第②話
夢小説設定
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諦めたようにアルは小さなため息をつく。
(兄さんがあんな性格だし、すぐに諦めるのが癖になってるよ。
大総統に抱えられる補佐官なんていいのかな?)
よくはないだろうなとアルは感じた。
「大総統、いつまで抱えていらっしゃるのですか?」
「ん~?」
「‥‥明らかに楽しんでらっしゃいますね?」
にっこりと笑うロイにリザは呆れるように見つめた。
「アル、何を考えている?」
「えっ…」
「思考に意識がいってたから」
「あ、いえ‥‥」
「暴れなくなったから分かった。
まぁ、それだけではないが…
無理に話そうとしなくていいさ」
「…大総統」
「ん?」
「僕、筋肉ありませんか?」
エドと違って真面目なアルはロイの些細な一言に疑問を感じたのだろう。
「君の年齢でなら筋肉はある方だろう。
軍人としての意見なら年齢的なものはあるが、筋肉はない方だ。
体質で筋肉がつかない人もいるから、これが正しいという答えはないだろうな。
私も軍人の中では筋肉は少ない方だし。
まぁ、そこまで鍛えてないのもあるけど体質だな。
筋肉はつかないタイプみたいだし」
真面目にロイは答えてくれた。
アルは母似なので筋肉がつかない体質かもしれないが、鍛えればある程度ならつくかもしれない。
「…いつもは兄さんと組み手してたから」
その相手がいなければ鍛えるのも制限され、今のアルは筋トレくらいしか出来ないのだろう。
鍛え方も色々だが、今更になって違うやり方も出来ない。
それで身体がもう覚えてしまっているのだから。
「よし、それなら私が相手になろう」
「はい!!?」
「これでも軍人だし、多少は鍛えているからね。
最近、身体が鈍ってたから丁度いいな」
満足そうに笑い、ロイはアルを抱えたまま、歩いて行く。
「大総統、そんなことを…」
「怪我しないように鍛えるさ。
そういうことで、行こうか」
「まだ仕事が‥‥」
逃げるようにロイは食堂から出て行く。
「大総統っ!!」
慌ててリザが追いかけて行くのだった。
ヒューズは苦笑いし、食器を片付ける。
「随分と楽しそうだなぁ…」
「放っといていいんでしょうか?」
「中尉がどうにかしてくれんだろ」
「もう中尉じゃないだろ」
「あぁ、そうだったな」
「癖で呼びそうになりますよね。
僕もハボック少尉って呼んでしまいましたし」
「まぁな…」
「そのうち慣れるだろ、多分」
ハボック達は何だか懐かしい光景に笑みが溢れた。
平和まではいかなくても大きな騒ぎが起きないから出来ることだろう。
事件や事故がない訳ではないが、それはほかの軍人達が解決して処理をしている。
ロイよりも時間がかかるのを見ると、やはりロイが切れ者なのがよく分かる。
リザは結局、ロイに半ば強引に説得させられた。
ロイが本気を出せば、リザは口では敵わないのだ。
「まったく、仕方ないですね…」
護衛も兼ねて遠くから見守っていた。
司令部の裏庭で行うことにしたらしい。
気になるようで、ほかの軍人達も見に来ていた。
アルの体術は分かるが、軍人なのでそれなりの体術はあるが、錬金術しか見たことがないのでロイの実力が分からない。
「あ、あの…」
「気にするな。
地位も年齢も関係ないよ。
身体は動かさないと鈍るし。
ほら、始めるぞ」
「はい」
「まずは君のお手並み拝見だ」
アルと少し距離を取り、見据える。
ロイの性格からして、実力を知っているのでなめているのではなく、余裕があるのだろうか。
「…イイ感じだ。
鋼のを負かすだけはある。
だが、まだ甘い」
「うっわ!!」
「…っと」
何度してもアルの攻撃は利かず、バランスを崩して転びそうになると支えてくれた。
「おぉ~、やってるな」
「ヒューズ准将!」
「大総統って、体術も得意なんっスか?
なんか意外というか…」
「錬金術が優れてるから勘違いされるが、あいつも軍人だ。
錬金術ってのはある程度の体術が必要らしいが、すべての錬金術がそうではないとか。
俺は錬金術に詳しくないから分からんな」
ヒューズの言葉を聞きながらロイを見つめた。
(兄さんがあんな性格だし、すぐに諦めるのが癖になってるよ。
大総統に抱えられる補佐官なんていいのかな?)
よくはないだろうなとアルは感じた。
「大総統、いつまで抱えていらっしゃるのですか?」
「ん~?」
「‥‥明らかに楽しんでらっしゃいますね?」
にっこりと笑うロイにリザは呆れるように見つめた。
「アル、何を考えている?」
「えっ…」
「思考に意識がいってたから」
「あ、いえ‥‥」
「暴れなくなったから分かった。
まぁ、それだけではないが…
無理に話そうとしなくていいさ」
「…大総統」
「ん?」
「僕、筋肉ありませんか?」
エドと違って真面目なアルはロイの些細な一言に疑問を感じたのだろう。
「君の年齢でなら筋肉はある方だろう。
軍人としての意見なら年齢的なものはあるが、筋肉はない方だ。
体質で筋肉がつかない人もいるから、これが正しいという答えはないだろうな。
私も軍人の中では筋肉は少ない方だし。
まぁ、そこまで鍛えてないのもあるけど体質だな。
筋肉はつかないタイプみたいだし」
真面目にロイは答えてくれた。
アルは母似なので筋肉がつかない体質かもしれないが、鍛えればある程度ならつくかもしれない。
「…いつもは兄さんと組み手してたから」
その相手がいなければ鍛えるのも制限され、今のアルは筋トレくらいしか出来ないのだろう。
鍛え方も色々だが、今更になって違うやり方も出来ない。
それで身体がもう覚えてしまっているのだから。
「よし、それなら私が相手になろう」
「はい!!?」
「これでも軍人だし、多少は鍛えているからね。
最近、身体が鈍ってたから丁度いいな」
満足そうに笑い、ロイはアルを抱えたまま、歩いて行く。
「大総統、そんなことを…」
「怪我しないように鍛えるさ。
そういうことで、行こうか」
「まだ仕事が‥‥」
逃げるようにロイは食堂から出て行く。
「大総統っ!!」
慌ててリザが追いかけて行くのだった。
ヒューズは苦笑いし、食器を片付ける。
「随分と楽しそうだなぁ…」
「放っといていいんでしょうか?」
「中尉がどうにかしてくれんだろ」
「もう中尉じゃないだろ」
「あぁ、そうだったな」
「癖で呼びそうになりますよね。
僕もハボック少尉って呼んでしまいましたし」
「まぁな…」
「そのうち慣れるだろ、多分」
ハボック達は何だか懐かしい光景に笑みが溢れた。
平和まではいかなくても大きな騒ぎが起きないから出来ることだろう。
事件や事故がない訳ではないが、それはほかの軍人達が解決して処理をしている。
ロイよりも時間がかかるのを見ると、やはりロイが切れ者なのがよく分かる。
リザは結局、ロイに半ば強引に説得させられた。
ロイが本気を出せば、リザは口では敵わないのだ。
「まったく、仕方ないですね…」
護衛も兼ねて遠くから見守っていた。
司令部の裏庭で行うことにしたらしい。
気になるようで、ほかの軍人達も見に来ていた。
アルの体術は分かるが、軍人なのでそれなりの体術はあるが、錬金術しか見たことがないのでロイの実力が分からない。
「あ、あの…」
「気にするな。
地位も年齢も関係ないよ。
身体は動かさないと鈍るし。
ほら、始めるぞ」
「はい」
「まずは君のお手並み拝見だ」
アルと少し距離を取り、見据える。
ロイの性格からして、実力を知っているのでなめているのではなく、余裕があるのだろうか。
「…イイ感じだ。
鋼のを負かすだけはある。
だが、まだ甘い」
「うっわ!!」
「…っと」
何度してもアルの攻撃は利かず、バランスを崩して転びそうになると支えてくれた。
「おぉ~、やってるな」
「ヒューズ准将!」
「大総統って、体術も得意なんっスか?
なんか意外というか…」
「錬金術が優れてるから勘違いされるが、あいつも軍人だ。
錬金術ってのはある程度の体術が必要らしいが、すべての錬金術がそうではないとか。
俺は錬金術に詳しくないから分からんな」
ヒューズの言葉を聞きながらロイを見つめた。