第⑨話
夢小説設定
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上層部の悪事はエドも身を持って知っていた。
「そんなことが…
あの家族‥‥大丈夫なのか?」
「誤魔化せるのは長くて1日」
「どうすんだよ」
「ファルマン、頼んだぞ」
「分かりました」
「…あんな奴等に利用されてたまるか」
ロイの声色には怒りが含まれていた。
ファルマンが家族の監視と護衛。
「では、行って参ります」
「頼んだぞ。
何かあれば連絡を」
「はい」
ロイに敬礼し、ファルマンが去ってゆく。
「上層部の悪事の証拠が見つかったら?
あんな奴等、切ってもいいんじゃねぇの?
俺には詳しくわかんねぇけど」
爆発音と共に目の前に火が上がる。
エドは驚いてロイを見つめる。
「野放しにしているのさ、あえてね」
「何の為に…」
「逃げ切れない証拠を集める為に。
国民に被害が回らないようにしながら徐々にな。
苛立ち、焦り始めている頃だろう」
「性格悪いな」
「敵には容赦しないだけさ。
逃がさない。
いや、逃がしてはならない」
ロイの瞳には決意が満ちていた。
大総統としてのロイの苦悩が少し見えた気がした。
「――大総統」
「分かっているさ」
リザがロイの背に触れ、ロイは息を吐く。
「自分に苛立っているだけだ。
行動に移せない自分にな。
自己嫌悪ってところか」
「そんなことはありませんよ。
また焦りすぎてます、大総統」
リザを見てロイは苦笑いする。
「マスタングさんは行動に移せています。
ただ、まだ皆さんが誤解して勇気がないだけです。
まだ味方はいるはずですから。
新しいことを始めるには覚悟と勇気が必要です。
皆さんはマスタングさんのように強くはありません」
「私はそこまで強くはない」
「強いですよ。
だって、マスタングさんは1人じゃありませんから。
ヒューズさんやリザさん、皆さんがマスタングさんの理解者で仲間です」
アルの言葉にロイはふわりと笑う。
「私もです、マスタング大総統」
「僕達もです!」
振り向くとロスと共に敬礼する青年達がいた。
アルはにっこりと笑い、ロイを見つめる。
「上層部の方々とマスタングさんの大きな違いは何か分かります?」
「大きな違い?」
「マスタングさんには裏切らない仲間がいます。
けれど、上層部の方々は裏切りと足の引っ張り合いの偽りの仲間。
その違いは大きいと思いますよ」
ロイは微かに口元を緩める。
「ありがとう、アル。
やはり、君を補佐官にして正解だったな。
君は本当によく見ているな」
「そんな‥‥」
慌てるアルにロイは微笑む。
「もちろん、君達も補佐官にして正解だ。
リザ・ホークアイ、マリア・ロス」
リザとロスは敬礼する。
「おいおい、俺等にはお礼はないのか?
大総統さんよ」
「まだお礼には早いな。
君達にはまだ働いてもらわないと困る」
「…ったく。
相変わらずだな、おまえさんは」
「だから、肩を抱くな、ヒューズ」
「いいじゃねぇか」
「…燃やすぞ?」
「へいへい」
肩を竦めるヒューズと不満そうなロイの姿。
子供達の走る足音と悲鳴が響く。
何事かとロイ達は視線を移す。
「パパ…!」
「エリシア!!
どうした!!?」
「木の上に…!
巣があるの!!」
「「蜂の巣!」」
子供達の後ろから蜂の大群が勢いよく追って来ていた。
泣きながら必死に親の元に走り、親もまた必死だ。
「アームストロング!
公園を破壊するな!!
鋼の、壁を作れ」
「言われなくても、やるさ!」
バチバチッと音と共に壁が出来、子供達を守る。
ロイは発火布をはめた。
「ヒューズ、どういうことだ。
私は安全確認しろと言ったはずだが」
「街に蜂の巣があると思わないだろ」
「また上層部が蜂並みに煩くなるな」
「そんなことを言ってる場合ですか!
あの蜂の大群、どうするんっスか!!?」
ハボックが慌てたようにロイに迫る。
「落ち着かんか、馬鹿者。
あんな蜂で騒ぐな。
なぁ、リザ?」
「はい」
「準備は?」
「いつでも行けますよ」
「さすがだ」
微かにロイが口元を緩める。
「そんなことが…
あの家族‥‥大丈夫なのか?」
「誤魔化せるのは長くて1日」
「どうすんだよ」
「ファルマン、頼んだぞ」
「分かりました」
「…あんな奴等に利用されてたまるか」
ロイの声色には怒りが含まれていた。
ファルマンが家族の監視と護衛。
「では、行って参ります」
「頼んだぞ。
何かあれば連絡を」
「はい」
ロイに敬礼し、ファルマンが去ってゆく。
「上層部の悪事の証拠が見つかったら?
あんな奴等、切ってもいいんじゃねぇの?
俺には詳しくわかんねぇけど」
爆発音と共に目の前に火が上がる。
エドは驚いてロイを見つめる。
「野放しにしているのさ、あえてね」
「何の為に…」
「逃げ切れない証拠を集める為に。
国民に被害が回らないようにしながら徐々にな。
苛立ち、焦り始めている頃だろう」
「性格悪いな」
「敵には容赦しないだけさ。
逃がさない。
いや、逃がしてはならない」
ロイの瞳には決意が満ちていた。
大総統としてのロイの苦悩が少し見えた気がした。
「――大総統」
「分かっているさ」
リザがロイの背に触れ、ロイは息を吐く。
「自分に苛立っているだけだ。
行動に移せない自分にな。
自己嫌悪ってところか」
「そんなことはありませんよ。
また焦りすぎてます、大総統」
リザを見てロイは苦笑いする。
「マスタングさんは行動に移せています。
ただ、まだ皆さんが誤解して勇気がないだけです。
まだ味方はいるはずですから。
新しいことを始めるには覚悟と勇気が必要です。
皆さんはマスタングさんのように強くはありません」
「私はそこまで強くはない」
「強いですよ。
だって、マスタングさんは1人じゃありませんから。
ヒューズさんやリザさん、皆さんがマスタングさんの理解者で仲間です」
アルの言葉にロイはふわりと笑う。
「私もです、マスタング大総統」
「僕達もです!」
振り向くとロスと共に敬礼する青年達がいた。
アルはにっこりと笑い、ロイを見つめる。
「上層部の方々とマスタングさんの大きな違いは何か分かります?」
「大きな違い?」
「マスタングさんには裏切らない仲間がいます。
けれど、上層部の方々は裏切りと足の引っ張り合いの偽りの仲間。
その違いは大きいと思いますよ」
ロイは微かに口元を緩める。
「ありがとう、アル。
やはり、君を補佐官にして正解だったな。
君は本当によく見ているな」
「そんな‥‥」
慌てるアルにロイは微笑む。
「もちろん、君達も補佐官にして正解だ。
リザ・ホークアイ、マリア・ロス」
リザとロスは敬礼する。
「おいおい、俺等にはお礼はないのか?
大総統さんよ」
「まだお礼には早いな。
君達にはまだ働いてもらわないと困る」
「…ったく。
相変わらずだな、おまえさんは」
「だから、肩を抱くな、ヒューズ」
「いいじゃねぇか」
「…燃やすぞ?」
「へいへい」
肩を竦めるヒューズと不満そうなロイの姿。
子供達の走る足音と悲鳴が響く。
何事かとロイ達は視線を移す。
「パパ…!」
「エリシア!!
どうした!!?」
「木の上に…!
巣があるの!!」
「「蜂の巣!」」
子供達の後ろから蜂の大群が勢いよく追って来ていた。
泣きながら必死に親の元に走り、親もまた必死だ。
「アームストロング!
公園を破壊するな!!
鋼の、壁を作れ」
「言われなくても、やるさ!」
バチバチッと音と共に壁が出来、子供達を守る。
ロイは発火布をはめた。
「ヒューズ、どういうことだ。
私は安全確認しろと言ったはずだが」
「街に蜂の巣があると思わないだろ」
「また上層部が蜂並みに煩くなるな」
「そんなことを言ってる場合ですか!
あの蜂の大群、どうするんっスか!!?」
ハボックが慌てたようにロイに迫る。
「落ち着かんか、馬鹿者。
あんな蜂で騒ぐな。
なぁ、リザ?」
「はい」
「準備は?」
「いつでも行けますよ」
「さすがだ」
微かにロイが口元を緩める。