第⑧話
夢小説設定
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ウトウトとして寝れそうな時にドアを開ける小さな音で目が覚めた。
うっすらと目を開けて見る。
「あ、すみません…
起こしてしまいましたか?」
「…リザ?」
「‥‥はい」
ロイの掠れた声にドキッとしたが、無意識なのだから平然を装った。
「熱、どうですか?
また高くなっていますね」
「…手が冷たいな」
「大総統が熱あるので熱いんですよ」
呆れたようにリザがため息をつく。
「…大総統って呼び方は嫌だな」
「えっ?」
「家でも大総統では落ち着かない」
「………。」
戸惑ったようにリザは黙った。
ふとヒューズに言われた言葉を思い出す。
“名前で呼んだら、あいつは喜ぶと思うけどな”
楽しそうな笑顔で話すヒューズが脳裏に浮かんだ。
「‥‥ロイさん」
「え゛っ!!?」
リザに名前で呼ばれるとは思っていなかったのだろう。
ロイは驚いてリザを見た。
リザが照れたように俯いて頬を赤らめていた。
おずおずと顔を上げると嬉しそうに笑っているロイの姿があった。
「あ‥‥」
こんな些細なことで喜んでくれるとは思っていなかった。
ヒューズの言っていたことは間違っていなかったと改めて実感する。
「…君に名前で呼ばれるとは思ってなかったよ」
「あ、いえ‥‥」
「分かってる、ヒューズに何か言われたのだろう?」
「ど、どうして…」
「君が何もなく、私の名前を呼ぶはずがない。
どんな理由にしても私は嬉しかったが。
またあいつは君に何を言ったのやら」
「‥‥っ‥」
リザが頬を赤らめて俯く。
(まぁ、君の表情で何となく分かるけど。
こんなにも可愛らしいリザは久々だ。
役得ということで、ヒューズには感謝しなくてはな)
微かにロイは口元を緩めた。
「‥‥ロイさん?」
リザが顔を覗くとロイは静かな寝息をたてて安心しきった寝顔で眠っていた。
「リ、ザ‥‥」
「えっ…」
寝言だろうか、名前を呼ばれてリザはドキッとした。
胸の高鳴りを感じつつ、リザは無防備なロイの寝顔を見つめる。
信頼してくれているのが何よりもリザは嬉しかった。
「早くよくなってくださいね。
‥‥ロイさん」
囁くように言うと優しくロイの髪にそっと触れた。
(変なの、名前なんて昔だって呼ばれていたはずなのに。
本当は“マスタングさん”でもよかったんだけど。
なんか、アルフォンスくんと同じみたいで。
少し…嫌だった)
ドキドキと胸の高鳴りは増すばかり。
「ん…っ」
いつの間にか寝てしまっていたようで、リザはうっすらと目を開ける。
失態に気づき、勢いよく起き上がる。
肩に毛布が掛けられていて、きっと起きたロイが掛けてくれたのだろうと思った。
リザが失態と思ってもプライベートなんだからと失態にロイは思わないだろう。
仕事中に誰が居眠りしててもロイの場合は起こしはしても怒りはしなかった。
リザが珍しく居眠りしている場合は緊急を要する以外は起こさずに寝かせていたらしいが。
だからこそ、部下達もロイが居眠りしていても緊急以外は起こさずに寝かせて静かに仕事をこなしていた。
リザはロイがベットから消えていることに気づく。
シーツに触れると冷たく、時間が経っていることを示していた。
寝室から出てロイの姿を探す。
薄暗い中、光が漏れていた。
(水音…?)
近づくにつれて気づき、リザは早足で駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「ゲホッ…ゲホッ…
ゴホ…っ」
洗面所で苦しそうに肩で息をしながら、顔色が悪くなっているロイは鏡越しのリザを見た。
「ハァ…何とか、な。
すまない、起こしたか?」
「あ、いえ、いつの間にか寝ていたようで。
気にしないでいいので」
気遣うように声を掛け、嘔吐しているロイの背中を優しく擦っていた。
「ははっ、格好悪いな」
「何を言っているんですか。
私の前でも格好つけなくていいんです。
ありのままの貴方でいてください。
どんな姿を見たって、私は嫌ったりしませんから。
嫌うなんて出来る訳ないじゃないですか」
「‥‥リザ」
「はい、側にいますから」
ロイは微かに笑みを浮かべた。
うっすらと目を開けて見る。
「あ、すみません…
起こしてしまいましたか?」
「…リザ?」
「‥‥はい」
ロイの掠れた声にドキッとしたが、無意識なのだから平然を装った。
「熱、どうですか?
また高くなっていますね」
「…手が冷たいな」
「大総統が熱あるので熱いんですよ」
呆れたようにリザがため息をつく。
「…大総統って呼び方は嫌だな」
「えっ?」
「家でも大総統では落ち着かない」
「………。」
戸惑ったようにリザは黙った。
ふとヒューズに言われた言葉を思い出す。
“名前で呼んだら、あいつは喜ぶと思うけどな”
楽しそうな笑顔で話すヒューズが脳裏に浮かんだ。
「‥‥ロイさん」
「え゛っ!!?」
リザに名前で呼ばれるとは思っていなかったのだろう。
ロイは驚いてリザを見た。
リザが照れたように俯いて頬を赤らめていた。
おずおずと顔を上げると嬉しそうに笑っているロイの姿があった。
「あ‥‥」
こんな些細なことで喜んでくれるとは思っていなかった。
ヒューズの言っていたことは間違っていなかったと改めて実感する。
「…君に名前で呼ばれるとは思ってなかったよ」
「あ、いえ‥‥」
「分かってる、ヒューズに何か言われたのだろう?」
「ど、どうして…」
「君が何もなく、私の名前を呼ぶはずがない。
どんな理由にしても私は嬉しかったが。
またあいつは君に何を言ったのやら」
「‥‥っ‥」
リザが頬を赤らめて俯く。
(まぁ、君の表情で何となく分かるけど。
こんなにも可愛らしいリザは久々だ。
役得ということで、ヒューズには感謝しなくてはな)
微かにロイは口元を緩めた。
「‥‥ロイさん?」
リザが顔を覗くとロイは静かな寝息をたてて安心しきった寝顔で眠っていた。
「リ、ザ‥‥」
「えっ…」
寝言だろうか、名前を呼ばれてリザはドキッとした。
胸の高鳴りを感じつつ、リザは無防備なロイの寝顔を見つめる。
信頼してくれているのが何よりもリザは嬉しかった。
「早くよくなってくださいね。
‥‥ロイさん」
囁くように言うと優しくロイの髪にそっと触れた。
(変なの、名前なんて昔だって呼ばれていたはずなのに。
本当は“マスタングさん”でもよかったんだけど。
なんか、アルフォンスくんと同じみたいで。
少し…嫌だった)
ドキドキと胸の高鳴りは増すばかり。
「ん…っ」
いつの間にか寝てしまっていたようで、リザはうっすらと目を開ける。
失態に気づき、勢いよく起き上がる。
肩に毛布が掛けられていて、きっと起きたロイが掛けてくれたのだろうと思った。
リザが失態と思ってもプライベートなんだからと失態にロイは思わないだろう。
仕事中に誰が居眠りしててもロイの場合は起こしはしても怒りはしなかった。
リザが珍しく居眠りしている場合は緊急を要する以外は起こさずに寝かせていたらしいが。
だからこそ、部下達もロイが居眠りしていても緊急以外は起こさずに寝かせて静かに仕事をこなしていた。
リザはロイがベットから消えていることに気づく。
シーツに触れると冷たく、時間が経っていることを示していた。
寝室から出てロイの姿を探す。
薄暗い中、光が漏れていた。
(水音…?)
近づくにつれて気づき、リザは早足で駆け寄った。
「大丈夫ですか?」
「ゲホッ…ゲホッ…
ゴホ…っ」
洗面所で苦しそうに肩で息をしながら、顔色が悪くなっているロイは鏡越しのリザを見た。
「ハァ…何とか、な。
すまない、起こしたか?」
「あ、いえ、いつの間にか寝ていたようで。
気にしないでいいので」
気遣うように声を掛け、嘔吐しているロイの背中を優しく擦っていた。
「ははっ、格好悪いな」
「何を言っているんですか。
私の前でも格好つけなくていいんです。
ありのままの貴方でいてください。
どんな姿を見たって、私は嫌ったりしませんから。
嫌うなんて出来る訳ないじゃないですか」
「‥‥リザ」
「はい、側にいますから」
ロイは微かに笑みを浮かべた。