第⑨話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大総統室がノックされて入って来たのはヒューズ。
「調査の結果だ。
蜂の巣を仕掛けたのは軍の上層部と繋がりがある奴等だと分かった。
ただ、まだ証拠が見つからないから逮捕は…」
「上出来だ。
繋がりがある者を見つけ出せただけでも収穫ありだろう。
ちょっと動きを探らせるか」
ヒューズから報告書を受け取り、微かに笑みを浮かべる。
「警戒されないように悪質な悪戯らしいと流させた」
「まぁ、それがいいだろうな。
警戒されたらやりにくい」
リザはロイから書類を受け取ると確認して頷き、大総統室から出て行く。
「そういえば、あの噂を知っているか?」
「あの噂…?」
「黒魔術の噂だよ」
「あぁ、詳しくは知らんが」
「私の友達が言ってましたよ、その黒魔術のことを。
若返りだったり、不老不死とかありえない噂ばかりで信じてる人は少ないらしいですけど」
「錬金術が分からない人が黒魔術と言い出したんじゃないかとも言われてますけど」
「…何とも怪しいな。
詐欺師の新たな商売か?
国民が被害に遭わないうちに調べる必要性もありそうだな」
「黒魔術が深夜に行われているという噂の廃墟があるらしいですよ。
本当か分かりませんけど」
「場所は分かるか?」
「はい、こちらに」
「ありがとう」
地図を見てロイは考え込む。
深夜―――
噂の廃墟前にロイ達の姿があった。
「大総統自ら行くなんて聞いたことがありませんよ」
「これも仕事のうちだ」
「何で俺まで…」
「国家錬金術師だろう、鋼の?」
「こんな時にだけ国家錬金術師を強調しやがって!」
半ば強引に参加させられているエドだった。
「あくまでも噂を調べる為の下見だ。
暴走するなよ、鋼の」
「それはこっちの台詞だ。
あだぁっ!!
何しやがる、アル!」
「…うるさい」
アルがエドの足を蹴り、まだ兄弟喧嘩は続行中らしい。
「よし、行くぞ」
「何で俺が先頭なんだよ」
「こういうのには慣れているだろう?」
「さすがに大総統を先頭にする訳にはいかないでしょう?」
「俺等は国家錬金術師じゃないからな」
「僕は大総統に止められて」
「くそ…っ」
エドが最も危険な先頭にさせられていた。
廃墟の扉には鍵が掛かっていたが、鍵を錬金術で作って開ける。
「元々は錬金術の研究所だったようだな。
当時のままにされてるのか、まだ使われているのか」
「埃はないけど使われてる形跡もないぜ?」
「この棚にある液体は錬金術に使っているのか、それとも作ったのか…」
「不気味な色な液体だな」
「鋼の、容易く触るな。
何が起きるか分からんだろう?」
「大丈夫だって」
思ったままに興味のあるものには考えより先に身体が動く。
騒動の中にも穏やかな時間もある…。
果たして“黒魔術”の真相は‥‥。
-END-
2011.6.3
「調査の結果だ。
蜂の巣を仕掛けたのは軍の上層部と繋がりがある奴等だと分かった。
ただ、まだ証拠が見つからないから逮捕は…」
「上出来だ。
繋がりがある者を見つけ出せただけでも収穫ありだろう。
ちょっと動きを探らせるか」
ヒューズから報告書を受け取り、微かに笑みを浮かべる。
「警戒されないように悪質な悪戯らしいと流させた」
「まぁ、それがいいだろうな。
警戒されたらやりにくい」
リザはロイから書類を受け取ると確認して頷き、大総統室から出て行く。
「そういえば、あの噂を知っているか?」
「あの噂…?」
「黒魔術の噂だよ」
「あぁ、詳しくは知らんが」
「私の友達が言ってましたよ、その黒魔術のことを。
若返りだったり、不老不死とかありえない噂ばかりで信じてる人は少ないらしいですけど」
「錬金術が分からない人が黒魔術と言い出したんじゃないかとも言われてますけど」
「…何とも怪しいな。
詐欺師の新たな商売か?
国民が被害に遭わないうちに調べる必要性もありそうだな」
「黒魔術が深夜に行われているという噂の廃墟があるらしいですよ。
本当か分かりませんけど」
「場所は分かるか?」
「はい、こちらに」
「ありがとう」
地図を見てロイは考え込む。
深夜―――
噂の廃墟前にロイ達の姿があった。
「大総統自ら行くなんて聞いたことがありませんよ」
「これも仕事のうちだ」
「何で俺まで…」
「国家錬金術師だろう、鋼の?」
「こんな時にだけ国家錬金術師を強調しやがって!」
半ば強引に参加させられているエドだった。
「あくまでも噂を調べる為の下見だ。
暴走するなよ、鋼の」
「それはこっちの台詞だ。
あだぁっ!!
何しやがる、アル!」
「…うるさい」
アルがエドの足を蹴り、まだ兄弟喧嘩は続行中らしい。
「よし、行くぞ」
「何で俺が先頭なんだよ」
「こういうのには慣れているだろう?」
「さすがに大総統を先頭にする訳にはいかないでしょう?」
「俺等は国家錬金術師じゃないからな」
「僕は大総統に止められて」
「くそ…っ」
エドが最も危険な先頭にさせられていた。
廃墟の扉には鍵が掛かっていたが、鍵を錬金術で作って開ける。
「元々は錬金術の研究所だったようだな。
当時のままにされてるのか、まだ使われているのか」
「埃はないけど使われてる形跡もないぜ?」
「この棚にある液体は錬金術に使っているのか、それとも作ったのか…」
「不気味な色な液体だな」
「鋼の、容易く触るな。
何が起きるか分からんだろう?」
「大丈夫だって」
思ったままに興味のあるものには考えより先に身体が動く。
騒動の中にも穏やかな時間もある…。
果たして“黒魔術”の真相は‥‥。
-END-
2011.6.3
14/14ページ