第⑨話
夢小説設定
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リザやヒューズ達はやっぱりなと微笑んでいた。
「あなた達が罪に問われることはありません。
どうか、この者達の無礼をお許しを」
「あ、いえ‥‥」
「大総統、そんな…っ」
「とにかく、このままではこの子の命が危ない。
病院へ急いでください。
それから、国民を襲わないと誓ってもらえますか?
私からの条件はただひとつ、国民を襲わないことです」
「はい」
「本当にありがとうございます」
夫妻にロイは臨時の許可書を手渡した。
「大総統、何故…」
「私はイシュヴァールの民だからと言ってパスポートを発行しない制度が気に入らない。
ただ、それだけだ。
あの者達の命を保証する。
逮捕したら私の命令を破ったということになるな。
分かったら仕事に戻りなさい」
若い2人の軍人は渋々ながらも敬礼し、去って行く。
リザが既に動いていて病院側には連絡を入れてくれていた。
「君は相変わらずだね」
「何を今更。
あなたの考えることなんて分かりますよ」
「…だろうな」
苦笑いし、ロイは空を見上げた。
「勝手に発行したから、批判もされるだろうな。
それよりも文句を言われるか。
勝手なことだとは分かっていたが」
「そうしなければ夫婦は逮捕され、子供は病気で苦しんでいる時に独りでしたよ」
「いいじゃねぇか。
己の信念を貫けよ、ロイ。
それがおまえさんだろう?
こんなとこで止まるな、ロイ・マスタング!」
「ヒューズ…」
「おまえさんは間違っちゃいねぇよ」
「見殺しにするバカな大総統だったら、ぶん殴ってたぜ」
「まぁ、大総統ならすると思ってましたけど。
それがあんただろ、マスタング大総統」
ヒューズやエド、ハボックの言葉にロイは笑う。
「国民の前でそんな口調で話すとはな。
まぁ、構わないが…」
苦笑いしながらロイは見つめる。
理想と現実の大きな壁に苦労は続く。
けれど、そこに国民の幸せがあるならロイは迷わず進む。
「マスタング大総統。
私は貴方だからついて来たのですよ。
迷わずお進みください。
貴方が邪魔だと思う者は私がすべて排除します。
古狸に任せてはいけません。
国民の為に、理想を貫いてください」
「君は相変わらずだな」
「貴方以外の大総統は不必要ですから。
批判も反対もそれらすべてから私が貴方を守り抜くんです!」
「…私の盾にはなるなよ?」
「ご命令ですか?」
「あぁ、命令だ。
そうでなければ、君は私の盾になってしまうだろう?
私は誰も傷ついて欲しくないんだ。
…君を失いたくはない」
「分かりました」
「そうは言っても危険になれば、君は私の盾になるのだろうな」
「………。」
答えないリザにロイは微かに口元を緩めた。
「私が迷ってどうするんだ。
…最後までついて来い」
「何を今更。
何なら地獄までお供しますが?」
「それは頼もしい。
地獄に落ちないように気をつけなければな」
クスクスとロイは楽しそうに笑う。
「何なんだ、あれは…」
「2人にしか分からないことだろ」
「東方司令部時代を思い出しますね」
「そうだな」
懐かしそうに目を細める仲間達。
様々な出会いがあり、すべてがいいものだとは限らない。
全員を助けられるとも思ってはいない。
けれど、全員を助けたいのが理想と本音。
出会ったからには助けを求めているのならば、ロイは迷わず手を差し伸べるだろう。
出会いとは不思議なものだ。
「大総統!
マスタング大総統っ!!」
中年の男性の軍人が公園に入って来た。
「臨時の許可書をイシュヴァールの民に発行したというのは本当ですか!!?」
「騒がしいな、君は。
何事かと思えば」
「大総統っ!」
「私は夫婦に許可書を発行したまでだ。
病気で発行している時間がなかったみたいなのでな」
「そう…ですか。
分かりました」
怪しく思いつつも証拠がないので軍人は戻って行く。
「嘘つくのかよ」
「私は嘘はついていない。
彼らは“イシュヴァールの民”とは名乗っていない。
夫婦なのも子供が病気なのも事実だろう?
あそこで本当のことを言ったらどうなるか分かるか?」
「…どうなる?」
「運が悪ければ‥‥処刑され兼ねない。
私の意思に関係なく、裏で上層部は命を利用するかもしれん。
責任は私に押しつけてな。
私は上層部に邪魔者に過ぎないのだよ」
「………。」
エドは黙ってロイを見た。
「あなた達が罪に問われることはありません。
どうか、この者達の無礼をお許しを」
「あ、いえ‥‥」
「大総統、そんな…っ」
「とにかく、このままではこの子の命が危ない。
病院へ急いでください。
それから、国民を襲わないと誓ってもらえますか?
私からの条件はただひとつ、国民を襲わないことです」
「はい」
「本当にありがとうございます」
夫妻にロイは臨時の許可書を手渡した。
「大総統、何故…」
「私はイシュヴァールの民だからと言ってパスポートを発行しない制度が気に入らない。
ただ、それだけだ。
あの者達の命を保証する。
逮捕したら私の命令を破ったということになるな。
分かったら仕事に戻りなさい」
若い2人の軍人は渋々ながらも敬礼し、去って行く。
リザが既に動いていて病院側には連絡を入れてくれていた。
「君は相変わらずだね」
「何を今更。
あなたの考えることなんて分かりますよ」
「…だろうな」
苦笑いし、ロイは空を見上げた。
「勝手に発行したから、批判もされるだろうな。
それよりも文句を言われるか。
勝手なことだとは分かっていたが」
「そうしなければ夫婦は逮捕され、子供は病気で苦しんでいる時に独りでしたよ」
「いいじゃねぇか。
己の信念を貫けよ、ロイ。
それがおまえさんだろう?
こんなとこで止まるな、ロイ・マスタング!」
「ヒューズ…」
「おまえさんは間違っちゃいねぇよ」
「見殺しにするバカな大総統だったら、ぶん殴ってたぜ」
「まぁ、大総統ならすると思ってましたけど。
それがあんただろ、マスタング大総統」
ヒューズやエド、ハボックの言葉にロイは笑う。
「国民の前でそんな口調で話すとはな。
まぁ、構わないが…」
苦笑いしながらロイは見つめる。
理想と現実の大きな壁に苦労は続く。
けれど、そこに国民の幸せがあるならロイは迷わず進む。
「マスタング大総統。
私は貴方だからついて来たのですよ。
迷わずお進みください。
貴方が邪魔だと思う者は私がすべて排除します。
古狸に任せてはいけません。
国民の為に、理想を貫いてください」
「君は相変わらずだな」
「貴方以外の大総統は不必要ですから。
批判も反対もそれらすべてから私が貴方を守り抜くんです!」
「…私の盾にはなるなよ?」
「ご命令ですか?」
「あぁ、命令だ。
そうでなければ、君は私の盾になってしまうだろう?
私は誰も傷ついて欲しくないんだ。
…君を失いたくはない」
「分かりました」
「そうは言っても危険になれば、君は私の盾になるのだろうな」
「………。」
答えないリザにロイは微かに口元を緩めた。
「私が迷ってどうするんだ。
…最後までついて来い」
「何を今更。
何なら地獄までお供しますが?」
「それは頼もしい。
地獄に落ちないように気をつけなければな」
クスクスとロイは楽しそうに笑う。
「何なんだ、あれは…」
「2人にしか分からないことだろ」
「東方司令部時代を思い出しますね」
「そうだな」
懐かしそうに目を細める仲間達。
様々な出会いがあり、すべてがいいものだとは限らない。
全員を助けられるとも思ってはいない。
けれど、全員を助けたいのが理想と本音。
出会ったからには助けを求めているのならば、ロイは迷わず手を差し伸べるだろう。
出会いとは不思議なものだ。
「大総統!
マスタング大総統っ!!」
中年の男性の軍人が公園に入って来た。
「臨時の許可書をイシュヴァールの民に発行したというのは本当ですか!!?」
「騒がしいな、君は。
何事かと思えば」
「大総統っ!」
「私は夫婦に許可書を発行したまでだ。
病気で発行している時間がなかったみたいなのでな」
「そう…ですか。
分かりました」
怪しく思いつつも証拠がないので軍人は戻って行く。
「嘘つくのかよ」
「私は嘘はついていない。
彼らは“イシュヴァールの民”とは名乗っていない。
夫婦なのも子供が病気なのも事実だろう?
あそこで本当のことを言ったらどうなるか分かるか?」
「…どうなる?」
「運が悪ければ‥‥処刑され兼ねない。
私の意思に関係なく、裏で上層部は命を利用するかもしれん。
責任は私に押しつけてな。
私は上層部に邪魔者に過ぎないのだよ」
「………。」
エドは黙ってロイを見た。