあ、着替えたら食事にしよう」
「はい」
自室に行き、軍服から私服に着替えた。
(…イシュヴァールの民はどう思っているんだろうか。
やっぱり、私は危険だとしても‥‥)
ロイは拳を握り締めた。
「マスタングさん?
どうかしたんですか?」
「あ、いや、すまない。
少し考え事をな」
「すみません、邪魔してしまって…」
「いや、いいんだ。
夕食にしようか。
何が食べたい?」
「…シチュー」
「兄弟揃って好きなのか?」
「はい」
「そうか。
じゃあ、作ろうか」
親子のような年の離れた兄弟みたいな不思議な関係。
料理は個性が出るから面白く、それぞれの作り方や家庭の味などがある。
「…何だ?」
「あ、いえ、兄さんがこの光景を見たらどんな反応するのかなって」
「そうだなぁ…
絶句して叫ぶだろうな」
「やりそうですね。
こんな家族みたいなことしてると知ったら…」
「不思議な関係だけどな。
でも、私は楽しいよ。
護衛付きで飲みに行ったりは嫌だし、独りで寂しくも思わない」
「…寂しくなるんですか?」
「私だってそう思う日はあるさ」
「そうですよね」
「‥‥寂しいか?」
「寂しくないと言えば嘘になります。
喧嘩して怪我なんかしてないといいけど」
「それではどっちが弟か分からんな。
まるで保護者だ」
「よく言われてました。
容姿も性格も僕は母親似ですから」
「…両方父親に似てたら大変だったな」
楽しそうに会話しながらアルは故郷の幼馴染みの家を思い出す。
場所も人物も違うのに、どことなく似ている。
ロイに教わりながら少しずつアルは料理を覚えてゆく。
「マスタングさん、味見…」
「ん、少し薄いな」
「塩ですか?」
「そうだな。
少しでいいからな」
「はい」
忙しくても料理をするのは気晴らしにもなり、何よりも身体の基本的なものだから。
手料理の方が栄養もあり、体調を悪くする可能性も低くなる。
忙しい故に寝不足なので体調を崩すこともあるので、せめて食事だけでもきちんと取りたいというのが理由だった。
昼食は軍の食堂や外食だが、大総統になる前よりは外食も減っている。
他愛ない会話を交わしながら夕食を済ませ、夕食後は飲み物を手に会話する。
話すことはコミュニケーションになり、ストレスも減る。
アルが知らない知識をロイは教えてくれ、勉強にもなる。
軍部の仕事はもちろん、パーティーでの作法など様々だ。
護衛も兼ねてリザは自宅まで送る。
「‥‥飲みにも行けないな」
「行きたいんですか?」
「そりゃね…」
「落ち着いたら行けますよ」
「護衛付きなら家で飲んだ方がいい」
「…そうですか」
静かなバーで飲むのがロイは好きだった。
あの雰囲気が好きなんだと前に話していたのを思い出す。
騒がしい場所はあまり好まないらしく、ヒューズとは正反対と言える。
軍人達に敬礼されながら見送られる。
「アル、車の免許は取らないのか?」
「車の免許…」
「あった方が便利だぞ?」
「普通は取るものなんですか?」
「ほとんどの人は取ってるかな。
どうだろう?」
「そうですね、あって不便なことはありませんから。
そう難しくもありませんし」
「でも、お金かかりますよね?」
「取る気があるなら私が出すが?」
「えっ…」
驚いたようにアルがロイを見つめる。
ロイがアルの頭をなでた。
「車の免許がないと不便だからな。
送り迎えしてもらえたらそれでいい」
「…なんか甘えてばかりいるような気がするんですが」
「私が甘やかしたいだけだ」
「気にしないで取っていいんじゃない?
私もお金を出してもらって免許取ったし。
意外とお金かかるから助かったわ。
アルフォンスくんなら錬金術が分かるんだから、それに比べたら簡単でしょう?」
「…頑張ります。
えっと、お願いします」
「あぁ、手続きはしとくから。
そうなると本が必要になるな」
「明日でいいなら私が買って来ますよ」
「じゃあ、頼むよ」
「はい」
「最初は筆記試験がある。
詳しいことは本に書いてあるだろう。
分からなかったら私でも誰にでも聞けばいいさ。
ハボックには筆記のことは聞いても無駄だな。
ギリギリ合格だったらしいから」
ハボックは軍の入隊試験だけではなく、車の免許の筆記試験もギリギリ合格だったらしい。
リザに見送られ、車から降りた。
「それでは、また明日」
「あぁ、ご苦労様」
「お疲れ様でした」
挨拶を交わし、家に入って行く。
「はぁ~っ」
「着替えないとシワになりますよ?」
「…そうだな。
じゃあ、着替えたら食事にしよう」
「はい」
自室に行き、軍服から私服に着替えた。
(…イシュヴァールの民はどう思っているんだろうか。
やっぱり、私は危険だとしても‥‥)
ロイは拳を握り締めた。
「マスタングさん?
どうかしたんですか?」
「あ、いや、すまない。
少し考え事をな」
「すみません、邪魔してしまって…」
「いや、いいんだ。
夕食にしようか。
何が食べたい?」
「…シチュー」
「兄弟揃って好きなのか?」
「はい」
「そうか。
じゃあ、作ろうか」
親子のような年の離れた兄弟みたいな不思議な関係。
料理は個性が出るから面白く、それぞれの作り方や家庭の味などがある。
「…何だ?」
「あ、いえ、兄さんがこの光景を見たらどんな反応するのかなって」
「そうだなぁ…
絶句して叫ぶだろうな」
「やりそうですね。
こんな家族みたいなことしてると知ったら…」
「不思議な関係だけどな。
でも、私は楽しいよ。
護衛付きで飲みに行ったりは嫌だし、独りで寂しくも思わない」
「…寂しくなるんですか?」
「私だってそう思う日はあるさ」
「そうですよね」
「‥‥寂しいか?」
「寂しくないと言えば嘘になります。
喧嘩して怪我なんかしてないといいけど」
「それではどっちが弟か分からんな。
まるで保護者だ」
「よく言われてました。
容姿も性格も僕は母親似ですから」
「…両方父親に似てたら大変だったな」
楽しそうに会話しながらアルは故郷の幼馴染みの家を思い出す。
場所も人物も違うのに、どことなく似ている。
ロイに教わりながら少しずつアルは料理を覚えてゆく。
「マスタングさん、味見…」
「ん、少し薄いな」
「塩ですか?」
「そうだな。
少しでいいからな」
「はい」
忙しくても料理をするのは気晴らしにもなり、何よりも身体の基本的なものだから。
手料理の方が栄養もあり、体調を悪くする可能性も低くなる。
忙しい故に寝不足なので体調を崩すこともあるので、せめて食事だけでもきちんと取りたいというのが理由だった。
昼食は軍の食堂や外食だが、大総統になる前よりは外食も減っている。
他愛ない会話を交わしながら夕食を済ませ、夕食後は飲み物を手に会話する。
話すことはコミュニケーションになり、ストレスも減る。
アルが知らない知識をロイは教えてくれ、勉強にもなる。
軍部の仕事はもちろん、パーティーでの作法など様々だ。