第⑦話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
握っていた万年筆を置き、ズキズキと痛む頭を軽く押さえた。
誤魔化すように温くなったコーヒーを流し込んだ。
「大総統、大丈夫ですか?」
「…心配ない」
「ちょっと失礼します」
リザはロイの前髪を避けて額に触れた。
「少し熱っぽいですね。
医務室に行きましょう」
「いや、大丈夫だ。
少し頭痛がするだけだから」
「無理をして体調崩しては意味がありませんよ?」
顔を覗き込むようにリザはロイを見つめ、優しく手を握る。
「すべてを完璧に行おうとしないでください。
もっと、私に…
私達に甘えてください」
「…甘えすぎなくらい甘えてるさ」
「嘘をつかないでください。
些細なことも逃さないように敏感になりすぎてます。
全部、自分1人で背負おうとしないでくださいと言ったはずですよ?」
リザはロイを抱き締めた。
「私達は貴方を支える為にいるんです。
もっと頼って、甘えてください」
「…すまない」
「今更、遠慮なんて不要ですよ」
「そうっスよ」
苦笑いを浮かべ、ロイが見つめる。
気にしていないと口では言っていても、比べられて最年少という期待も大きい。
気持ちばかりが焦り、身体と心のバランスが崩れる。
上層部からの遠回しの嫌味、陰口や噂、様々なことがロイの心に押し寄せてストレスも溜まる。
「ありがとう。
ダメだと分かっているのに焦らずにはいられないんだ」
「ダメですよ、焦っては」
「…分かってはいるんだけどな」
「貴方なら大丈夫です。
ゆっくりでいいんですから。
焦ってしまうなら、私は何度でも言います。
私が焦らないようにスピードを緩めて差し上げますよ」
「ははっ、それは頼もしいな」
ロイは笑みを浮かべ、リザの手を握り締めた。
「もう、大丈夫だ」
「少し休まれてはいかがですか?」
「もう平気だよ」
「…あまり無理をしないでくださいね」
「ありがとう」
すっかり温くなってしまったコーヒーを口にした。
「あ、すみません」
「…何が?」
「抱きついたりして…
申し訳ございません。
コーヒー、淹れ直して来ます」
「別に構わないが…」
今更ながら真っ赤になったリザはロイからカップを奪って去って行く。
ロイは苦笑いを浮かべた。
「随分と今更だな」
「…ですね」
「まぁ、らしいと言えばらしいんっスけどねぇ」
思わず、ブレダとハボックも苦笑いする。
「貴方が大佐だった頃と変わりませんね」
「…そうかもな。
まぁ、今はそれでいいのだろう」
たまに来ては無駄話をするのもロイには懐かしく、また嬉しくもあった。
「失礼します。
大総統、どうぞ。
熱いので気をつけてくださいね」
「ありがとう」
リザからカップを受け取る。
「君の淹れるコーヒーがやはり、一番うまいな」
「…ありがとうございます。
それは先程も聞きました」
ロイはリザを見て含み笑いを浮かべる。
(中尉、やっぱり…
天然だなι)
(一種の口説き文句なんだろうけど)
天然なリザに苦笑いする。
「あれ、俺等が飲んでるコーヒーと香りが違う気が…」
「ん? あぁ、コーヒー豆が違うからな」
「はっ?」
「…どういうことですか?」
「私の持ち込みだ。
軍のコーヒーは不味いからな」
「「‥‥‥ι」」
ハボックとブレダは当たり前のように言うロイを見て黙り込んだ。
こんなことをするのはロイくらいだろう。
「…そんなことしていいんですか?」
「大総統だからいいんじゃないか?」
「それはそうかもしれないけど…」
「中佐の頃からだぞ。
インスタントコーヒーなんて不味くて飲めるか」
「今までどんなコーヒー飲んでたんですか。
確かに不味いですけどι」
「中佐からって…
よくバレなかったですね」
「バレないように隠してたし、ホークアイしか知らなかったからな」
「俺等が淹れたコーヒーを不味いというのはそれに理由があったのでは…」
「そうかもな」
「いや、インスタントでもホークアイが淹れれば飲める」
((…それは違う意味があるようなι))
ロイの言葉にため息をつく。
「だったら、軍のコーヒーも変えてくださいよ~」
「嫌だ」
「何なんっスか、それは!!ι」
「うまいのにしたらなくなるのも早いし、金がかかるだろう?」
「自分だけズルイじゃないですか」
「仕方ないなぁ…
ホークアイ、こいつらの分も淹れてやれ」
「はい」
リザは苦笑いして出て行く。
誤魔化すように温くなったコーヒーを流し込んだ。
「大総統、大丈夫ですか?」
「…心配ない」
「ちょっと失礼します」
リザはロイの前髪を避けて額に触れた。
「少し熱っぽいですね。
医務室に行きましょう」
「いや、大丈夫だ。
少し頭痛がするだけだから」
「無理をして体調崩しては意味がありませんよ?」
顔を覗き込むようにリザはロイを見つめ、優しく手を握る。
「すべてを完璧に行おうとしないでください。
もっと、私に…
私達に甘えてください」
「…甘えすぎなくらい甘えてるさ」
「嘘をつかないでください。
些細なことも逃さないように敏感になりすぎてます。
全部、自分1人で背負おうとしないでくださいと言ったはずですよ?」
リザはロイを抱き締めた。
「私達は貴方を支える為にいるんです。
もっと頼って、甘えてください」
「…すまない」
「今更、遠慮なんて不要ですよ」
「そうっスよ」
苦笑いを浮かべ、ロイが見つめる。
気にしていないと口では言っていても、比べられて最年少という期待も大きい。
気持ちばかりが焦り、身体と心のバランスが崩れる。
上層部からの遠回しの嫌味、陰口や噂、様々なことがロイの心に押し寄せてストレスも溜まる。
「ありがとう。
ダメだと分かっているのに焦らずにはいられないんだ」
「ダメですよ、焦っては」
「…分かってはいるんだけどな」
「貴方なら大丈夫です。
ゆっくりでいいんですから。
焦ってしまうなら、私は何度でも言います。
私が焦らないようにスピードを緩めて差し上げますよ」
「ははっ、それは頼もしいな」
ロイは笑みを浮かべ、リザの手を握り締めた。
「もう、大丈夫だ」
「少し休まれてはいかがですか?」
「もう平気だよ」
「…あまり無理をしないでくださいね」
「ありがとう」
すっかり温くなってしまったコーヒーを口にした。
「あ、すみません」
「…何が?」
「抱きついたりして…
申し訳ございません。
コーヒー、淹れ直して来ます」
「別に構わないが…」
今更ながら真っ赤になったリザはロイからカップを奪って去って行く。
ロイは苦笑いを浮かべた。
「随分と今更だな」
「…ですね」
「まぁ、らしいと言えばらしいんっスけどねぇ」
思わず、ブレダとハボックも苦笑いする。
「貴方が大佐だった頃と変わりませんね」
「…そうかもな。
まぁ、今はそれでいいのだろう」
たまに来ては無駄話をするのもロイには懐かしく、また嬉しくもあった。
「失礼します。
大総統、どうぞ。
熱いので気をつけてくださいね」
「ありがとう」
リザからカップを受け取る。
「君の淹れるコーヒーがやはり、一番うまいな」
「…ありがとうございます。
それは先程も聞きました」
ロイはリザを見て含み笑いを浮かべる。
(中尉、やっぱり…
天然だなι)
(一種の口説き文句なんだろうけど)
天然なリザに苦笑いする。
「あれ、俺等が飲んでるコーヒーと香りが違う気が…」
「ん? あぁ、コーヒー豆が違うからな」
「はっ?」
「…どういうことですか?」
「私の持ち込みだ。
軍のコーヒーは不味いからな」
「「‥‥‥ι」」
ハボックとブレダは当たり前のように言うロイを見て黙り込んだ。
こんなことをするのはロイくらいだろう。
「…そんなことしていいんですか?」
「大総統だからいいんじゃないか?」
「それはそうかもしれないけど…」
「中佐の頃からだぞ。
インスタントコーヒーなんて不味くて飲めるか」
「今までどんなコーヒー飲んでたんですか。
確かに不味いですけどι」
「中佐からって…
よくバレなかったですね」
「バレないように隠してたし、ホークアイしか知らなかったからな」
「俺等が淹れたコーヒーを不味いというのはそれに理由があったのでは…」
「そうかもな」
「いや、インスタントでもホークアイが淹れれば飲める」
((…それは違う意味があるようなι))
ロイの言葉にため息をつく。
「だったら、軍のコーヒーも変えてくださいよ~」
「嫌だ」
「何なんっスか、それは!!ι」
「うまいのにしたらなくなるのも早いし、金がかかるだろう?」
「自分だけズルイじゃないですか」
「仕方ないなぁ…
ホークアイ、こいつらの分も淹れてやれ」
「はい」
リザは苦笑いして出て行く。