第⑦話
夢小説設定
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リザはロイにカップを手渡す。
「ありがとう。
君の淹れてくれるコーヒーはいつもうまいね」
「…あなたのお気に入りのコーヒー豆ですから」
「そういうことじゃないんだけどな」
ロイが苦笑いを浮かべる。
「では、どういう意味なんですか?」
「いや‥‥君らしくていいよ」
不思議そうにリザは首を傾げる。
「気にしなくていい。
たいした話じゃないから」
「…そうですか」
リザを見てロイは微かに口元を緩める。
リザの鈍感すぎる天然な性格もロイには愛しく感じる。
「あぁ、そうだ。
アル、頼みたいことがあるんだ」
「はい」
「買い物に行って来てくれないか?」
「分かりました」
「ほかの者に代わりに頼んでもいいから」
「いえ、僕が行きますよ」
「これを買って来てくれ」
「あ、はい。
家に置いてくればいいんですか?」
「いや、買い物したらここに戻って来てくれ。
それは使うから」
「分かりました」
意味が分からないまま、アルはロイから受け取ると買い物に向かう。
「じゃあ、頼むよ。
気をつけて」
「アルフォンスくん、気をつけてね」
「はい」
ロイとリザの言葉にアルは苦笑いする。
まるで2人の子供になったような感覚。
ロイはリザを見つめる。
「…何ですか?」
「いや‥‥懐かしいと思ってな」
「えっ?」
「こんな風に2人きりになるのは。
東方司令部に勤務していた頃が懐かしいよ。
君にさぼってはよく怒られていたな」
「…そうですね」
大佐の執務室で2人きりで仕事させられていた日常。
文句を言いながらもリザは残業までも付き合ってくれていた。
「東方司令部の頃と違って近くにハボック達がいないけれど。
まぁ、中央司令部勤務だから会おうと思えば会えるけどね。
代わりと言う訳ではないけど、アルが側にいる。
何だか不思議だな」
「そうですね、アルフォンスくんがいるのは不思議です。
でも、違和感ではなくて。
子供が成長して戻って来たような感覚でしょうか」
「子供って…
ははっ、そうかもしれんな」
リザが無意識に言った言葉をロイは可笑しそうに笑う。
「東方司令部とは違ってここにはヒューズ准将がいます。
貴方にとって、それは大きな違いでしょう?
あまり言葉には出さないけれど、信頼している友人でもあるのですから」
リザの言葉にロイが苦笑いする。
他愛ない会話をしながらも、きちんと仕事をしているのでリザもその会話に応える。
「大総統、失礼します」
「ハボック、ノックをしろと何度言ったら分かる?ι」
「いいじゃないっスか。
どうせ、補佐官しかいないんだし。
護衛も外にしかいないし」
大総統室に護衛は居らず、いつも居るのは護衛役も勤めてる補佐官である。
よほどでない限りロイは護衛をつけない。
仕事で外に行く時も補佐官を連れて行くだけだったりする。
元々、国家錬金術師なので自分の身は守れるのだからほかの軍人に比べたらそんなに心配はない。
それでもどこで狙われるか分からないのだから護衛はつけるべきなのだが。
だからこそ、外出の際はなるべくアルとリザがロイについて行くようにしている。
呆れたようにロイはため息をつく。
「そういう問題じゃないだろう?」
「ほかの人が大総統室にいないか確認したんで大丈夫ですよ」
「それが嘘だった場合は?」
「あ~…それはマズイですね。
でも、大総統がどうにかしてくれるでしょう?」
「…やれやれ。
おまえに言うだけ無駄か」
微かにロイが口元を緩める。
「それで?」
「あぁ、そうでした。
これを届けに来たっんス」
「何の書類だ?」
「確か視察のだったような…」
「随分と曖昧だな。
分かった、あとで確認しとく」
ハボックから報告書を受け取る。
大総統室がノックされる。
「大総統、失礼します。
ハボック?
何やってんだ?」
「おぉ、ブレダ。
視察の報告書を届けに来た」
「…おまえが行ったんだったか?」
「視察に行く奴が休んだからな」
「そうだったな。
あぁ、すみません。
この前の報告書です。
大総統が言っていた通りでしたよ。
詳しいことは報告書に書いてあるんで」
「…そうか」
ロイはブレダからの報告書を手にすると小さなため息をつく。
「ありがとう。
君の淹れてくれるコーヒーはいつもうまいね」
「…あなたのお気に入りのコーヒー豆ですから」
「そういうことじゃないんだけどな」
ロイが苦笑いを浮かべる。
「では、どういう意味なんですか?」
「いや‥‥君らしくていいよ」
不思議そうにリザは首を傾げる。
「気にしなくていい。
たいした話じゃないから」
「…そうですか」
リザを見てロイは微かに口元を緩める。
リザの鈍感すぎる天然な性格もロイには愛しく感じる。
「あぁ、そうだ。
アル、頼みたいことがあるんだ」
「はい」
「買い物に行って来てくれないか?」
「分かりました」
「ほかの者に代わりに頼んでもいいから」
「いえ、僕が行きますよ」
「これを買って来てくれ」
「あ、はい。
家に置いてくればいいんですか?」
「いや、買い物したらここに戻って来てくれ。
それは使うから」
「分かりました」
意味が分からないまま、アルはロイから受け取ると買い物に向かう。
「じゃあ、頼むよ。
気をつけて」
「アルフォンスくん、気をつけてね」
「はい」
ロイとリザの言葉にアルは苦笑いする。
まるで2人の子供になったような感覚。
ロイはリザを見つめる。
「…何ですか?」
「いや‥‥懐かしいと思ってな」
「えっ?」
「こんな風に2人きりになるのは。
東方司令部に勤務していた頃が懐かしいよ。
君にさぼってはよく怒られていたな」
「…そうですね」
大佐の執務室で2人きりで仕事させられていた日常。
文句を言いながらもリザは残業までも付き合ってくれていた。
「東方司令部の頃と違って近くにハボック達がいないけれど。
まぁ、中央司令部勤務だから会おうと思えば会えるけどね。
代わりと言う訳ではないけど、アルが側にいる。
何だか不思議だな」
「そうですね、アルフォンスくんがいるのは不思議です。
でも、違和感ではなくて。
子供が成長して戻って来たような感覚でしょうか」
「子供って…
ははっ、そうかもしれんな」
リザが無意識に言った言葉をロイは可笑しそうに笑う。
「東方司令部とは違ってここにはヒューズ准将がいます。
貴方にとって、それは大きな違いでしょう?
あまり言葉には出さないけれど、信頼している友人でもあるのですから」
リザの言葉にロイが苦笑いする。
他愛ない会話をしながらも、きちんと仕事をしているのでリザもその会話に応える。
「大総統、失礼します」
「ハボック、ノックをしろと何度言ったら分かる?ι」
「いいじゃないっスか。
どうせ、補佐官しかいないんだし。
護衛も外にしかいないし」
大総統室に護衛は居らず、いつも居るのは護衛役も勤めてる補佐官である。
よほどでない限りロイは護衛をつけない。
仕事で外に行く時も補佐官を連れて行くだけだったりする。
元々、国家錬金術師なので自分の身は守れるのだからほかの軍人に比べたらそんなに心配はない。
それでもどこで狙われるか分からないのだから護衛はつけるべきなのだが。
だからこそ、外出の際はなるべくアルとリザがロイについて行くようにしている。
呆れたようにロイはため息をつく。
「そういう問題じゃないだろう?」
「ほかの人が大総統室にいないか確認したんで大丈夫ですよ」
「それが嘘だった場合は?」
「あ~…それはマズイですね。
でも、大総統がどうにかしてくれるでしょう?」
「…やれやれ。
おまえに言うだけ無駄か」
微かにロイが口元を緩める。
「それで?」
「あぁ、そうでした。
これを届けに来たっんス」
「何の書類だ?」
「確か視察のだったような…」
「随分と曖昧だな。
分かった、あとで確認しとく」
ハボックから報告書を受け取る。
大総統室がノックされる。
「大総統、失礼します。
ハボック?
何やってんだ?」
「おぉ、ブレダ。
視察の報告書を届けに来た」
「…おまえが行ったんだったか?」
「視察に行く奴が休んだからな」
「そうだったな。
あぁ、すみません。
この前の報告書です。
大総統が言っていた通りでしたよ。
詳しいことは報告書に書いてあるんで」
「…そうか」
ロイはブレダからの報告書を手にすると小さなため息をつく。