第⑦話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大総統室でこんな風にのんびり出来るのもロイが大総統だからだろう。
ロイには人を寄せ付ける不思議な雰囲気があり、それも魅力のひとつなのだろう。
根が優しいというのも理由なのだろう。
それでも素顔や本心を見せるのは限られた人物にだけ。
「さてと、俺等はそろそろ行くか」
「そうだな。
上官に文句を言われそうだし。
大佐みたいな上官は、やっぱりなかなかいませんね。
貴方が上官でよかったと今なら心から思えますよ、大総統」
「ほかの上官なら許してくれないことも笑って許してくれたし。
ほかの上官が教えてくれないことも学ばせてくれたっスから。
劣らなくても少しでもあんたに近づける上官になってみせます」
「…ありがとう」
ブレダとハボックの言葉にロイは優しく微笑んだ。
ロイの側でリザも微かに笑みを浮かべていた。
「また飲みに来ますよ」
「来んでいい」
「あははっ!」
「それじゃ、また」
「…あぁ」
出て行った閉まった扉を見てロイが苦笑いを浮かべた。
ハボックがポツリと呟く。
「あの2人の間に入る余地はないな」
「おまえ‥‥中尉を狙ってたのか?」
「ま、まさか!ι
あの人との関係というか、信頼度に絆を見せられて狙う奴はいないだろ」
「確かにな…」
それなのに何故、付き合わないんだと口には出さずとも疑問を感じるハボックとブレダだった。
「あっ、やっと見つかりました」
「なんだ?」
「大佐が探しておりましたよ」
「あ、やべっ…
忘れてた!!」
「‥‥大佐と言われるとあの人が脳裏に浮かぶのは俺だけか?」
「いえ、それは私もですよ」
「僕もです」
「右に同じく」
「…だよな」
顔を見合わせ、思わず苦笑いした。
「さてと、やりますか」
「そうだな」
「大総統の評判を下げない為にも頑張らないとな」
上官だった頃の部下ということで自分達の行動でロイの評判が落ちないとも限らない。
大総統室の扉が開いた。
「遅くなって申し訳ございません!!」
「アル、お帰り。
髪乱れてる…」
敬礼して入って来たアルを見てロイはクスクスと笑う。
ロイが立ち上がり、アルの髪に触れた。
「あ、すっ、すみません…///」
「いや‥‥珍しいな。
どうした?」
「街中で囲まれて質問攻めに…」
「質問攻め?」
「大総統のことで」
「一緒に住んでるから尚更なんですね。
私もたまにされますから」
「そうなのか!!?
初耳だぞ!!?」
「言うタイミングがなかったもので…
特に問題ないからいいかと‥‥」
「問題が起きてから言われても困るぞ?」
「大総統の補佐官になってから、それは予想ついてましたから」
「まぁ、それはそうかもしれんが…
それでも、言って欲しかった」
「すみません…」
不満そうなロイを見てリザは素直に謝る。
「隠していた訳ではありません。
今度からはなるべく言いますから」
「…分かってる。
あぁ、そうしてくれると助かる」
「はい」
ロイはリザの頬に触れた。
ドキッとしながらもそれを隠し、平常心を装ってリザはロイを見つめた。
「…大総統?」
「私の補佐官をしているせいで、君に何かあったとしたら私は私が許せない。
頼むから迷惑だと思わずにちゃんと話してくれ。
自分1人で身を守ろうとせずに、何かある前に教えて。
きちんと自分の身も守って。
…頼むから」
「はい、大総統」
「これは大総統としてというよりは‥‥」
「分かってますよ、マスタングさん」
「ん、ありがとう」
苦笑いしてロイはリザの頬から手を放す。
「アル、怪我なかったか?」
「大丈夫です。
転んだくらいですから」
「それならよかったよ」
「…マスタングさん。
兄さんが帰って来ても僕はマスタングさんがいいです」
「ん?」
「貴方は兄さんの代わりだと言うけれど。
きちんと鍛えてくださるし…」
「あぁ、そういうことか。
分かっているから」
俯き加減のアルの頭を優しくなでた。
天候が悪い時以外はロイにアルは相手をしてもらって体力作りも兼ねて鍛えてもらっていて、そのおかげで少しずつ筋肉もついて来た。
ロイには人を寄せ付ける不思議な雰囲気があり、それも魅力のひとつなのだろう。
根が優しいというのも理由なのだろう。
それでも素顔や本心を見せるのは限られた人物にだけ。
「さてと、俺等はそろそろ行くか」
「そうだな。
上官に文句を言われそうだし。
大佐みたいな上官は、やっぱりなかなかいませんね。
貴方が上官でよかったと今なら心から思えますよ、大総統」
「ほかの上官なら許してくれないことも笑って許してくれたし。
ほかの上官が教えてくれないことも学ばせてくれたっスから。
劣らなくても少しでもあんたに近づける上官になってみせます」
「…ありがとう」
ブレダとハボックの言葉にロイは優しく微笑んだ。
ロイの側でリザも微かに笑みを浮かべていた。
「また飲みに来ますよ」
「来んでいい」
「あははっ!」
「それじゃ、また」
「…あぁ」
出て行った閉まった扉を見てロイが苦笑いを浮かべた。
ハボックがポツリと呟く。
「あの2人の間に入る余地はないな」
「おまえ‥‥中尉を狙ってたのか?」
「ま、まさか!ι
あの人との関係というか、信頼度に絆を見せられて狙う奴はいないだろ」
「確かにな…」
それなのに何故、付き合わないんだと口には出さずとも疑問を感じるハボックとブレダだった。
「あっ、やっと見つかりました」
「なんだ?」
「大佐が探しておりましたよ」
「あ、やべっ…
忘れてた!!」
「‥‥大佐と言われるとあの人が脳裏に浮かぶのは俺だけか?」
「いえ、それは私もですよ」
「僕もです」
「右に同じく」
「…だよな」
顔を見合わせ、思わず苦笑いした。
「さてと、やりますか」
「そうだな」
「大総統の評判を下げない為にも頑張らないとな」
上官だった頃の部下ということで自分達の行動でロイの評判が落ちないとも限らない。
大総統室の扉が開いた。
「遅くなって申し訳ございません!!」
「アル、お帰り。
髪乱れてる…」
敬礼して入って来たアルを見てロイはクスクスと笑う。
ロイが立ち上がり、アルの髪に触れた。
「あ、すっ、すみません…///」
「いや‥‥珍しいな。
どうした?」
「街中で囲まれて質問攻めに…」
「質問攻め?」
「大総統のことで」
「一緒に住んでるから尚更なんですね。
私もたまにされますから」
「そうなのか!!?
初耳だぞ!!?」
「言うタイミングがなかったもので…
特に問題ないからいいかと‥‥」
「問題が起きてから言われても困るぞ?」
「大総統の補佐官になってから、それは予想ついてましたから」
「まぁ、それはそうかもしれんが…
それでも、言って欲しかった」
「すみません…」
不満そうなロイを見てリザは素直に謝る。
「隠していた訳ではありません。
今度からはなるべく言いますから」
「…分かってる。
あぁ、そうしてくれると助かる」
「はい」
ロイはリザの頬に触れた。
ドキッとしながらもそれを隠し、平常心を装ってリザはロイを見つめた。
「…大総統?」
「私の補佐官をしているせいで、君に何かあったとしたら私は私が許せない。
頼むから迷惑だと思わずにちゃんと話してくれ。
自分1人で身を守ろうとせずに、何かある前に教えて。
きちんと自分の身も守って。
…頼むから」
「はい、大総統」
「これは大総統としてというよりは‥‥」
「分かってますよ、マスタングさん」
「ん、ありがとう」
苦笑いしてロイはリザの頬から手を放す。
「アル、怪我なかったか?」
「大丈夫です。
転んだくらいですから」
「それならよかったよ」
「…マスタングさん。
兄さんが帰って来ても僕はマスタングさんがいいです」
「ん?」
「貴方は兄さんの代わりだと言うけれど。
きちんと鍛えてくださるし…」
「あぁ、そういうことか。
分かっているから」
俯き加減のアルの頭を優しくなでた。
天候が悪い時以外はロイにアルは相手をしてもらって体力作りも兼ねて鍛えてもらっていて、そのおかげで少しずつ筋肉もついて来た。