第⑧話
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昔は他愛ない話をして時に笑い合い、時に言い合いをしていた。
その時間が何よりも幸せだった。
離れてみて今は側にいてくれるだけで幸せを感じる。
ずっと側に居て欲しいと強く思う。
「大総統、そろそろ戻りましょうか」
「…もう少しだけ」
「分かりました」
ロイの気が済むまで付き合おうとリザは側にいた。
「‥‥空が遠いな」
「えっ?」
空を見上げているロイが切なそうな瞳をしていた。
「昔は…、もっと近かったような気がする。
私が変わったのかもしれんな」
「大総統…」
「こんなので満足できないよ。
私は我儘かな。
外に行きたいと思うのは」
外を出歩きたくて、自由が欲しくて今の状態が窮屈でたまらなく孤独を感じる瞬間がある。
「すまない、忘れてくれ」
ロイは曖昧な笑みを浮かべる。
リザは軽くため息をつき、ロイの背中にそっと触れた。
「えっ…」
「貴方は我慢しすぎなんです。
そんなに気を遣わなくていいんですよ。
自由を束縛してまで、何が出来ますか?
行きたい場所があるなら言ってくだされば、お供します。
護衛のようなことが嫌ならヒューズさんだっているじゃないですか。
そこまで自分を抑えて我慢しなくていいんですよ。
言ったはずですよ、貴方の我儘なら叶えてあげたいと」
リザは優しい微笑みを浮かべ、ロイの背中を擦る。
「貴方を孤独になんてしませんよ。
マダムの店に行きたいならお供しますし。
会話が聞かれたくないのなら外で待機しています。
護衛が少ないと言われようと貴方を守るくらい私1人で守ってみせます!
貴方が嫌がるならほかの護衛は付けませんから」
いつだってリザは理解してくれていた。
孤独感や切ない気持ちは不思議と消え去った。
ロイは穏やかな笑みを浮かべた。
「…戻ろうか」
「はい」
「また付き合ってくれるかな」
「もちろんです。
外出したい時は仰ってください。
勤務中はダメですよ?」
思わず苦笑いを浮かべる。
「いつでも付き合いますから」
「ありがとう」
リザと共に戻って行く。
「ん? 何だ?」
「騒がしいですね」
騒がしい声にロイとリザは顔を見合わせる。
正面入り口から聞こえて来る。
「…行くつもりですか?」
「えっ、ダメ?」
「‥‥行くなら声を掛けてくださらないと困ります」
リザの言葉にロイは口元を緩めた。
「…門から出ないでくださいね」
「分かってるよ」
結局はリザはロイに甘いのだ。
聞き覚えのある声に歩みが止まる。
「‥‥喧嘩だな」
「えぇ、喧嘩ですね」
ロイとリザは止めるべきか悩んだ。
「ある意味、被害者は1人だけってのも凄いな」
「…そうですね」
「周りに被害がない場合、止めるべきなのか?」
「‥‥‥ι」
「黙るなよ」
「いえ、思わず…」
苦笑いを浮かべながら近づく。
何事かとやって来た周りの軍人達も同様だった。
「エドっ!!
あんたねぇ!
どれだけ、私もアルもばっちゃんも…
みんな、みんな、心配してたんだからね!
それを‥っ‥」
「わ、悪かった!
つい‥‥」
「つい、じゃないわよっ!
行方不明で何かあったんじゃないかって!!
大総統にも協力してもらって探していたのよ!?
絶対に許さないんだから!」
ウィンリィは早朝に列車に乗り込み、駆けつけて来たらしい。
自分の目で確かめないと安心できなかったのだろう。
エドは説教され、ウィンリィ愛用のスパナで何度も殴られていた。
「さ、さすがに止めないと可哀想かと…」
「泣きながら怒るなんて素敵ではないか。
仕方ない、助けてやるか」
(…素直じゃないんだから)
ロイの後ろからリザがついて行く。
リザはロイの後ろ姿を見てクスッと笑う。
様子を見ていた軍人達がロイに気づき、道を空けて敬礼する。
拍手が聞こえ、スパナを持ちながらウィンリィが振り向く。
「さすがだね、ロックベル嬢」
「大総統…!」
「頭の悪い鋼のも、それだけやればいいんじゃないか?」
(‥‥オイ)
不機嫌そうにエドがロイを見ていた。
「エド!
大総統にも迷惑かけたんだからね!!
分かってんの!?」
「いででっ!!」
「この度は本当にエドが迷惑をかけて、すみませんでした!!」
深々とウィンリィがロイに頭を下げる。
少女から女性に変わり始めたウィンリィは外見だけではなく、中身にも変化があった。
ロイは微かに笑みを浮かべる。
「鋼の、君には勿体ないくらいの素敵な幼馴染みじゃないか」
「こいつのどこが!
ただの暴力女…ふがっ!!」
顔面にスパナが飛んで来てエドは倒れる。
「…自業自得だな」
「‥‥ですね」
「事実だろうが!」
「そんなことだから君はモテんのだ。
ロックベル嬢、気にしなくていいぞ。
迷惑かけた分、鋼のにはたっぷりと働いてもらうから」
「どうぞ!!
こんな奴でよかったらコキ使ってください!
草むしりでも雑用でも何でも!」
エドの照れ隠しの“暴力女”発言にウィンリィは怒っていた。
「ウィンリィ!!?
やっぱり、ウィンリィだった!」
「アルっ!!
久しぶり、元気だった!!?
あっ、また背が伸びた?」
噂を聞いてアルがやって来て、お互いに笑顔で駆け寄る。
エドとウィンリィとの仲とは大違い。
「ウィンリィも元気そうだね!」
「元気元気!
意外と軍服も似合ってるじゃない!
カッコイイわよ」
「あははっ!
ありがとう」
笑顔で楽しそうに話す。
その時間が何よりも幸せだった。
離れてみて今は側にいてくれるだけで幸せを感じる。
ずっと側に居て欲しいと強く思う。
「大総統、そろそろ戻りましょうか」
「…もう少しだけ」
「分かりました」
ロイの気が済むまで付き合おうとリザは側にいた。
「‥‥空が遠いな」
「えっ?」
空を見上げているロイが切なそうな瞳をしていた。
「昔は…、もっと近かったような気がする。
私が変わったのかもしれんな」
「大総統…」
「こんなので満足できないよ。
私は我儘かな。
外に行きたいと思うのは」
外を出歩きたくて、自由が欲しくて今の状態が窮屈でたまらなく孤独を感じる瞬間がある。
「すまない、忘れてくれ」
ロイは曖昧な笑みを浮かべる。
リザは軽くため息をつき、ロイの背中にそっと触れた。
「えっ…」
「貴方は我慢しすぎなんです。
そんなに気を遣わなくていいんですよ。
自由を束縛してまで、何が出来ますか?
行きたい場所があるなら言ってくだされば、お供します。
護衛のようなことが嫌ならヒューズさんだっているじゃないですか。
そこまで自分を抑えて我慢しなくていいんですよ。
言ったはずですよ、貴方の我儘なら叶えてあげたいと」
リザは優しい微笑みを浮かべ、ロイの背中を擦る。
「貴方を孤独になんてしませんよ。
マダムの店に行きたいならお供しますし。
会話が聞かれたくないのなら外で待機しています。
護衛が少ないと言われようと貴方を守るくらい私1人で守ってみせます!
貴方が嫌がるならほかの護衛は付けませんから」
いつだってリザは理解してくれていた。
孤独感や切ない気持ちは不思議と消え去った。
ロイは穏やかな笑みを浮かべた。
「…戻ろうか」
「はい」
「また付き合ってくれるかな」
「もちろんです。
外出したい時は仰ってください。
勤務中はダメですよ?」
思わず苦笑いを浮かべる。
「いつでも付き合いますから」
「ありがとう」
リザと共に戻って行く。
「ん? 何だ?」
「騒がしいですね」
騒がしい声にロイとリザは顔を見合わせる。
正面入り口から聞こえて来る。
「…行くつもりですか?」
「えっ、ダメ?」
「‥‥行くなら声を掛けてくださらないと困ります」
リザの言葉にロイは口元を緩めた。
「…門から出ないでくださいね」
「分かってるよ」
結局はリザはロイに甘いのだ。
聞き覚えのある声に歩みが止まる。
「‥‥喧嘩だな」
「えぇ、喧嘩ですね」
ロイとリザは止めるべきか悩んだ。
「ある意味、被害者は1人だけってのも凄いな」
「…そうですね」
「周りに被害がない場合、止めるべきなのか?」
「‥‥‥ι」
「黙るなよ」
「いえ、思わず…」
苦笑いを浮かべながら近づく。
何事かとやって来た周りの軍人達も同様だった。
「エドっ!!
あんたねぇ!
どれだけ、私もアルもばっちゃんも…
みんな、みんな、心配してたんだからね!
それを‥っ‥」
「わ、悪かった!
つい‥‥」
「つい、じゃないわよっ!
行方不明で何かあったんじゃないかって!!
大総統にも協力してもらって探していたのよ!?
絶対に許さないんだから!」
ウィンリィは早朝に列車に乗り込み、駆けつけて来たらしい。
自分の目で確かめないと安心できなかったのだろう。
エドは説教され、ウィンリィ愛用のスパナで何度も殴られていた。
「さ、さすがに止めないと可哀想かと…」
「泣きながら怒るなんて素敵ではないか。
仕方ない、助けてやるか」
(…素直じゃないんだから)
ロイの後ろからリザがついて行く。
リザはロイの後ろ姿を見てクスッと笑う。
様子を見ていた軍人達がロイに気づき、道を空けて敬礼する。
拍手が聞こえ、スパナを持ちながらウィンリィが振り向く。
「さすがだね、ロックベル嬢」
「大総統…!」
「頭の悪い鋼のも、それだけやればいいんじゃないか?」
(‥‥オイ)
不機嫌そうにエドがロイを見ていた。
「エド!
大総統にも迷惑かけたんだからね!!
分かってんの!?」
「いででっ!!」
「この度は本当にエドが迷惑をかけて、すみませんでした!!」
深々とウィンリィがロイに頭を下げる。
少女から女性に変わり始めたウィンリィは外見だけではなく、中身にも変化があった。
ロイは微かに笑みを浮かべる。
「鋼の、君には勿体ないくらいの素敵な幼馴染みじゃないか」
「こいつのどこが!
ただの暴力女…ふがっ!!」
顔面にスパナが飛んで来てエドは倒れる。
「…自業自得だな」
「‥‥ですね」
「事実だろうが!」
「そんなことだから君はモテんのだ。
ロックベル嬢、気にしなくていいぞ。
迷惑かけた分、鋼のにはたっぷりと働いてもらうから」
「どうぞ!!
こんな奴でよかったらコキ使ってください!
草むしりでも雑用でも何でも!」
エドの照れ隠しの“暴力女”発言にウィンリィは怒っていた。
「ウィンリィ!!?
やっぱり、ウィンリィだった!」
「アルっ!!
久しぶり、元気だった!!?
あっ、また背が伸びた?」
噂を聞いてアルがやって来て、お互いに笑顔で駆け寄る。
エドとウィンリィとの仲とは大違い。
「ウィンリィも元気そうだね!」
「元気元気!
意外と軍服も似合ってるじゃない!
カッコイイわよ」
「あははっ!
ありがとう」
笑顔で楽しそうに話す。