第⑨話
夢小説設定
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徐々に行方不明者が見つかり、歓声が上がる。
「大総統っ!
私の娘は…まだ見つからないのですか!?
私があの時、手を離さなければ!!」
「落ち着いてください。
大丈夫ですから」
幼い子なので抵抗力も体力もないので川に流されていたら、助かる可能性はゼロに近い。
「けれど…っ」
「娘さんは今も助かることを信じて頑張っているはずです。
母親のあなたが信じなくてどうするんですか」
「大総統…」
そっとハンカチを渡し、優しく微笑む。
自分だって可能性が低いことは理解してるが、それは不安にするだけなので口にしない。
国民の不安を取り除くのも大総統の役目。
「大総統っ!」
「アームストロング、その子は…」
「川に流されておりました。
微かにまだ息はありますが、身体が凄く冷えてます」
「リアナっ!」
母親が駆け寄り、必死に手を握る。
震えている女の子の身体を包むように毛布でくるむが、まだ震えていた。
微かに瞼が震え、うっすらと目を開く。
「よく頑張った。
もう大丈夫だ」
唇が動き、何か話そうとするが、寒くて思うように声が出ない。
「喋らなくていい。
安心しなさい」
ロイが優しく頭を撫でると微かに笑みを浮かべ、そのまま目を閉じた。
「まだ雨が酷いですが、明日になれば少しはよくなるはずです。
私は帰らなくてはなりませんが、医師と食料の手配をしますので。
アームストロング!」
「はっ!」
「先程も言った通り、君はここに残るように。
安全を確認し、時間をかけてもいいから頼む。
ブレダは情報収集と共に隊の者達とアームストロングの援助を。
何かあれば、すぐに連絡してくれ」
「「はっ!」」
アームストロングとブレダは敬礼する。
「アームストロングに任せますので従うように」
「…分かりました」
渋い顔をしながらも頷いた。
眠っている我が子を抱きながら母親は見つめていた。
「医者はなるべく早く手配しますので。
最後までここに居ることが出来ずに申し訳ありません。
ですが、私には私が出来ることを致します。
全員の無事を願ってます」
時間ギリギリまで居たが、気になりつつもロイはリザ達と中央司令部に帰って行く。
車と朝一の列車で帰った。
さすがに大総統が留守にする訳にもいかない。
中央司令部から連れて来た軍人達は復旧の為に通常の任務ではなく、復旧活動の為に残して来た。
心優しくても外見的に誤解されることも多くて暴走してしまう傾向のあるアームストロングだけでは不安もあるのでブレダとハボックの隊にも残ってもらい、ブレダには情報収集とはハボックには部下達をまとめる役に回ってもらった。
補佐官のリザとアルと中央司令部に戻り、復旧に必要な書類を作成してもらう。
ロイはそれ以外に必要なことを命じ、ロスとヒューズもフォローに回る。
上層部は大袈裟にしすぎだと不満を口にしていたが、ロイは相手にせずに無視していた。
「君達のくだらない戯言に付き合っている隙はない。
ホークアイ、この書類を提出して来てくれ。
対応を急ぐようにと伝えるのも忘れずにな」
「分かりました」
「大総統、書類が出来上がりました。
サインをお願いします」
「分かった」
リザに書類を渡し、アルから作成した渡された書類を確認する。
「ヒューズ、手伝う気のない者達は邪魔なだけだ」
「お引き取り願いますか。
大総統のご命令ですので」
わざと丁寧な口調と笑顔で大総統室から上層部の者達を追い出すヒューズ。
ロイは確認してからサインしてアルに手渡す。
ふと窓の外を見てため息をついた。
部下達を信じてない訳ではないが、不安よりも心配で国民の不安を少し取り除くことしか出来ずに最後まで居れなかったことはどうすることも出来ないと分かっていても自己嫌悪に陥る。
「大総統っ!
私の娘は…まだ見つからないのですか!?
私があの時、手を離さなければ!!」
「落ち着いてください。
大丈夫ですから」
幼い子なので抵抗力も体力もないので川に流されていたら、助かる可能性はゼロに近い。
「けれど…っ」
「娘さんは今も助かることを信じて頑張っているはずです。
母親のあなたが信じなくてどうするんですか」
「大総統…」
そっとハンカチを渡し、優しく微笑む。
自分だって可能性が低いことは理解してるが、それは不安にするだけなので口にしない。
国民の不安を取り除くのも大総統の役目。
「大総統っ!」
「アームストロング、その子は…」
「川に流されておりました。
微かにまだ息はありますが、身体が凄く冷えてます」
「リアナっ!」
母親が駆け寄り、必死に手を握る。
震えている女の子の身体を包むように毛布でくるむが、まだ震えていた。
微かに瞼が震え、うっすらと目を開く。
「よく頑張った。
もう大丈夫だ」
唇が動き、何か話そうとするが、寒くて思うように声が出ない。
「喋らなくていい。
安心しなさい」
ロイが優しく頭を撫でると微かに笑みを浮かべ、そのまま目を閉じた。
「まだ雨が酷いですが、明日になれば少しはよくなるはずです。
私は帰らなくてはなりませんが、医師と食料の手配をしますので。
アームストロング!」
「はっ!」
「先程も言った通り、君はここに残るように。
安全を確認し、時間をかけてもいいから頼む。
ブレダは情報収集と共に隊の者達とアームストロングの援助を。
何かあれば、すぐに連絡してくれ」
「「はっ!」」
アームストロングとブレダは敬礼する。
「アームストロングに任せますので従うように」
「…分かりました」
渋い顔をしながらも頷いた。
眠っている我が子を抱きながら母親は見つめていた。
「医者はなるべく早く手配しますので。
最後までここに居ることが出来ずに申し訳ありません。
ですが、私には私が出来ることを致します。
全員の無事を願ってます」
時間ギリギリまで居たが、気になりつつもロイはリザ達と中央司令部に帰って行く。
車と朝一の列車で帰った。
さすがに大総統が留守にする訳にもいかない。
中央司令部から連れて来た軍人達は復旧の為に通常の任務ではなく、復旧活動の為に残して来た。
心優しくても外見的に誤解されることも多くて暴走してしまう傾向のあるアームストロングだけでは不安もあるのでブレダとハボックの隊にも残ってもらい、ブレダには情報収集とはハボックには部下達をまとめる役に回ってもらった。
補佐官のリザとアルと中央司令部に戻り、復旧に必要な書類を作成してもらう。
ロイはそれ以外に必要なことを命じ、ロスとヒューズもフォローに回る。
上層部は大袈裟にしすぎだと不満を口にしていたが、ロイは相手にせずに無視していた。
「君達のくだらない戯言に付き合っている隙はない。
ホークアイ、この書類を提出して来てくれ。
対応を急ぐようにと伝えるのも忘れずにな」
「分かりました」
「大総統、書類が出来上がりました。
サインをお願いします」
「分かった」
リザに書類を渡し、アルから作成した渡された書類を確認する。
「ヒューズ、手伝う気のない者達は邪魔なだけだ」
「お引き取り願いますか。
大総統のご命令ですので」
わざと丁寧な口調と笑顔で大総統室から上層部の者達を追い出すヒューズ。
ロイは確認してからサインしてアルに手渡す。
ふと窓の外を見てため息をついた。
部下達を信じてない訳ではないが、不安よりも心配で国民の不安を少し取り除くことしか出来ずに最後まで居れなかったことはどうすることも出来ないと分かっていても自己嫌悪に陥る。