第②話
夢小説設定
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普段の声色より一段と低くなり、その声には怒りが含んでいた。
ロイから殺気が放たれ、ゾクリと身震いする程だった。
その殺気に軍人達は目を見開き、怯えている者までもいた。
怒りの焔に圧倒される勢いだ。
これでもまだ本気ではないが、自分の信頼している部下を侮辱されて黙っていられるはずはなかった。
「私の部下を侮辱するのは誰であろうと許さん」
「………。」
「あの者達は私が選び、心から信じられる頼りになる部下だ」
「‥‥いい眼になった。
そういう眼の方が合っている」
「…そうか」
「仕方ないから、認めてやる。
おまえになら従ってやろう」
「上等だ、オリヴィエ・ミラ・アームストロング。
必要な時は呼ぶから駆けつけて来たまえ」
「…あぁ」
不敵に笑うロイを横目にオリヴィエは微かに笑みを浮かべ、去って行く。
「…互いに試して凄い騒ぎを起こすなよ」
「大総統、とりあえず、その殺気は消してください」
穏やかな雰囲気に戻ったロイに周りの軍人達は唖然としていた。
あの若さで大総統に登っただけあり、ただ者ではない。
上層部の者達は顔を歪めていた。
「大総統、血が滲んでいます。
すみません、もっと早く駆けつけるべきでした。
ここが戦場だったら‥‥」
「たいしたことはないさ」
軍刀を当てられ、ロイの首元から微かに血が滲んでいた。
「手当てを…」
「こんなもの、舐めたら治っ…」
リザが舐めたのでロイは驚く。
「私が守りたいのはロイ・マスタング、あなただけです。
あまり無茶はしないでください。
あなただけに私は忠誠を誓います。
私に生きる希望を与えてくださったんですから…」
「あぁ、分かっているさ」
ロイとリザの絆は深いところで繋がっていて、上官部下以上の絆なのは誰が見ても明らかだった。
部下達が近づいて来て、ロイは口元を緩める。
「アル…?
どうかしたか?」
「‥‥いえ」
「怖がらせたか?」
「…旅でもこういう事はありましたから」
俯いて遠くにいるアルにロイが近づく。
(ん~…どうしたものかな。
きっと、まだ不安定なんだろう)
気遣いすぎる傾向がアルにはあり、ロイは頭を掻く。
「私にまで気遣う必要などない。
守れる人を目の前で亡くしてしまう、どちらも大切だから怖かったんだろう?」
「‥‥ッ‥」
「大丈夫、それは弱い訳じゃないから。
そういうのに慣れる必要はない。
軍人だって人間だし、怖いものはある」
アルの瞳から涙が零れ、ロイは少し屈んでそっと拭った。
「私は君の優しさは必要だと思ってる。
その優しさは人々を救う。
私もその優しさに救われた1人だからな」
「…大総統」
「君には君のやり方がある。
無理に周りに合わせなくていいんだ。
私が認めたんだ、自信を持ちなさい。
アルフォンス・エルリック。
君の優しさと希望を失わない強さ、その年齢で周囲を観察する力もある。
君らしく生きれば私はそれで十分だと思ってるよ」
アルが頷くとロイは微笑んだ。
ロイは軽々とアルを抱えた。
「うっわ!!?」
「…軽いな。
もっと食べて鍛える必要があるかもな。
体術はいいが、筋肉が足りん。
まぁ、ずっと鎧だったから筋肉はついてないから仕方ないか」
「お、降ろしてくださいっ!!」
恥ずかしいようで、真っ赤になってアルはジタバタと暴れるが、ロイとの力の差で逃れることは出来ない。
「ふははっ!
ロイ、お父さんみたいだな」
「まるで親子みたいっスよ」
「ヒューズ、私はまだ未婚なんだが…」
不満そうにロイはヒューズを見るが、アルを降ろす気配はない。
(こんな風に男の人に抱っこされたことなんてないから不思議な感じがする。
父さんはあんな感じだし、抱っこなんてしてくれなかったらしいけど。
正確には抱っこしたくても出来なかったんだっけ?
というか、降ろして欲しいんだけど…
すっごい見られてるし。
う~ん…諦めるしかないのかな?)
落ちないようにアルは一応、ロイの肩にしがみついている。
ロイから殺気が放たれ、ゾクリと身震いする程だった。
その殺気に軍人達は目を見開き、怯えている者までもいた。
怒りの焔に圧倒される勢いだ。
これでもまだ本気ではないが、自分の信頼している部下を侮辱されて黙っていられるはずはなかった。
「私の部下を侮辱するのは誰であろうと許さん」
「………。」
「あの者達は私が選び、心から信じられる頼りになる部下だ」
「‥‥いい眼になった。
そういう眼の方が合っている」
「…そうか」
「仕方ないから、認めてやる。
おまえになら従ってやろう」
「上等だ、オリヴィエ・ミラ・アームストロング。
必要な時は呼ぶから駆けつけて来たまえ」
「…あぁ」
不敵に笑うロイを横目にオリヴィエは微かに笑みを浮かべ、去って行く。
「…互いに試して凄い騒ぎを起こすなよ」
「大総統、とりあえず、その殺気は消してください」
穏やかな雰囲気に戻ったロイに周りの軍人達は唖然としていた。
あの若さで大総統に登っただけあり、ただ者ではない。
上層部の者達は顔を歪めていた。
「大総統、血が滲んでいます。
すみません、もっと早く駆けつけるべきでした。
ここが戦場だったら‥‥」
「たいしたことはないさ」
軍刀を当てられ、ロイの首元から微かに血が滲んでいた。
「手当てを…」
「こんなもの、舐めたら治っ…」
リザが舐めたのでロイは驚く。
「私が守りたいのはロイ・マスタング、あなただけです。
あまり無茶はしないでください。
あなただけに私は忠誠を誓います。
私に生きる希望を与えてくださったんですから…」
「あぁ、分かっているさ」
ロイとリザの絆は深いところで繋がっていて、上官部下以上の絆なのは誰が見ても明らかだった。
部下達が近づいて来て、ロイは口元を緩める。
「アル…?
どうかしたか?」
「‥‥いえ」
「怖がらせたか?」
「…旅でもこういう事はありましたから」
俯いて遠くにいるアルにロイが近づく。
(ん~…どうしたものかな。
きっと、まだ不安定なんだろう)
気遣いすぎる傾向がアルにはあり、ロイは頭を掻く。
「私にまで気遣う必要などない。
守れる人を目の前で亡くしてしまう、どちらも大切だから怖かったんだろう?」
「‥‥ッ‥」
「大丈夫、それは弱い訳じゃないから。
そういうのに慣れる必要はない。
軍人だって人間だし、怖いものはある」
アルの瞳から涙が零れ、ロイは少し屈んでそっと拭った。
「私は君の優しさは必要だと思ってる。
その優しさは人々を救う。
私もその優しさに救われた1人だからな」
「…大総統」
「君には君のやり方がある。
無理に周りに合わせなくていいんだ。
私が認めたんだ、自信を持ちなさい。
アルフォンス・エルリック。
君の優しさと希望を失わない強さ、その年齢で周囲を観察する力もある。
君らしく生きれば私はそれで十分だと思ってるよ」
アルが頷くとロイは微笑んだ。
ロイは軽々とアルを抱えた。
「うっわ!!?」
「…軽いな。
もっと食べて鍛える必要があるかもな。
体術はいいが、筋肉が足りん。
まぁ、ずっと鎧だったから筋肉はついてないから仕方ないか」
「お、降ろしてくださいっ!!」
恥ずかしいようで、真っ赤になってアルはジタバタと暴れるが、ロイとの力の差で逃れることは出来ない。
「ふははっ!
ロイ、お父さんみたいだな」
「まるで親子みたいっスよ」
「ヒューズ、私はまだ未婚なんだが…」
不満そうにロイはヒューズを見るが、アルを降ろす気配はない。
(こんな風に男の人に抱っこされたことなんてないから不思議な感じがする。
父さんはあんな感じだし、抱っこなんてしてくれなかったらしいけど。
正確には抱っこしたくても出来なかったんだっけ?
というか、降ろして欲しいんだけど…
すっごい見られてるし。
う~ん…諦めるしかないのかな?)
落ちないようにアルは一応、ロイの肩にしがみついている。