和解までの道程
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楽しそうに帰って来た様子にレギュラスは微笑んで顔を見合わせたのだった。
「兄様、お帰りなさい。
楽しかったようですね」
「ただいま、レグ!
今度は一緒に行こうな」
「はい、兄様」
抱擁されて頬にキスされ、最初は硬直したレギュラスも今では慣れた。
「シリウスお坊ちゃま。
荷物をお預かりします」
「…ん」
「お荷物は部屋に?」
「あぁ、いや…。
そっちは衣装部屋に」
「承知しました」
屋敷妖精に対してもシリウスは丁寧に扱うようになり、それは屋敷妖精も同様だった。
それが何よりもレギュラスが望んだ出来事だ。
まだぎこちなくはあるけれど、それも時間の経過と共に慣れてゆくだろう。
「…父上」
「シリウス。
どうしたんだ?」
「具合悪い?」
「体調は問題ないよ」
あの高熱から暫くは体調を崩していたので未だに心配される。
「僕の部屋の灯りが何故か点かなくて。
寝るだけでも真っ暗なのは」
「壊れることはないと思うんだが」
「直らなかったんだ」
「では、行こうか」
些細なことでもオリオンは頼られて嬉しそうだ。
「直らないな。
今日はゲストルームに寝るか?
ほかも調べる必要がありそうだからな」
「…みたいですね」
ゴーストの仕業かとため息をつくシリウスにオリオンは苦笑いして宥めた。
「不便なものはないか?」
「特には。
違和感以外は」
「まぁ、宥めるまで。
昔から君の部屋を気に入っていたからな」
「嬉しくありませんよ。
諦めたと思ったのに」
「シリウス。
それでは朝方に寒くなるわ。
毛布を持って来たわよ」
「ありがとうございます」
「何か不便なことが起きたら呼びなさい」
「分かりました」
昔から屋敷のゴーストや妖精に好かれてたなと思い出す。
シリウスからすれば、迷惑でしかないのだが。
かと言っても怪我や怖がらすようなことはしていなかった。
(何だったんだろう。
ふかふか。
これ、新しい布団だ。
気持ち良く寝れそう)
寮のマットや布団とは大違いだと今更ながら比較してしまう。
「おはようございます!」
「シリウス、遅刻です。
服装の乱れを直しなさい」
「…はい」
「理由は?」
「新しい布団が気持ち良すぎました」
「ふはっ!
すまない、つい。
あまりにも素直過ぎて」
「兄様、犬ですか」
「ふかふかで何時間でも眠れそうだった。
本当はもっと寝たかった」
「…シリウス」
オリオンとレギュラスは苦笑いし、母に呆れられて苦言を言われたのは仕方ないだろう。
「まだ加護縫い?
何歳だと思ってるんですか」
「何歳だろうと。
お守りみたいなものですよ」
母の加護縫いされた刺繍のハンカチを渡されてシリウスは苦笑いした。
「ブラック家の家紋なんて複雑だし、手先が器用なシシーでも苦労してるのに」
「経験値と慣れですよ」
「鷹とかも?」
「…ほかの寮に恋人でもいるんですか?」
「そうじゃないけど。
何となく、格好良いかなと」
そこは獅子ではなくて?」
「獅子でもいいの?」
「貴方が希望するならば」
「獅子が良い!」
「新学期までには用意しておきますよ」
「ありがとうございます」
「獅子は初めてだから期待しないで頂戴ね」
「楽しみにしておきます」
シリウスは微笑んで部屋から出て行った。
後日、迫力ありすぎる獅子にハンカチを拾ったピーターが驚きの声を上げたのだった。
「空間魔法と言われても」
「では、ヒントを与えようか」
「それは悔しい。
もう少し自分で考える」
「期待して待っているよ」
シリウスは次期当主の知識をオリオンに教わっているが、次期当主になるという覚悟はまだ出来ていない。
今はそれでいいとオリオンも受け入れた。
「兄様、お帰りなさい。
楽しかったようですね」
「ただいま、レグ!
今度は一緒に行こうな」
「はい、兄様」
抱擁されて頬にキスされ、最初は硬直したレギュラスも今では慣れた。
「シリウスお坊ちゃま。
荷物をお預かりします」
「…ん」
「お荷物は部屋に?」
「あぁ、いや…。
そっちは衣装部屋に」
「承知しました」
屋敷妖精に対してもシリウスは丁寧に扱うようになり、それは屋敷妖精も同様だった。
それが何よりもレギュラスが望んだ出来事だ。
まだぎこちなくはあるけれど、それも時間の経過と共に慣れてゆくだろう。
「…父上」
「シリウス。
どうしたんだ?」
「具合悪い?」
「体調は問題ないよ」
あの高熱から暫くは体調を崩していたので未だに心配される。
「僕の部屋の灯りが何故か点かなくて。
寝るだけでも真っ暗なのは」
「壊れることはないと思うんだが」
「直らなかったんだ」
「では、行こうか」
些細なことでもオリオンは頼られて嬉しそうだ。
「直らないな。
今日はゲストルームに寝るか?
ほかも調べる必要がありそうだからな」
「…みたいですね」
ゴーストの仕業かとため息をつくシリウスにオリオンは苦笑いして宥めた。
「不便なものはないか?」
「特には。
違和感以外は」
「まぁ、宥めるまで。
昔から君の部屋を気に入っていたからな」
「嬉しくありませんよ。
諦めたと思ったのに」
「シリウス。
それでは朝方に寒くなるわ。
毛布を持って来たわよ」
「ありがとうございます」
「何か不便なことが起きたら呼びなさい」
「分かりました」
昔から屋敷のゴーストや妖精に好かれてたなと思い出す。
シリウスからすれば、迷惑でしかないのだが。
かと言っても怪我や怖がらすようなことはしていなかった。
(何だったんだろう。
ふかふか。
これ、新しい布団だ。
気持ち良く寝れそう)
寮のマットや布団とは大違いだと今更ながら比較してしまう。
「おはようございます!」
「シリウス、遅刻です。
服装の乱れを直しなさい」
「…はい」
「理由は?」
「新しい布団が気持ち良すぎました」
「ふはっ!
すまない、つい。
あまりにも素直過ぎて」
「兄様、犬ですか」
「ふかふかで何時間でも眠れそうだった。
本当はもっと寝たかった」
「…シリウス」
オリオンとレギュラスは苦笑いし、母に呆れられて苦言を言われたのは仕方ないだろう。
「まだ加護縫い?
何歳だと思ってるんですか」
「何歳だろうと。
お守りみたいなものですよ」
母の加護縫いされた刺繍のハンカチを渡されてシリウスは苦笑いした。
「ブラック家の家紋なんて複雑だし、手先が器用なシシーでも苦労してるのに」
「経験値と慣れですよ」
「鷹とかも?」
「…ほかの寮に恋人でもいるんですか?」
「そうじゃないけど。
何となく、格好良いかなと」
そこは獅子ではなくて?」
「獅子でもいいの?」
「貴方が希望するならば」
「獅子が良い!」
「新学期までには用意しておきますよ」
「ありがとうございます」
「獅子は初めてだから期待しないで頂戴ね」
「楽しみにしておきます」
シリウスは微笑んで部屋から出て行った。
後日、迫力ありすぎる獅子にハンカチを拾ったピーターが驚きの声を上げたのだった。
「空間魔法と言われても」
「では、ヒントを与えようか」
「それは悔しい。
もう少し自分で考える」
「期待して待っているよ」
シリウスは次期当主の知識をオリオンに教わっているが、次期当主になるという覚悟はまだ出来ていない。
今はそれでいいとオリオンも受け入れた。