第①話
夢小説設定
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ロイは立ち上がり、アルの頭をポンッと叩いた。
「また下を向いているようだな」
「あ‥‥」
「君は優秀だが、君に足りないものは何か分かるか?」
「経験、ですか?」
「ふははっ!
いやいや、悪い。
経験なら旅で嫌ってくらいしただろう?
特に鋼のは派手だからな。
まぁ、私も人のことは言えんが」
アルの言葉はロイにとっては予想外だったようだ。
「君に足りないのは“自信”だ」
「…自信」
「いつも自分を兄と比べて負い目を感じている、違うか?」
「…っ!!」
「国家錬金術師が自信を持たなくてどうする?」
何も言い返せずに軍服のズボンを拳で握り締めた。
「おい、ロイ!」
「それはちょっと言い過ぎでは…」
止める言葉をロイは無視し、再び口を開いた。
「だからこそ、私の補佐官になって欲しい。
知識もそれなりにあるだろう?
そこで自信をつけなさい。
経験も必要だが、今の君に必要なのは知識や経験じゃない。
今の君に必要なのは“自信”だ。
自分の力を信じろ、アルフォンス・エルリック!」
厳しい顔が消え、ロイは穏やかに微笑む。
期待しているからこそ、成長して欲しくて自覚する為にもロイは厳しい言葉を言ったのだ。
「命令すればそれで済むかもしれない。
私はここにいる者達を使い捨ての駒のようには使えない。
だから、これは私の我儘だ。
我儘であり、願いだ。
…私の願いを叶えてくれると嬉しいんだが?」
「‥‥僕でいいんですか?
僕なんかより有能な部下は沢山いるのに」
「君はこれから成長するんだ、アルフォンス・エルリック」
「迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします」
涙を堪えながらアルは敬礼する。
「それから、もうひとつ」
「はい」
「私と一緒に住むか?」
「えっ…」
「「はぁっ!?」」
先程からロイの発言には驚かされっぱなしだ。
「私の家には余ってる部屋もある。
宿代も浮くし、君の年齢では部屋を借りることは出来ないだろう?
家賃なんかいらないし、好きに使って構わないよ」
「でも‥‥」
「今の私は狙われやすい。
護衛が必要なんだ。
ほかの者は寮や部屋を借りてるし」
アルはまたしても戸惑っていた。
ロイがチラッと中尉達を見て何をしたいのか理解した。
「俺は錬金術を使えないし、寮住みだからな」
「1人で守る自信ないな」
「私はブラックハヤテ号が待ってるし」
「俺は家族があるからな」
「アルフォンスくんが一緒にいてくれたら安心なんだけど…」
「わ、分かりました。
迷惑かもしれませんけど…」
「迷惑なら言っていないさ」
「ありがとうございます」
「それに、1人でいると不安になって余計なことを考えてしまうからな」
「あ‥‥」
ロイには見透かされていたようだった。
「1人になると嫌なことも考えてしまう。
探しに行くより待つ方がどんなに辛くて寂しいか…
口には出さないが、本当は寂しいんだろう?
私から見れば君はまだ子供だ。
しっかり者だが、もっと周りの大人に甘えなさい。
もっと頼りなさい」
「‥‥っ‥」
堪えていた涙がボロボロと零れる。
「やっと身体を取り戻したんだ。
やっと泣けるんだ。
子供のうちは感情を我慢するな。
今は泣くだけ泣けばいい」
「…っく」
ロイに優しく抱き締められ、久々の人のぬくもりが涙腺を更に緩ませる。
嗚咽を漏らし、涙がロイの軍服を濡らす。
「また下を向いているようだな」
「あ‥‥」
「君は優秀だが、君に足りないものは何か分かるか?」
「経験、ですか?」
「ふははっ!
いやいや、悪い。
経験なら旅で嫌ってくらいしただろう?
特に鋼のは派手だからな。
まぁ、私も人のことは言えんが」
アルの言葉はロイにとっては予想外だったようだ。
「君に足りないのは“自信”だ」
「…自信」
「いつも自分を兄と比べて負い目を感じている、違うか?」
「…っ!!」
「国家錬金術師が自信を持たなくてどうする?」
何も言い返せずに軍服のズボンを拳で握り締めた。
「おい、ロイ!」
「それはちょっと言い過ぎでは…」
止める言葉をロイは無視し、再び口を開いた。
「だからこそ、私の補佐官になって欲しい。
知識もそれなりにあるだろう?
そこで自信をつけなさい。
経験も必要だが、今の君に必要なのは知識や経験じゃない。
今の君に必要なのは“自信”だ。
自分の力を信じろ、アルフォンス・エルリック!」
厳しい顔が消え、ロイは穏やかに微笑む。
期待しているからこそ、成長して欲しくて自覚する為にもロイは厳しい言葉を言ったのだ。
「命令すればそれで済むかもしれない。
私はここにいる者達を使い捨ての駒のようには使えない。
だから、これは私の我儘だ。
我儘であり、願いだ。
…私の願いを叶えてくれると嬉しいんだが?」
「‥‥僕でいいんですか?
僕なんかより有能な部下は沢山いるのに」
「君はこれから成長するんだ、アルフォンス・エルリック」
「迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします」
涙を堪えながらアルは敬礼する。
「それから、もうひとつ」
「はい」
「私と一緒に住むか?」
「えっ…」
「「はぁっ!?」」
先程からロイの発言には驚かされっぱなしだ。
「私の家には余ってる部屋もある。
宿代も浮くし、君の年齢では部屋を借りることは出来ないだろう?
家賃なんかいらないし、好きに使って構わないよ」
「でも‥‥」
「今の私は狙われやすい。
護衛が必要なんだ。
ほかの者は寮や部屋を借りてるし」
アルはまたしても戸惑っていた。
ロイがチラッと中尉達を見て何をしたいのか理解した。
「俺は錬金術を使えないし、寮住みだからな」
「1人で守る自信ないな」
「私はブラックハヤテ号が待ってるし」
「俺は家族があるからな」
「アルフォンスくんが一緒にいてくれたら安心なんだけど…」
「わ、分かりました。
迷惑かもしれませんけど…」
「迷惑なら言っていないさ」
「ありがとうございます」
「それに、1人でいると不安になって余計なことを考えてしまうからな」
「あ‥‥」
ロイには見透かされていたようだった。
「1人になると嫌なことも考えてしまう。
探しに行くより待つ方がどんなに辛くて寂しいか…
口には出さないが、本当は寂しいんだろう?
私から見れば君はまだ子供だ。
しっかり者だが、もっと周りの大人に甘えなさい。
もっと頼りなさい」
「‥‥っ‥」
堪えていた涙がボロボロと零れる。
「やっと身体を取り戻したんだ。
やっと泣けるんだ。
子供のうちは感情を我慢するな。
今は泣くだけ泣けばいい」
「…っく」
ロイに優しく抱き締められ、久々の人のぬくもりが涙腺を更に緩ませる。
嗚咽を漏らし、涙がロイの軍服を濡らす。