濁った魔力
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成長と共に“濁った魔力”のことは言わなくなったが、濁った魔力の傍は具合が悪くなる。
(血筋もあるんだろうけれど。
両親の魔力が一番落ち着く)
安堵の息を吐いてシリウスは両親に抱きつく。
シリウスが孤立しなかったのも両親の配慮だった。
(成長と共に見えなくなると思っていたんだが)
ブラック家の庭とは呼ぶには広大な森の水辺には沢山の精霊がいて、シリウスの幼い頃からのお気に入りの場所だった。
「すまない。
邪魔してしまったかい?」
「…父上」
「さあ、おいで」
頷いてシリウスが立ち上がるとオリオンに肩を抱かれて屋敷に戻る。
“魔力欠陥”
それが発表され、シリウスが言っていたことが間違いではないことが証明された。
まだ謎に包まれていてそれが病気なのか体質なのか判明は出来ていない。
(魔力が濁ると戻りはしない。
かと言って弱いままとも言えないんだよな)
ポンポンと肩を優しく叩かれ、シリウスは顔を上げる。
「深く考えなくていい。
君にはまだ沢山の時間がある。
沢山学び、調べればいい」
「私達のことも頼りなさい」
「…はい」
「まずは買い物に行こうか」
「買い物…?」
「あんなに楽しみにしていたのに忘れてたのかしら」
「あ…っ、準備して来ます!」
「走らないで行きなさい!」
ホグワーツの入学準備の買い物だと思い出して走って自室に行くシリウスに苦笑いする。
「お待たせしました」
「さあ、行こうか」
「留守番を頼みますよ」
「…はい」
両親に付き添われて初めての外の買い物にシリウスは楽しみでたまらなかった。
(…いつも兄様ばっかりだ)
シリウスは“対等”と思っているが、レギュラスにはそれが対等には思えなかった。
嫡男との差があるのはそれは仕方ないが。
「なん…で…っ」
「少し休もうか」
(何でこんなに濁った魔力が集まってるんだ!)
未成年の不安定な魔力もあって気分は最悪だった。
「僕、通えるんですか?」
「入学には保護魔法のアクセサリーの強化をしておく。
あとは“体質”の配慮をしてもらうしかない」
「それ、病弱体質に勘違いされそう」
「…そこは君の努力次第だ」
「意地悪だ」
不満そうなシリウスにオリオンは笑いながら頭を撫でる。
「僕、小さな子じゃない」
「何歳になっても私達の可愛い子よ」
「うわっ!
人前ではやめてください」
母から頬にキスされ、微かに頬を赤らめて離れるシリウスにオリオンは笑う。
-END-
2023.8.28
(血筋もあるんだろうけれど。
両親の魔力が一番落ち着く)
安堵の息を吐いてシリウスは両親に抱きつく。
シリウスが孤立しなかったのも両親の配慮だった。
(成長と共に見えなくなると思っていたんだが)
ブラック家の庭とは呼ぶには広大な森の水辺には沢山の精霊がいて、シリウスの幼い頃からのお気に入りの場所だった。
「すまない。
邪魔してしまったかい?」
「…父上」
「さあ、おいで」
頷いてシリウスが立ち上がるとオリオンに肩を抱かれて屋敷に戻る。
“魔力欠陥”
それが発表され、シリウスが言っていたことが間違いではないことが証明された。
まだ謎に包まれていてそれが病気なのか体質なのか判明は出来ていない。
(魔力が濁ると戻りはしない。
かと言って弱いままとも言えないんだよな)
ポンポンと肩を優しく叩かれ、シリウスは顔を上げる。
「深く考えなくていい。
君にはまだ沢山の時間がある。
沢山学び、調べればいい」
「私達のことも頼りなさい」
「…はい」
「まずは買い物に行こうか」
「買い物…?」
「あんなに楽しみにしていたのに忘れてたのかしら」
「あ…っ、準備して来ます!」
「走らないで行きなさい!」
ホグワーツの入学準備の買い物だと思い出して走って自室に行くシリウスに苦笑いする。
「お待たせしました」
「さあ、行こうか」
「留守番を頼みますよ」
「…はい」
両親に付き添われて初めての外の買い物にシリウスは楽しみでたまらなかった。
(…いつも兄様ばっかりだ)
シリウスは“対等”と思っているが、レギュラスにはそれが対等には思えなかった。
嫡男との差があるのはそれは仕方ないが。
「なん…で…っ」
「少し休もうか」
(何でこんなに濁った魔力が集まってるんだ!)
未成年の不安定な魔力もあって気分は最悪だった。
「僕、通えるんですか?」
「入学には保護魔法のアクセサリーの強化をしておく。
あとは“体質”の配慮をしてもらうしかない」
「それ、病弱体質に勘違いされそう」
「…そこは君の努力次第だ」
「意地悪だ」
不満そうなシリウスにオリオンは笑いながら頭を撫でる。
「僕、小さな子じゃない」
「何歳になっても私達の可愛い子よ」
「うわっ!
人前ではやめてください」
母から頬にキスされ、微かに頬を赤らめて離れるシリウスにオリオンは笑う。
-END-
2023.8.28