第②話
夢小説設定
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ロイはその話に微かに反応を示す。
「僕達も何かあれば守りはしますが、ずっと側にいる訳ではないので…」
「そうだな」
「ハボック少佐が脅したらしいですが…」
「上等だ。
ハボックに会ったら“よくやった”と伝えといてくれ」
「はい」
フュリーと別れ、早足で裏庭に行く。
「何で君みたいな子供が補佐官なんだろうな」
「そう言われましても僕も不思議です。
でも、大総統が決めたことなので…」
「そんな正論はいいんだよっ!」
「鋼の兄貴のコネでも使ったんじゃないのか?」
「戦い以外で兄さんが役立ったことはありませんよ。
大総統には大佐の頃から迷惑かけてばっかりだし」
ハッキリとアルは言うが、弟だから分かる真実だ。
「兄貴、旅から戻って来ないんだってな。
大総統に面倒を見てもらってんだろ?」
「それは…」
戸惑ってアルは言い返せない。
「私の補佐官に何をしている!」
「「大総統!!」」
「アル、大丈夫か?
探したよ」
「‥‥大総統」
アルを庇うようにロイはその背に隠す。
冷たく鋭い眼で見られ、脅えていた。
「私の補佐官に手を出すとはいい度胸だ。
鋼のコネ?
馬鹿を言うな。
あのような者にコネなどあるものか」
「大総統、僕なら大丈夫ですから!」
「…アルにお礼を言うんだな。
今度、こんなことをしてみろ。
軍に居れると思うな!」
爆発音と共に炎が上がった。
倒れている者達を横目にロイはアルを連れて司令部に入り、後ろからリザがついて行った。
“補佐官のアルフォンスに手を出すと大総統から処罰される”
中央司令部に変な噂が流れた。
「ロイ、おまえは何をしたんだ」
「腹立たしいから焦がした。
燃やしたいところだったが…」
「大総統が何をやってんだよ」
「私の補佐官に手を出すのは許さない」
「それがリザちゃんだったら?」
「私が助けるまでもなく、穴が開いてるだろうな。
まぁ、止められなかったらケシ炭だろう」
(‥‥どんだけ2人を溺愛してんだι)
呆れたようにため息をつく。
軍の食堂でも食事の際は誰か護衛としてロイについている。
基本的に補佐官2人が多いのだが…。
「アルにも今度は錬金術を使って倒していいと言ってあるから心配ないだろう」
(…俺は相手が心配になるよ。
というか、手を出す馬鹿はいないだろ。
補佐官2人に溺愛していると噂に流れそうだな。
特に2人に関することは敏感に反応するからなぁ…)
悪くはないが、度が過ぎていてヒューズは苦笑いする。
「おい‥‥嫌いだからって人の皿に乗せるなよ」
「…いいから黙って食えよ」
「おまえはガキか。
士官学校でもそうだったよな」
「うるさい」
微かに頬を赤らめるロイにヒューズは肩を叩いて笑う。
親友であり、時に兄弟でもある2人の絆はかけがえのないもの。
互いに口には出さないが、互いを大切に思っている。
そういう意味では家族の関係に近いのかもしれない。
食堂にいる軍人達はチラチラとロイを見て気にしているが、ロイはそれに気づかないフリ。
それを意識したところでいいことがないのは分かっている。
自分の地位を狙う者、出世だけの為に顔色を伺う者、どれも嫌な視線ばかりだ。
「なぁ、ヒューズ」
「…何だ?
エリシアの写真を見たいって?
何なら写真をやるぞ!!」
「いらん。
そうではなく、ここは敵が多いな」
「だから、味方を作れと言っていたんだ」
「そういう考えの者は少なくてな。
何せ、私は“若造”だからな」
曖昧な笑みを浮かべ、もう既に口調を直すのは面倒だと正式な場以外はいつもの口調になっていた。
気配がしてロイは顔を上げる。
「どういうつもりだ、マスタング…大総統!」
「やあ、少将。
マスタングで構わないが?」
「…大総統を?」
「その地位を狙っているのでは?
私を大総統とは認めてはいない、違うかい?」
「答えろと言うなら答えるが」
ロイはお茶を飲みながら平然と話しているのだが、周りは怯えながらハラハラとして見ていた。
「僕達も何かあれば守りはしますが、ずっと側にいる訳ではないので…」
「そうだな」
「ハボック少佐が脅したらしいですが…」
「上等だ。
ハボックに会ったら“よくやった”と伝えといてくれ」
「はい」
フュリーと別れ、早足で裏庭に行く。
「何で君みたいな子供が補佐官なんだろうな」
「そう言われましても僕も不思議です。
でも、大総統が決めたことなので…」
「そんな正論はいいんだよっ!」
「鋼の兄貴のコネでも使ったんじゃないのか?」
「戦い以外で兄さんが役立ったことはありませんよ。
大総統には大佐の頃から迷惑かけてばっかりだし」
ハッキリとアルは言うが、弟だから分かる真実だ。
「兄貴、旅から戻って来ないんだってな。
大総統に面倒を見てもらってんだろ?」
「それは…」
戸惑ってアルは言い返せない。
「私の補佐官に何をしている!」
「「大総統!!」」
「アル、大丈夫か?
探したよ」
「‥‥大総統」
アルを庇うようにロイはその背に隠す。
冷たく鋭い眼で見られ、脅えていた。
「私の補佐官に手を出すとはいい度胸だ。
鋼のコネ?
馬鹿を言うな。
あのような者にコネなどあるものか」
「大総統、僕なら大丈夫ですから!」
「…アルにお礼を言うんだな。
今度、こんなことをしてみろ。
軍に居れると思うな!」
爆発音と共に炎が上がった。
倒れている者達を横目にロイはアルを連れて司令部に入り、後ろからリザがついて行った。
“補佐官のアルフォンスに手を出すと大総統から処罰される”
中央司令部に変な噂が流れた。
「ロイ、おまえは何をしたんだ」
「腹立たしいから焦がした。
燃やしたいところだったが…」
「大総統が何をやってんだよ」
「私の補佐官に手を出すのは許さない」
「それがリザちゃんだったら?」
「私が助けるまでもなく、穴が開いてるだろうな。
まぁ、止められなかったらケシ炭だろう」
(‥‥どんだけ2人を溺愛してんだι)
呆れたようにため息をつく。
軍の食堂でも食事の際は誰か護衛としてロイについている。
基本的に補佐官2人が多いのだが…。
「アルにも今度は錬金術を使って倒していいと言ってあるから心配ないだろう」
(…俺は相手が心配になるよ。
というか、手を出す馬鹿はいないだろ。
補佐官2人に溺愛していると噂に流れそうだな。
特に2人に関することは敏感に反応するからなぁ…)
悪くはないが、度が過ぎていてヒューズは苦笑いする。
「おい‥‥嫌いだからって人の皿に乗せるなよ」
「…いいから黙って食えよ」
「おまえはガキか。
士官学校でもそうだったよな」
「うるさい」
微かに頬を赤らめるロイにヒューズは肩を叩いて笑う。
親友であり、時に兄弟でもある2人の絆はかけがえのないもの。
互いに口には出さないが、互いを大切に思っている。
そういう意味では家族の関係に近いのかもしれない。
食堂にいる軍人達はチラチラとロイを見て気にしているが、ロイはそれに気づかないフリ。
それを意識したところでいいことがないのは分かっている。
自分の地位を狙う者、出世だけの為に顔色を伺う者、どれも嫌な視線ばかりだ。
「なぁ、ヒューズ」
「…何だ?
エリシアの写真を見たいって?
何なら写真をやるぞ!!」
「いらん。
そうではなく、ここは敵が多いな」
「だから、味方を作れと言っていたんだ」
「そういう考えの者は少なくてな。
何せ、私は“若造”だからな」
曖昧な笑みを浮かべ、もう既に口調を直すのは面倒だと正式な場以外はいつもの口調になっていた。
気配がしてロイは顔を上げる。
「どういうつもりだ、マスタング…大総統!」
「やあ、少将。
マスタングで構わないが?」
「…大総統を?」
「その地位を狙っているのでは?
私を大総統とは認めてはいない、違うかい?」
「答えろと言うなら答えるが」
ロイはお茶を飲みながら平然と話しているのだが、周りは怯えながらハラハラとして見ていた。