料理男子
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屋敷にいた時は勿論ながらホグワーツでも屋敷妖精が厨房にいたので自分で作ることはなかった。
リリーが手料理する姿が新鮮で面白かった。
(両親に見つかったら、叱られそうだけど。
呆れるかもしれないな)
家族が寝静まった夜中に厨房に侵入する。
屋敷妖精は気づいているが、不満に思いながらも言葉にはしなかった。
「…シリウス?」
「(ビクッ)」
「それ、貴方が作ったのですか?」
(何で今日に限って起きてるんだよ)
言葉に詰まるシリウスに気づいて苦笑いする。
「叱らないわよ。
気づいてないとでも?」
「…知ってたのか」
「よく出来てますね」
「一緒に食べる?」
「あら、良いんですか?」
「…嫌じゃないなら」
「息子の手料理を嫌なんて思わないわ」
(息子、か。
まだ“息子”と思ってくれていたのか)
何故かご機嫌な母とシリウスは夜中に食べる。
「美味しいわね」
「…それは良かった。
本当は出来立てよりも、何日間寝かせてた方が良いんだけど。
コレはコレで悪くない」
「お菓子作りとは思わなかったわ」
「その気分だっただけ。
自分の食べたいものを作るだけだし」
最初はリリーに基礎を教わったが、あとは本を見て覚えたので器用だと羨ましがられた。
「オリオンとレギュラスも好きな味ね」
「食べたいのなら、構わないけど」
許可はしたが、朝食のデザートに出されるとは思わずにシリウスは頭を抱えそうになる。
「…パウンドケーキとは珍しいな」
「兄様、食べないんですか?
とても美味しいですよ」
「た、食べるよ」
含み笑いを浮かべる母にシリウスは不満に思いながらも言葉にはしない。
「僕には少しほろ苦い」
「洋酒が効いてるからな」
「兄様、普段は甘いものは食べないのに詳しいですね」
「…食べない訳ではない。
甘すぎるのが苦手なだけだ。
生クリームと食べれば、味もなめらかになるぞ」
「そうなんですか?」
何を言ってるんだとハッとしながらも生クリームを貰って満足そうなレギュラスにシリウスは微かに笑う。
「何を笑っているんですか」
「気に入ったのなら、良かったなと」
「…シリウスが作ったのかい?」
カシャンッとシリウスがフォークを落としてしまったのは仕方ないだろう。
皿の上で良かったとフォークを手にしてシリウスは黙って食べていた。
「え…?
そう、なのですか?」
「…悪いかよ」
「本当に?
いえ、予想外なだけで」
「驚いたな。
私は知らなかった。
君に料理の才能もあるとは」
「才能って。
怒らないのか?」
「子息が厨房に入って料理したから何だと言うんだ。
何があるか分からないんだし、料理を作れることは良いことだ。
そういう私は一切、作れないからな」
「…作ってみれば?」
「おや、私に料理を教えてくれるのかい?」
「何でそうなるんだよ。
まぁ、作りたいなら。
本気なのか?」
何故かオリオンに教えることになってしまった。
「出来たぞ!」
「「………。」」
「まぁ、見た目はアレだけど。
味は保証するから」
「料理は見た目も大事ですよ」
「意外と難しいんだな」
「頂きます。
あっ、美味しい」
「本当ですね。
見た目は残念ですけど」
「そんなに揶揄ってやるなよ」
母にからかわれているオリオンにシリウスは苦笑いする。
「僕も作ってみたい」
「あぁ、今度な。
何を作りたい?」
「ハンバーグ」
「初心者でそれを作るのか」
「難しい?」
「まぁ、わりと…」
「それなら違う料理にする」
「ポトフはどうだ?
好きだっただろ」
「じゃあ、それにする!」
楽しそうなレギュラスにシリウスは微笑む。
(叱られると思ったのに。
日中から厨房で作ってるのは不思議だな)
長居し過ぎると屋敷妖精から文句を言われるが。
「今日は何を作ってくれてるのかしら」
「アップルパイ」
「楽しみだわ」
毎日ではないが、デザートを作るシリウスに家族は楽しみにしていた。
リリーが手料理する姿が新鮮で面白かった。
(両親に見つかったら、叱られそうだけど。
呆れるかもしれないな)
家族が寝静まった夜中に厨房に侵入する。
屋敷妖精は気づいているが、不満に思いながらも言葉にはしなかった。
「…シリウス?」
「(ビクッ)」
「それ、貴方が作ったのですか?」
(何で今日に限って起きてるんだよ)
言葉に詰まるシリウスに気づいて苦笑いする。
「叱らないわよ。
気づいてないとでも?」
「…知ってたのか」
「よく出来てますね」
「一緒に食べる?」
「あら、良いんですか?」
「…嫌じゃないなら」
「息子の手料理を嫌なんて思わないわ」
(息子、か。
まだ“息子”と思ってくれていたのか)
何故かご機嫌な母とシリウスは夜中に食べる。
「美味しいわね」
「…それは良かった。
本当は出来立てよりも、何日間寝かせてた方が良いんだけど。
コレはコレで悪くない」
「お菓子作りとは思わなかったわ」
「その気分だっただけ。
自分の食べたいものを作るだけだし」
最初はリリーに基礎を教わったが、あとは本を見て覚えたので器用だと羨ましがられた。
「オリオンとレギュラスも好きな味ね」
「食べたいのなら、構わないけど」
許可はしたが、朝食のデザートに出されるとは思わずにシリウスは頭を抱えそうになる。
「…パウンドケーキとは珍しいな」
「兄様、食べないんですか?
とても美味しいですよ」
「た、食べるよ」
含み笑いを浮かべる母にシリウスは不満に思いながらも言葉にはしない。
「僕には少しほろ苦い」
「洋酒が効いてるからな」
「兄様、普段は甘いものは食べないのに詳しいですね」
「…食べない訳ではない。
甘すぎるのが苦手なだけだ。
生クリームと食べれば、味もなめらかになるぞ」
「そうなんですか?」
何を言ってるんだとハッとしながらも生クリームを貰って満足そうなレギュラスにシリウスは微かに笑う。
「何を笑っているんですか」
「気に入ったのなら、良かったなと」
「…シリウスが作ったのかい?」
カシャンッとシリウスがフォークを落としてしまったのは仕方ないだろう。
皿の上で良かったとフォークを手にしてシリウスは黙って食べていた。
「え…?
そう、なのですか?」
「…悪いかよ」
「本当に?
いえ、予想外なだけで」
「驚いたな。
私は知らなかった。
君に料理の才能もあるとは」
「才能って。
怒らないのか?」
「子息が厨房に入って料理したから何だと言うんだ。
何があるか分からないんだし、料理を作れることは良いことだ。
そういう私は一切、作れないからな」
「…作ってみれば?」
「おや、私に料理を教えてくれるのかい?」
「何でそうなるんだよ。
まぁ、作りたいなら。
本気なのか?」
何故かオリオンに教えることになってしまった。
「出来たぞ!」
「「………。」」
「まぁ、見た目はアレだけど。
味は保証するから」
「料理は見た目も大事ですよ」
「意外と難しいんだな」
「頂きます。
あっ、美味しい」
「本当ですね。
見た目は残念ですけど」
「そんなに揶揄ってやるなよ」
母にからかわれているオリオンにシリウスは苦笑いする。
「僕も作ってみたい」
「あぁ、今度な。
何を作りたい?」
「ハンバーグ」
「初心者でそれを作るのか」
「難しい?」
「まぁ、わりと…」
「それなら違う料理にする」
「ポトフはどうだ?
好きだっただろ」
「じゃあ、それにする!」
楽しそうなレギュラスにシリウスは微笑む。
(叱られると思ったのに。
日中から厨房で作ってるのは不思議だな)
長居し過ぎると屋敷妖精から文句を言われるが。
「今日は何を作ってくれてるのかしら」
「アップルパイ」
「楽しみだわ」
毎日ではないが、デザートを作るシリウスに家族は楽しみにしていた。