第①話
夢小説設定
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書類の仕事をこなしてゆき、大総統が許可をしなければ動かないものも沢山ある。
「さぼらなくなりましたね」
「あんなものは装っていたに決まっているだろう?
まさか、気づいてなかった訳ではないだろう?」
「「………。」」
「私以外は気づいていなかったと思いますよ、大総統」
「…そうか。
さすがは私の副官は優秀だ」
「付き合いが長いですから」
こういう時は本当に付き合っていないのかと疑いたくなる。
大総統になる為に女好きのサボリ魔を装いつつ、出世の足固めを行う切れ者だった。
大総統になった今はそれを装う必要もなくなった。
「大総統、今日の予定ですが―――」
「忙しくなるな。
その取材とは?」
「大総統ですから。
新聞などの取材ですよ」
「…新聞」
「どうかしました?
嫌ならお断りしますが」
「いや、引き受けよう。
新聞だけ頼む」
「分かりました」
微かに含み笑いを浮かべた。
補佐官と共に大総統室に向かう。
ロイに気づくと慌てて敬礼する。
「…あの時とは違うな」
「はい?」
「やっとこの地位に立てた。
あの時、君を奪われてどうにかなりそうだった‥‥」
「…大総統」
「ヒューズも亡くなるんではないかと不安な時に君を奪われ、バラバラになった。
あんなことで壊れはしないと分かっていても、やはり孤独感に襲われた。
私は、弱い人間だから」
「…強い人間なんていませんよ。
あなたなら、私を取り返しに来てくれると信じていました。
それに、待っているだけなんて私には合いませんから」
「…そうだな」
あの時、補佐官として仕事をしていた時の憂鬱感はない。
今は嬉しくてたまらない。
「私はあなたを支えられていましたか?」
「もちろん。
これからも支えてもらうよ。
迷惑をかけると思うが…」
「何を今更」
顔を見合わせ、微かに口元を緩めた。
机に持っていた書類を置いた。
「何だ、これは…」
「どうしました?」
「‥‥署名?
軍の奴等の名前だが、これは何だ?」
大総統に対する反対の署名だろうかと不安になる。
「反対なら、入隊したばかりの奴等が署名する訳ないよな?」
「そうですね。
アルフォンスくんは?」
「あぁ、資料を取りに行かせた」
「…また迷っていませんよね?」
「‥‥可能性はあるかもな。
まぁ、迷いながらでも覚えていくだろ。
この書類、初めてのわりによく出来てると思わないか?」
リザにロイは1枚の書類を見せた。
丁寧な文字に分かりやすい説明が書かれてある。
「…アルフォンスくんですか?」
「あぁ、さっき必死に書いてた。
まったく…健気で可愛いな。
急がなくていいと言ったんだが。
私の勘は当たっただろう?」
「…そうですね」
ふわりと微笑み、ロイに書類を返す。
「君のように優秀になる素質がある」
ロイが笑みを浮かべながらサラリと言う言葉にリザは照れたように笑う。
「さぼらなくなりましたね」
「あんなものは装っていたに決まっているだろう?
まさか、気づいてなかった訳ではないだろう?」
「「………。」」
「私以外は気づいていなかったと思いますよ、大総統」
「…そうか。
さすがは私の副官は優秀だ」
「付き合いが長いですから」
こういう時は本当に付き合っていないのかと疑いたくなる。
大総統になる為に女好きのサボリ魔を装いつつ、出世の足固めを行う切れ者だった。
大総統になった今はそれを装う必要もなくなった。
「大総統、今日の予定ですが―――」
「忙しくなるな。
その取材とは?」
「大総統ですから。
新聞などの取材ですよ」
「…新聞」
「どうかしました?
嫌ならお断りしますが」
「いや、引き受けよう。
新聞だけ頼む」
「分かりました」
微かに含み笑いを浮かべた。
補佐官と共に大総統室に向かう。
ロイに気づくと慌てて敬礼する。
「…あの時とは違うな」
「はい?」
「やっとこの地位に立てた。
あの時、君を奪われてどうにかなりそうだった‥‥」
「…大総統」
「ヒューズも亡くなるんではないかと不安な時に君を奪われ、バラバラになった。
あんなことで壊れはしないと分かっていても、やはり孤独感に襲われた。
私は、弱い人間だから」
「…強い人間なんていませんよ。
あなたなら、私を取り返しに来てくれると信じていました。
それに、待っているだけなんて私には合いませんから」
「…そうだな」
あの時、補佐官として仕事をしていた時の憂鬱感はない。
今は嬉しくてたまらない。
「私はあなたを支えられていましたか?」
「もちろん。
これからも支えてもらうよ。
迷惑をかけると思うが…」
「何を今更」
顔を見合わせ、微かに口元を緩めた。
机に持っていた書類を置いた。
「何だ、これは…」
「どうしました?」
「‥‥署名?
軍の奴等の名前だが、これは何だ?」
大総統に対する反対の署名だろうかと不安になる。
「反対なら、入隊したばかりの奴等が署名する訳ないよな?」
「そうですね。
アルフォンスくんは?」
「あぁ、資料を取りに行かせた」
「…また迷っていませんよね?」
「‥‥可能性はあるかもな。
まぁ、迷いながらでも覚えていくだろ。
この書類、初めてのわりによく出来てると思わないか?」
リザにロイは1枚の書類を見せた。
丁寧な文字に分かりやすい説明が書かれてある。
「…アルフォンスくんですか?」
「あぁ、さっき必死に書いてた。
まったく…健気で可愛いな。
急がなくていいと言ったんだが。
私の勘は当たっただろう?」
「…そうですね」
ふわりと微笑み、ロイに書類を返す。
「君のように優秀になる素質がある」
ロイが笑みを浮かべながらサラリと言う言葉にリザは照れたように笑う。