第⑨話
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公園の外から話し声と足音が聞こえ、ロイは苦笑いする。
「おいっ、ちょっとは持てよ!」
「嫌よ。
アル、早く戻ろう」
「うん」
後ろから怒鳴るエドとウィンリィがアルの腕に抱きついて前を歩いていた。
「お帰り、アル。
ウィンリィ嬢、ご苦労様」
「はい」
「いえいえ、お安い御用です」
「おい、コラ…
無視すんなぁ!」
「子供達もいるのだからそう怒鳴るな」
「………。」
「エドワードくん、ありがとう」
リザがエドの持っている荷物を受け取ると一旦、荷物を置いた。
「花も植えたし、休みは終わりかな」
「はい」
「また明日から忙しくなりそうだ」
空を見上げ、誰に言う訳もなく呟いた。
「花が咲けば、素敵な公園になるな」
「そうですね」
「私がやっていることは‥‥」
「無駄じゃありません。
上層部の戯言など聞き流せばよいのです」
リザの言葉にロイは苦笑いする。
「笑顔が見れただけでも無駄ではなかったな」
また明日から頑張れそうだと思う。
数日後、仔猫の里親が見つかって引き取られて行った。
寂しそうなアルの姿にロイは少し切なくなったが、こればかりは仕方ない。
「…アル」
「大丈夫、です」
こういう時は何て声を掛けたらいいのだろうと黙り込んだ。
ロイはただ優しく、アルの頭を撫でた。
「マスタングさん…?」
「さあ、お風呂に入っておいで」
「‥‥はい」
何も言わずともロイの優しいが伝わる。
電話が鳴り響き、ロイとアルが顔を見合わせた。
「…はい。
あぁ、私だ。
どうした?
なに? すぐに向かう!
アル、準備してくれ!!」
軍服に着替えて銀時計を付け、家から出て司令部に向かう。
「どういう状況だ?
速やかに説明しろ」
「大総統閣下!
豪雨で土砂崩れが起きました。
近辺の村に被害が」
「行方不明者多数いる模様です!」
説明している言葉を過って新たな情報が入る。
遠いこともあり、情報が混乱していた。
「リザ・ホークアイ!」
「はっ!」
「その村に行くぞ。
準備しろ」
「ですが…」
「この目で確かめた方が早い。
毛布や食材など必要なものは車に詰めろ。
ハボック、ブレダ、隊に指揮を。
アームストロング、君も来るように。
私が留守の間は…
ヒューズ、任せた」
「気をつけてな」
「心配ない。
アル、ついて来い」
「はっ!」
「大総統、未成年はまずいのでは?」
「アルは私の補佐官であり、国家錬金術師だ。
無駄口を叩く暇があったら動け!」
「‥‥っ‥」
「いいか、よく聞け。
遠かろうが近かろうが、国民には変わりない。
命を無駄にする奴は切り捨てられると思え。
ついて来れる奴はついて来い!」
静まり返ったが、すぐに慌ただしく動き出した。
軍車に荷物を積んで列車に乗り込み、列車で約2時間かけて待機していた軍車に再び乗り込んだ。
何事かと見られていたが、今はそれどころではない。
豪雨で思うように軍車は進まない。
田舎で道のないところを半ば強引に軍車を走らせる。
避難場所で軍のテントを建てて避難していたが、疲れきっていて多数の行方不明者もいて泣き叫ぶ声も聞こえた。
土砂崩れはあっという間の出来事だった。
(これは‥‥予想以上に酷いな)
懐中電灯でリザがロイの足元を照らす。
「…ここか?」
「はい」
ロイの斜め後ろに待機してるのは補佐官のリザとアル、マリアは中央司令部に補佐官として残ってもらっている。
その後ろから部下達も荷物を背負いながら歩いていた。
行方不明者以外はすべて避難が終わっていた。
避難場の扉が開くと一斉に振り向いた。
「「マスタング大総統!」」
驚きの声が上がる。
「もう大丈夫ですよ。
軍の者は集まるように。
ここから先は私が指揮を取る!
アル、土砂崩れを少しでもいいから防ぎ止めろ。
アームストロング、ほかの者と共に行方不明者を1人でも多く探し出せ。
ブレダ、ハボック、アームストロングの指揮に従え」
敬礼して避難場から出て行く。
「アル、気をつけろ。
危ないと思ったら避難して来るように」
ロイはアルにコートを着せて送り出す。
「こんな雨の中…
行方不明者だってもう生きてなどいません!」
思わず若い軍人が放った言葉。
鈍い音が響き、ロイが若い軍人の頬を叩いた。
「家族の前でそんなことを言うな。
生きていることを信じている人がいるんだ。
それなら、私達も信じるべきだろう?
たとえ…亡くなっていても家族の元に返してあげるべきだ」
ロイの瞳が鋭く光る。
「おいっ、ちょっとは持てよ!」
「嫌よ。
アル、早く戻ろう」
「うん」
後ろから怒鳴るエドとウィンリィがアルの腕に抱きついて前を歩いていた。
「お帰り、アル。
ウィンリィ嬢、ご苦労様」
「はい」
「いえいえ、お安い御用です」
「おい、コラ…
無視すんなぁ!」
「子供達もいるのだからそう怒鳴るな」
「………。」
「エドワードくん、ありがとう」
リザがエドの持っている荷物を受け取ると一旦、荷物を置いた。
「花も植えたし、休みは終わりかな」
「はい」
「また明日から忙しくなりそうだ」
空を見上げ、誰に言う訳もなく呟いた。
「花が咲けば、素敵な公園になるな」
「そうですね」
「私がやっていることは‥‥」
「無駄じゃありません。
上層部の戯言など聞き流せばよいのです」
リザの言葉にロイは苦笑いする。
「笑顔が見れただけでも無駄ではなかったな」
また明日から頑張れそうだと思う。
数日後、仔猫の里親が見つかって引き取られて行った。
寂しそうなアルの姿にロイは少し切なくなったが、こればかりは仕方ない。
「…アル」
「大丈夫、です」
こういう時は何て声を掛けたらいいのだろうと黙り込んだ。
ロイはただ優しく、アルの頭を撫でた。
「マスタングさん…?」
「さあ、お風呂に入っておいで」
「‥‥はい」
何も言わずともロイの優しいが伝わる。
電話が鳴り響き、ロイとアルが顔を見合わせた。
「…はい。
あぁ、私だ。
どうした?
なに? すぐに向かう!
アル、準備してくれ!!」
軍服に着替えて銀時計を付け、家から出て司令部に向かう。
「どういう状況だ?
速やかに説明しろ」
「大総統閣下!
豪雨で土砂崩れが起きました。
近辺の村に被害が」
「行方不明者多数いる模様です!」
説明している言葉を過って新たな情報が入る。
遠いこともあり、情報が混乱していた。
「リザ・ホークアイ!」
「はっ!」
「その村に行くぞ。
準備しろ」
「ですが…」
「この目で確かめた方が早い。
毛布や食材など必要なものは車に詰めろ。
ハボック、ブレダ、隊に指揮を。
アームストロング、君も来るように。
私が留守の間は…
ヒューズ、任せた」
「気をつけてな」
「心配ない。
アル、ついて来い」
「はっ!」
「大総統、未成年はまずいのでは?」
「アルは私の補佐官であり、国家錬金術師だ。
無駄口を叩く暇があったら動け!」
「‥‥っ‥」
「いいか、よく聞け。
遠かろうが近かろうが、国民には変わりない。
命を無駄にする奴は切り捨てられると思え。
ついて来れる奴はついて来い!」
静まり返ったが、すぐに慌ただしく動き出した。
軍車に荷物を積んで列車に乗り込み、列車で約2時間かけて待機していた軍車に再び乗り込んだ。
何事かと見られていたが、今はそれどころではない。
豪雨で思うように軍車は進まない。
田舎で道のないところを半ば強引に軍車を走らせる。
避難場所で軍のテントを建てて避難していたが、疲れきっていて多数の行方不明者もいて泣き叫ぶ声も聞こえた。
土砂崩れはあっという間の出来事だった。
(これは‥‥予想以上に酷いな)
懐中電灯でリザがロイの足元を照らす。
「…ここか?」
「はい」
ロイの斜め後ろに待機してるのは補佐官のリザとアル、マリアは中央司令部に補佐官として残ってもらっている。
その後ろから部下達も荷物を背負いながら歩いていた。
行方不明者以外はすべて避難が終わっていた。
避難場の扉が開くと一斉に振り向いた。
「「マスタング大総統!」」
驚きの声が上がる。
「もう大丈夫ですよ。
軍の者は集まるように。
ここから先は私が指揮を取る!
アル、土砂崩れを少しでもいいから防ぎ止めろ。
アームストロング、ほかの者と共に行方不明者を1人でも多く探し出せ。
ブレダ、ハボック、アームストロングの指揮に従え」
敬礼して避難場から出て行く。
「アル、気をつけろ。
危ないと思ったら避難して来るように」
ロイはアルにコートを着せて送り出す。
「こんな雨の中…
行方不明者だってもう生きてなどいません!」
思わず若い軍人が放った言葉。
鈍い音が響き、ロイが若い軍人の頬を叩いた。
「家族の前でそんなことを言うな。
生きていることを信じている人がいるんだ。
それなら、私達も信じるべきだろう?
たとえ…亡くなっていても家族の元に返してあげるべきだ」
ロイの瞳が鋭く光る。