第②話
夢小説設定
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指名手配者の強化期間を知らせる書類で、功績を残した者には褒美を与えると記載されていた。
功績に寄って支払われる額も異なるようで、それを見てザワついていた。
下官はやる気を出したが、上層部の者達は顔を歪めた。
功績で自分の立場が危なくなる可能性もあるから。
「大総統、失礼します。
何を考えているんですか!」
「あんなバカらしいものはおやめください!!」
「下官は助かり、国民は恐怖や不安から解消される。
一石二鳥じゃないか。
下官なんかより自分がよければそれでいいと?
国民が犠牲になってもいいと?」
ロイから返された言葉に詰まり、黙り込んだ。
「下官は喜んでやる気を出したみたいじゃないか。
それ以上言うなら、命令違反で今の地位を剥奪するが?」
逃げて行くように上層部の者達が大総統室から去って行く。
「…小心者が」
「大総統、出来ましたよ」
「早かったな。
あぁ、いい出来だ。
さすがだな」
「ありがとうございます」
「それでは、コピーして指名手配者として…」
「はい、私がしときますよ」
「そうか?
じゃあ、頼んだ」
「はっ!
それでは、失礼致しました」
敬礼し、大総統室から出るとロイとリザの2人きり。
気まずさを誤魔化すようにロイは書類を手にする。
「――大総統」
「な、なんだ?」
「東方、南方、北方の司令部にも送っておきました。
中央より遅れるかとは思いますが…」
「そうか。
1週間遅れくらいで開始か?」
「北方は遠いのでもう少し遅れるかもしれませんが…」
「そうか。
地方はそういう意味では不便だな。
書類だけではなく、電話で伝えるか」
「それなら同時に伝えられますね。
準備しますか?」
「あぁ、頼む」
リザが受話器を手にし、繋ぐよう指示する。
「はい、どうぞ。
北方司令部です」
「ありがとう。
マスタングだが…」
「はっ!
マスタング大総統、就任おめでとうございます。
私に何か御用でしたか?」
「あぁ、書類は届くかと思うが、先に伝えておこうかと。
指名手配者の強化期間を行う」
「強化期間とは?」
大総統が自ら電話して話すのも異例だ。
緊急事態なら別ではあるが…。
北方と南方の司令部の者達は戸惑いながらも渋々と認める。
東方はグラマン将軍で笑いながらロイに賛成してくれた。
「面白いことを考えたね~。
じゃあ、下の者に伝えておくよ」
「ありがとうございます、将軍」
「もう君が上なんだから堅苦しい口調はやめなさい」
「そう言われましても長年の癖ですし。
それに、グラマン将軍の方が年上なんで」
「それは困った」
楽しそうにグラマン将軍は笑う。
下の者に伝えるということは自分は動かないんだなとロイは確信していた。
「視察に来る時はチェスの相手を頼むよ」
「それまでに鍛えておきましょう」
「楽しみにしてる」
この口調ではどちらが上官なのか分からない。
「相変わらずだな、グラマン将軍は」
「そうですね」
受話器を置いて苦笑いする。
リザより先に行ったのに何故かアルは未だに戻って来ない。
「…遅いな。
迷子になったか?
上層部の奴等が来たから頼んだことは済んだはずだが‥‥」
「私より先に行って一度も戻って来てないのは怪しいですね」
「仕事も片付いたし、昼食のついでに探しに行くか」
「そうですね」
リザを連れてロイは大総統室から出た。
「あっ、大総統。
どうかしたんですか?
この時間なら今から昼食ですよね。
失礼しました…」
「あぁ、フュリー。
アルを見なかったか?」
「アルフォンスくん?
迷子ですか?」
「いや、分からん。
戻って来ないから」
「さっき裏庭に行く姿を見ました」
「裏庭?
とにかく、行くか。
助かったよ」
「いえ…。
あっ、大総統」
「何だ?」
フュリーは人目を気にして辺りを見渡す。
「…何かあったのか?」
「先程、ハボック少佐が見たらしいです。
アルフォンスくん、絡まれていたみたいで…」
「誰に?」
「階級から確か…少尉かと。
地位は下でも年齢と経験、アルフォンスくんの性格から逆らえないかもしれないと」
小声でロイに話すフュリー。
功績に寄って支払われる額も異なるようで、それを見てザワついていた。
下官はやる気を出したが、上層部の者達は顔を歪めた。
功績で自分の立場が危なくなる可能性もあるから。
「大総統、失礼します。
何を考えているんですか!」
「あんなバカらしいものはおやめください!!」
「下官は助かり、国民は恐怖や不安から解消される。
一石二鳥じゃないか。
下官なんかより自分がよければそれでいいと?
国民が犠牲になってもいいと?」
ロイから返された言葉に詰まり、黙り込んだ。
「下官は喜んでやる気を出したみたいじゃないか。
それ以上言うなら、命令違反で今の地位を剥奪するが?」
逃げて行くように上層部の者達が大総統室から去って行く。
「…小心者が」
「大総統、出来ましたよ」
「早かったな。
あぁ、いい出来だ。
さすがだな」
「ありがとうございます」
「それでは、コピーして指名手配者として…」
「はい、私がしときますよ」
「そうか?
じゃあ、頼んだ」
「はっ!
それでは、失礼致しました」
敬礼し、大総統室から出るとロイとリザの2人きり。
気まずさを誤魔化すようにロイは書類を手にする。
「――大総統」
「な、なんだ?」
「東方、南方、北方の司令部にも送っておきました。
中央より遅れるかとは思いますが…」
「そうか。
1週間遅れくらいで開始か?」
「北方は遠いのでもう少し遅れるかもしれませんが…」
「そうか。
地方はそういう意味では不便だな。
書類だけではなく、電話で伝えるか」
「それなら同時に伝えられますね。
準備しますか?」
「あぁ、頼む」
リザが受話器を手にし、繋ぐよう指示する。
「はい、どうぞ。
北方司令部です」
「ありがとう。
マスタングだが…」
「はっ!
マスタング大総統、就任おめでとうございます。
私に何か御用でしたか?」
「あぁ、書類は届くかと思うが、先に伝えておこうかと。
指名手配者の強化期間を行う」
「強化期間とは?」
大総統が自ら電話して話すのも異例だ。
緊急事態なら別ではあるが…。
北方と南方の司令部の者達は戸惑いながらも渋々と認める。
東方はグラマン将軍で笑いながらロイに賛成してくれた。
「面白いことを考えたね~。
じゃあ、下の者に伝えておくよ」
「ありがとうございます、将軍」
「もう君が上なんだから堅苦しい口調はやめなさい」
「そう言われましても長年の癖ですし。
それに、グラマン将軍の方が年上なんで」
「それは困った」
楽しそうにグラマン将軍は笑う。
下の者に伝えるということは自分は動かないんだなとロイは確信していた。
「視察に来る時はチェスの相手を頼むよ」
「それまでに鍛えておきましょう」
「楽しみにしてる」
この口調ではどちらが上官なのか分からない。
「相変わらずだな、グラマン将軍は」
「そうですね」
受話器を置いて苦笑いする。
リザより先に行ったのに何故かアルは未だに戻って来ない。
「…遅いな。
迷子になったか?
上層部の奴等が来たから頼んだことは済んだはずだが‥‥」
「私より先に行って一度も戻って来てないのは怪しいですね」
「仕事も片付いたし、昼食のついでに探しに行くか」
「そうですね」
リザを連れてロイは大総統室から出た。
「あっ、大総統。
どうかしたんですか?
この時間なら今から昼食ですよね。
失礼しました…」
「あぁ、フュリー。
アルを見なかったか?」
「アルフォンスくん?
迷子ですか?」
「いや、分からん。
戻って来ないから」
「さっき裏庭に行く姿を見ました」
「裏庭?
とにかく、行くか。
助かったよ」
「いえ…。
あっ、大総統」
「何だ?」
フュリーは人目を気にして辺りを見渡す。
「…何かあったのか?」
「先程、ハボック少佐が見たらしいです。
アルフォンスくん、絡まれていたみたいで…」
「誰に?」
「階級から確か…少尉かと。
地位は下でも年齢と経験、アルフォンスくんの性格から逆らえないかもしれないと」
小声でロイに話すフュリー。