和解までの道程
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スリザリンの生徒が何も言わないのはオリオンが裏で動いたのだろう。
「レグ、またな」
「兄様…っ」
悪戯心が芽生えたシリウスは大広間でレギュラスの額にキスをした。
微かに頬を赤らめて怒るように叫ぶレギュラスにシリウスは楽しそうに笑う。
「…レギュラス」
「お、お久しぶりです」
「何があったんだ」
「話すと長くなるんですが。
兄が両親と和解しました」
「とても短いが」
「スネイプ先輩は兄が好きではないでしょう?」
「…好きではないが。
ポッターの馬鹿よりはマシだ」
「ふはっ!
それは何よりです」
何が可笑しいんだとスネイプは顔を歪める。
「シリウス。
私服の好みが変わったね。
それとも、ご両親が?」
「…アレも別に好みではなかったから」
「そうなの?
だったら、なんで?」
「嫌がらせ。
両親は黒や緑以外は嫌がってたから。
驚く程に強制しない。
むしろ、何歳なんだと言うくらいに子供扱いされる」
「…逆戻りしちゃったんだね。
まぁ、喧嘩するよりは」
「人が入れ替わっていたと言われたら納得するくらいに」
愚痴るシリウスにジェームズは複雑そうだが、リーマスとピーターは宥めながらも聞いていた。
「…分かりやすい両親だね」
「あぁ、まったくだ」
手紙と共に小包が届き、シリウスは苦笑いする。
(…心配してくれてんのかな)
苦言は書いておらず、体調の心配と良かったら返事が欲しいということが綴られていた。
(あの日、気に入ったジンジャークッキーだな。
茶葉も好きな香りだ。
選んだのは母上だろうな)
部屋に帰ってから開けるとシリウスは微かに笑みを浮かべる。
「レグ、紅茶淹れられる?」
「はっ?」
「母上から届いた」
「…そうですか。
僕にも届きましたが。
それが、何です?」
「紅茶淹れたことない」
「………。」
((正真正銘のお坊ちゃまだな))
レギュラスが言葉に詰まり、シリウスを見つめる。
「貴方達、妙なとこで似ているわね。
魔法で覚えなさい。
いつもはどうしていたんですか?」
「「母上が…」」
「言い争っても?」
「いつの間にか部屋に置いてあった」
「妙なとこで甘やかされていたのね。
厳しいんだが、甘いんだか」
呆れながらもナルシッサがシリウスとレギュラスに紅茶を淹れる。
「レギュラスはまだ分かりますが、シリウス。
毎朝大広間で紅茶を淹れさせないで頂戴」
「シシーが淹れる紅茶が美味しい」
「美味しいです、シシー姉様」
にっこりと微笑むブラック兄弟にナルシッサはため息をつく。
「貴方達、自分の美貌を武器にしないで頂戴。
私には効きませんよ」
「それが効いたら大変だろう。
婚約破棄なんてさせたら」
「縁起でもないことを言わないで頂戴」
シリウスとナルシッサのやりとりに苦笑いしながらルシウスは聞いていた。
「…どこまでが素顔なんだろうね」
「さぁね。
前々からマイペースな面はあったけど」
(それはジェームズもだと思うけどね。
お金持ちの子はそうなのかな)
ジェームズに言うと面倒なので言葉には出さない。
「考えても今は答えが出せないから。
流れに身を任せるのも悪くないかなって」
シリウスらしい答えだなとオリオンは小さく笑う。
-END-
2024.9.15
「レグ、またな」
「兄様…っ」
悪戯心が芽生えたシリウスは大広間でレギュラスの額にキスをした。
微かに頬を赤らめて怒るように叫ぶレギュラスにシリウスは楽しそうに笑う。
「…レギュラス」
「お、お久しぶりです」
「何があったんだ」
「話すと長くなるんですが。
兄が両親と和解しました」
「とても短いが」
「スネイプ先輩は兄が好きではないでしょう?」
「…好きではないが。
ポッターの馬鹿よりはマシだ」
「ふはっ!
それは何よりです」
何が可笑しいんだとスネイプは顔を歪める。
「シリウス。
私服の好みが変わったね。
それとも、ご両親が?」
「…アレも別に好みではなかったから」
「そうなの?
だったら、なんで?」
「嫌がらせ。
両親は黒や緑以外は嫌がってたから。
驚く程に強制しない。
むしろ、何歳なんだと言うくらいに子供扱いされる」
「…逆戻りしちゃったんだね。
まぁ、喧嘩するよりは」
「人が入れ替わっていたと言われたら納得するくらいに」
愚痴るシリウスにジェームズは複雑そうだが、リーマスとピーターは宥めながらも聞いていた。
「…分かりやすい両親だね」
「あぁ、まったくだ」
手紙と共に小包が届き、シリウスは苦笑いする。
(…心配してくれてんのかな)
苦言は書いておらず、体調の心配と良かったら返事が欲しいということが綴られていた。
(あの日、気に入ったジンジャークッキーだな。
茶葉も好きな香りだ。
選んだのは母上だろうな)
部屋に帰ってから開けるとシリウスは微かに笑みを浮かべる。
「レグ、紅茶淹れられる?」
「はっ?」
「母上から届いた」
「…そうですか。
僕にも届きましたが。
それが、何です?」
「紅茶淹れたことない」
「………。」
((正真正銘のお坊ちゃまだな))
レギュラスが言葉に詰まり、シリウスを見つめる。
「貴方達、妙なとこで似ているわね。
魔法で覚えなさい。
いつもはどうしていたんですか?」
「「母上が…」」
「言い争っても?」
「いつの間にか部屋に置いてあった」
「妙なとこで甘やかされていたのね。
厳しいんだが、甘いんだか」
呆れながらもナルシッサがシリウスとレギュラスに紅茶を淹れる。
「レギュラスはまだ分かりますが、シリウス。
毎朝大広間で紅茶を淹れさせないで頂戴」
「シシーが淹れる紅茶が美味しい」
「美味しいです、シシー姉様」
にっこりと微笑むブラック兄弟にナルシッサはため息をつく。
「貴方達、自分の美貌を武器にしないで頂戴。
私には効きませんよ」
「それが効いたら大変だろう。
婚約破棄なんてさせたら」
「縁起でもないことを言わないで頂戴」
シリウスとナルシッサのやりとりに苦笑いしながらルシウスは聞いていた。
「…どこまでが素顔なんだろうね」
「さぁね。
前々からマイペースな面はあったけど」
(それはジェームズもだと思うけどね。
お金持ちの子はそうなのかな)
ジェームズに言うと面倒なので言葉には出さない。
「考えても今は答えが出せないから。
流れに身を任せるのも悪くないかなって」
シリウスらしい答えだなとオリオンは小さく笑う。
-END-
2024.9.15