第⑦話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
薬が効いていたのか、久々によく寝た。
微かな物音で目を覚ました時には外は薄暗い。
(結構な時間、寝ていたようだな。
熱は自分では分からんが、頭は軽くなった。
頭痛も直ったし。
あれだけ酷い頭痛は久々だったな)
息を吐き、ロイは起き上がる。
「マスタングさん、起きていたんですね。
気分はどうですか?
顔色はいいみたいですけど…」
「アル、帰っていたのか。
お帰り」
「さっき帰って来たばかりです。
ただいま帰りましたっ!
それで、気分は…」
「大分よくなったよ。
頭痛もしなくなったし」
「それならよかったです」
リザがいないことに気づき、ロイは少し寂しく思った。
「リザさんは夕食を作ってくれてますよ」
「そうなのか?」
「はい。
あっ、汗かいてますね。
すみません、気づかなくて…
着替え出しますね」
「あぁ、すまない」
アルがクローゼットから着替えを取り出す。
タオルで汗を拭いてもらい、着替えた。
「すまないな」
「気にしないでください。
洗濯機に入れて来ますから」
「…あぁ」
脱いだ服を抱えてアルが寝室から出て行った。
「ホークアイ、何を作ってるんだ?」
「あ、起きました?
今はスープを…」
(珍しい髪型だな)
リザは後ろに結っているだけでロイはそれを見て口元を緩めた。
「うまそうだな」
「あなたよりは下手ですよ」
「…そうか?」
「なんか悔しいんですけど、あなたの方が美味しいんですよ。
手先が器用な分、上手なんです」
「それは関係あるのか?」
「ありますよ、多分…」
「多分って…」
「それより、起きててもいいですけど温かい格好で居てくださいね」
「分かってるよ」
そう言われるだろうと思っていたのでロイは着ていた。
「まだ熱あるかな。
自分では分からないんだが…」
「どうでしょうね。
ちょっと失礼します」
リザはロイに額を当て、熱を確認する。
「まだ少しありますね。
微熱かと思いますが…
でも、下がってよかったです。
夜に熱が上がらないといいんですけど」
目の前にあるリザの唇にロイはどうしても視線が向かってしまう。
リザに座っているように言われ、おとなしくソファで座って待っている。
(…キスしそうになるって私は何歳だよ。
キスをしたら怒っただろうな。
私を信頼してるからあんな行動するんだろうし。
意外と天然だよな、リザって‥‥)
耐えてよかったとロイは安堵する。
(まぁ、昔から天然なんだけど。
…結婚したらこんな風な光景が毎日見れる訳か。
おいおい、何を考えているんだ。
ダメだ…熱で思考が可笑しくなってるな)
ロイの考えも分からなくもない。
「…まるで家族みたいだな」
アルとリザの後ろ姿を見て呟く。
こんな光景を幼い頃は夢に見ていた。
「いつか、叶うかな。
叶うといいな…」
微かに口元が緩み、少しだけ幸せな気分を味わっていた。
「マスタングさん、料理できましたよ。
リザさんの手料理、美味しそうです!」
「そんな大袈裟よ」
「では、頂こうか」
呼びに来たアルの頭をなで、ロイはふわりと微笑む。
(やっぱり、お父さんみたい。
そう思うのは失礼かな)
俯き加減でアルが嬉しそうに笑っていた。
3人での食事は何だか不思議な感覚。
それはロイだけではないだろう。
「どう、ですか?」
「うまいよ。
…懐かしいな」
「えっ?」
「こうして君の手料理を食べたのは何年ぶりだろうな」
微かにリザが笑みを浮かべた。
「こういう料理を食うと酒が飲みたくなるな」
「風邪をひいてなければ飲めましたね」
「いや、飲まないよ。
軍議があるし。
嫌味を言われるのがオチだ」
ロイは苦笑いを浮かべた。
「アル、食ってるか?」
「はい」
「沢山あるからね」
「あ、はい」
「どうした?」
「あっ、いえ…
家族みたいだなぁって」
「ぶっ!
ゴホッ…ゴホッ…」
「だ、大丈夫ですか?」
「すまん、さすがに驚いたよ」
「…そうですね」
アルのストレートすぎる天然に吹き出しそうになり、ロイは咳き込む。
ロイとリザもそれは感じながらも口にはしていなかっただけに照れてしまう。
「マスタングさんもリザさんも素敵なご両親になりそうですね」
「「………。」」
にっこりと笑って言うアルにロイとリザは返す言葉を失う。
側にあるぬくもりに安心した…。
愛情のこもった手料理は心も暖めてくれた‥‥。
-END-
微かな物音で目を覚ました時には外は薄暗い。
(結構な時間、寝ていたようだな。
熱は自分では分からんが、頭は軽くなった。
頭痛も直ったし。
あれだけ酷い頭痛は久々だったな)
息を吐き、ロイは起き上がる。
「マスタングさん、起きていたんですね。
気分はどうですか?
顔色はいいみたいですけど…」
「アル、帰っていたのか。
お帰り」
「さっき帰って来たばかりです。
ただいま帰りましたっ!
それで、気分は…」
「大分よくなったよ。
頭痛もしなくなったし」
「それならよかったです」
リザがいないことに気づき、ロイは少し寂しく思った。
「リザさんは夕食を作ってくれてますよ」
「そうなのか?」
「はい。
あっ、汗かいてますね。
すみません、気づかなくて…
着替え出しますね」
「あぁ、すまない」
アルがクローゼットから着替えを取り出す。
タオルで汗を拭いてもらい、着替えた。
「すまないな」
「気にしないでください。
洗濯機に入れて来ますから」
「…あぁ」
脱いだ服を抱えてアルが寝室から出て行った。
「ホークアイ、何を作ってるんだ?」
「あ、起きました?
今はスープを…」
(珍しい髪型だな)
リザは後ろに結っているだけでロイはそれを見て口元を緩めた。
「うまそうだな」
「あなたよりは下手ですよ」
「…そうか?」
「なんか悔しいんですけど、あなたの方が美味しいんですよ。
手先が器用な分、上手なんです」
「それは関係あるのか?」
「ありますよ、多分…」
「多分って…」
「それより、起きててもいいですけど温かい格好で居てくださいね」
「分かってるよ」
そう言われるだろうと思っていたのでロイは着ていた。
「まだ熱あるかな。
自分では分からないんだが…」
「どうでしょうね。
ちょっと失礼します」
リザはロイに額を当て、熱を確認する。
「まだ少しありますね。
微熱かと思いますが…
でも、下がってよかったです。
夜に熱が上がらないといいんですけど」
目の前にあるリザの唇にロイはどうしても視線が向かってしまう。
リザに座っているように言われ、おとなしくソファで座って待っている。
(…キスしそうになるって私は何歳だよ。
キスをしたら怒っただろうな。
私を信頼してるからあんな行動するんだろうし。
意外と天然だよな、リザって‥‥)
耐えてよかったとロイは安堵する。
(まぁ、昔から天然なんだけど。
…結婚したらこんな風な光景が毎日見れる訳か。
おいおい、何を考えているんだ。
ダメだ…熱で思考が可笑しくなってるな)
ロイの考えも分からなくもない。
「…まるで家族みたいだな」
アルとリザの後ろ姿を見て呟く。
こんな光景を幼い頃は夢に見ていた。
「いつか、叶うかな。
叶うといいな…」
微かに口元が緩み、少しだけ幸せな気分を味わっていた。
「マスタングさん、料理できましたよ。
リザさんの手料理、美味しそうです!」
「そんな大袈裟よ」
「では、頂こうか」
呼びに来たアルの頭をなで、ロイはふわりと微笑む。
(やっぱり、お父さんみたい。
そう思うのは失礼かな)
俯き加減でアルが嬉しそうに笑っていた。
3人での食事は何だか不思議な感覚。
それはロイだけではないだろう。
「どう、ですか?」
「うまいよ。
…懐かしいな」
「えっ?」
「こうして君の手料理を食べたのは何年ぶりだろうな」
微かにリザが笑みを浮かべた。
「こういう料理を食うと酒が飲みたくなるな」
「風邪をひいてなければ飲めましたね」
「いや、飲まないよ。
軍議があるし。
嫌味を言われるのがオチだ」
ロイは苦笑いを浮かべた。
「アル、食ってるか?」
「はい」
「沢山あるからね」
「あ、はい」
「どうした?」
「あっ、いえ…
家族みたいだなぁって」
「ぶっ!
ゴホッ…ゴホッ…」
「だ、大丈夫ですか?」
「すまん、さすがに驚いたよ」
「…そうですね」
アルのストレートすぎる天然に吹き出しそうになり、ロイは咳き込む。
ロイとリザもそれは感じながらも口にはしていなかっただけに照れてしまう。
「マスタングさんもリザさんも素敵なご両親になりそうですね」
「「………。」」
にっこりと笑って言うアルにロイとリザは返す言葉を失う。
側にあるぬくもりに安心した…。
愛情のこもった手料理は心も暖めてくれた‥‥。
-END-