第⑧話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
新たな補佐官を加えて今日も1日が始まる。
風邪で休んでいた分、いつもより厚い書類の仕事をこなす。
それでも上官から圧力や嫌味の書類がないだけ楽だ。
今更ながら、自分はどんだけ書類処理をしていたんだと嫌になった。
「…これで終わりか?」
「はい、確認して提出して来ますね」
「ほかに仕事は?」
「ありません」
「…そうか」
机の引き出しに入れておいた資料を取り出した。
「大総統、無理をなさらないでくださいね?」
「分かっているよ。
今から疲れては身が保たんからな。
軍議があるし。
どうせ、上層部からの遠回しな嫌味を言われるだけだ。
言われっぱなしにしとく訳もないが」
含み笑いを浮かべるロイにリザは苦笑いを浮かべた。
「あまり争い事はしないでくださいね。
まぁ、今の上層部に必要な人がいるとは思えませんが」
「君も言うようになったね」
「貴方が上層部にどんな目に遭っていたのか見てましたから。
許してもらえるなら風穴を開けたいくらいですが」
「…恐ろしいことを言うなよι」
ロイに対することは半端ないリザであった。
ロスは2人の様子を見ていた。
深い絆を前々から感じてはいたが、近くで見ると自分が思っていた以上だった。
言葉にするのは難しいが、その雰囲気が身近にいて感じるものがある。
(大総統との雰囲気もそうだけど‥‥
どの上官より仕事が早い!
早すぎるくらいだわ。
さすがはあの若さにして大総統の地位にいるだけはあるってことね)
自分とはあまりにも違いすぎると改めて感じた。
「――ロス」
「あ、はい!」
「…元気がいいな。
そんな大声で返事しなくていいから」
「すみません」
「いや、構わないよ」
クスクスと可笑しそうにロイは笑う。
「そんな緊張しなくていいから。
頭の固い上官でもないし。
まぁ、大総統の地位だから仕方ないか」
「は、はい…
何か用事があるのでは?」
「あぁ、この書類を軍法会議所まで届けて来てくれ」
「分かりました」
「それが終わったら、少し早いが、昼休憩にしていいよ」
「はい」
ロイから資料を受け取る。
大総統室から出て行こうとして立ち止まった。
「…大総統」
「ん?」
「お聞きしてよろしいでしょうか?」
「何だね?」
「どうして、大総統は私を含めてみんなのことを階級ではなく名前で呼んでいるのでしょうか?」
ロスの言葉にロイは一瞬驚くが、すぐに笑顔に変わる。
「全員の名前を呼んでる訳じゃないさ」
「そうなんですか!!?
あ、すみません…」
「私が名前を呼んでるのは認めた者達。
同志ってとこかな。
鋼のは例外だが」
「私は君のことも認めているんだよ、マリア・ロス」
「大総統…」
ロスは泣きそうになるのを耐えながら敬礼した。
「嬉しいお言葉をありがとうございます!!
マリア・ロス、誠心誠意あなたについていきます!
マスタング大総統!!」
「ありがとう」
「では、行って参ります!!」
敬礼して大総統室から出た。
リザはロイに近づいた。
「泣かせてどうするんですか、マスタング大総統?」
「泣かせるつもりはなかったんだが…」
「感動の涙ならいいんじゃないですか?
だって、嬉しそうでしたよ、マリアさん」
アルの言葉に微笑んだ。
「それより、軍議で何を言われると思う?
上層部の考えは私には理解不能だ」
「理解されては困ります。
そうですね、何か提案はしてくるのではないでしょうか。
貴方が大総統に就任してから少なからず、影響はあるようですから」
「少しずつ影響は確かにあるようだな。
いい提案ではないのは確かだろう。
自分達の立場をよくしたいだけだ。
…その為なら人造人間と手を組むくらいだからな」
ロイの眼が鋭くなり、リザは肩の力を抜かすように触れた。
「大丈夫です、少しずつ軍も変わりつつあります。
まだ時間をかけてゆっくりと…
焦っては意味がありません」
「‥‥そうだな」
ロイは息を吐き、少し肩の力が抜けた。
「ありがとう、助かったよ」
「言ったはずです。
何度でも言うと」
リザを見て優しく微笑む。
風邪で休んでいた分、いつもより厚い書類の仕事をこなす。
それでも上官から圧力や嫌味の書類がないだけ楽だ。
今更ながら、自分はどんだけ書類処理をしていたんだと嫌になった。
「…これで終わりか?」
「はい、確認して提出して来ますね」
「ほかに仕事は?」
「ありません」
「…そうか」
机の引き出しに入れておいた資料を取り出した。
「大総統、無理をなさらないでくださいね?」
「分かっているよ。
今から疲れては身が保たんからな。
軍議があるし。
どうせ、上層部からの遠回しな嫌味を言われるだけだ。
言われっぱなしにしとく訳もないが」
含み笑いを浮かべるロイにリザは苦笑いを浮かべた。
「あまり争い事はしないでくださいね。
まぁ、今の上層部に必要な人がいるとは思えませんが」
「君も言うようになったね」
「貴方が上層部にどんな目に遭っていたのか見てましたから。
許してもらえるなら風穴を開けたいくらいですが」
「…恐ろしいことを言うなよι」
ロイに対することは半端ないリザであった。
ロスは2人の様子を見ていた。
深い絆を前々から感じてはいたが、近くで見ると自分が思っていた以上だった。
言葉にするのは難しいが、その雰囲気が身近にいて感じるものがある。
(大総統との雰囲気もそうだけど‥‥
どの上官より仕事が早い!
早すぎるくらいだわ。
さすがはあの若さにして大総統の地位にいるだけはあるってことね)
自分とはあまりにも違いすぎると改めて感じた。
「――ロス」
「あ、はい!」
「…元気がいいな。
そんな大声で返事しなくていいから」
「すみません」
「いや、構わないよ」
クスクスと可笑しそうにロイは笑う。
「そんな緊張しなくていいから。
頭の固い上官でもないし。
まぁ、大総統の地位だから仕方ないか」
「は、はい…
何か用事があるのでは?」
「あぁ、この書類を軍法会議所まで届けて来てくれ」
「分かりました」
「それが終わったら、少し早いが、昼休憩にしていいよ」
「はい」
ロイから資料を受け取る。
大総統室から出て行こうとして立ち止まった。
「…大総統」
「ん?」
「お聞きしてよろしいでしょうか?」
「何だね?」
「どうして、大総統は私を含めてみんなのことを階級ではなく名前で呼んでいるのでしょうか?」
ロスの言葉にロイは一瞬驚くが、すぐに笑顔に変わる。
「全員の名前を呼んでる訳じゃないさ」
「そうなんですか!!?
あ、すみません…」
「私が名前を呼んでるのは認めた者達。
同志ってとこかな。
鋼のは例外だが」
「私は君のことも認めているんだよ、マリア・ロス」
「大総統…」
ロスは泣きそうになるのを耐えながら敬礼した。
「嬉しいお言葉をありがとうございます!!
マリア・ロス、誠心誠意あなたについていきます!
マスタング大総統!!」
「ありがとう」
「では、行って参ります!!」
敬礼して大総統室から出た。
リザはロイに近づいた。
「泣かせてどうするんですか、マスタング大総統?」
「泣かせるつもりはなかったんだが…」
「感動の涙ならいいんじゃないですか?
だって、嬉しそうでしたよ、マリアさん」
アルの言葉に微笑んだ。
「それより、軍議で何を言われると思う?
上層部の考えは私には理解不能だ」
「理解されては困ります。
そうですね、何か提案はしてくるのではないでしょうか。
貴方が大総統に就任してから少なからず、影響はあるようですから」
「少しずつ影響は確かにあるようだな。
いい提案ではないのは確かだろう。
自分達の立場をよくしたいだけだ。
…その為なら人造人間と手を組むくらいだからな」
ロイの眼が鋭くなり、リザは肩の力を抜かすように触れた。
「大丈夫です、少しずつ軍も変わりつつあります。
まだ時間をかけてゆっくりと…
焦っては意味がありません」
「‥‥そうだな」
ロイは息を吐き、少し肩の力が抜けた。
「ありがとう、助かったよ」
「言ったはずです。
何度でも言うと」
リザを見て優しく微笑む。