和解までの道程
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慰められるように優しく肩を叩かれてシリウスは苦笑いする。
「どうするか決めたかい?
君が闇の魔術を嫌っていても、それも選択のひとつだ」
「……っ…」
「シリウス。
買い物に行きましょうか」
「はっ?」
「入学前の買い物以来、貴方に何も贈り物をしてないわ。
それを謝罪だなんて思わない。
こんなに大きくなってたのね」
「…母上」
「洋服のサイズも、靴のサイズも何も分からないわ。
どんなアクセサリーが好きなのかも。
少しずつでいいの。
許さなくていいから。
教えて頂戴」
戸惑いながらもシリウスは手を握られて小さく頷いた。
「…答えは急がなくていい。
君が決意した時に」
「これからは貴方の味方よ。
それでも違うと思えば叱るわ。
でも、拒絶も怒鳴ることもしないから」
「少しずつでいい。
私達はシリウスのことを知りたいんだ。
許さなくていいから。
少しでも君に信じてもらえるように」
「調子の良いことばかり言ってるのは自覚してるわ」
「…そうじゃない。
買い物、行ってくれんの?
買って…くれんの?」
潤んだ瞳でシリウスは半信半疑で見つめていて、それさえも期待させずに悲しい思いをさせていたのだろう。
レギュラスだけ連れて、起きたらお金とメモだけ置いてあるのはどれ程に切なくて悲しかったのだろうか。
それを理解しているからアルファードやジェームズの両親は買い物に連れて行ってくれていたのだろう。
「シリウス。
好きなもの、何だって買ってあげるわ」
「あぁ、いくらでも好きなものを選びなさい」
「何歳だと…思ってんだよ」
両親に抱擁されてシリウスの声は震えながらぎゅっと両親の服を掴んだ。
(今までなら黒以外を選んで両親が嫌がるような明るい色を選んでいた。
これも好きかと聞かれたら…)
自分が好んでいた洋服やネックレスも好きなものが分からなくなっていた。
「シリウスはこういう細身なのも似合うわね」
「え?」
「落ち着いた色だな。
試着してみたらどうだ?」
シリウスの心情を理解し、両親は優しくアドバイスをくれた。
「…ごめんなさい」
「何も謝ることはないさ」
「また貴方が好きなものを一緒に探せるってことでしょう?
あらあら、甘えん坊さんね」
結局はシリウスは自分では何も選べずにお店を移動した。
シリウスは泣きそうになりながら母に抱きついた。
「おや、父様には来てくれないのかい?」
「バカ…っ」
からかうようなオリオンが両手を広げ、シリウスは微かに頬を赤らめながら抱きつく。
「…美味しい」
「それは良かった」
「好きなもの、見つかりましたね」
「食べ物…だけど」
「よく焼いたチキンに好きな飲み物、好きなクッキーも分かったんですよ。
これだけでも3つもあります」
母の言葉にシリウスは瞬きし、思わず笑ってしまう。
「こうやって少しずつ見つけて教えてくれたら良い」
「…うん」
「その手伝いを私達にさせてくれたら嬉しいわ」
母に手を握られて今はもう不快ではなくて振り解くこともせずにシリウスは微笑んで頷いた。
目撃される度にザワつき、凝視されてしまっていたが。
「おかわりするかい?
それとも、違うのも食べてみるかい?」
「コレも美味しいのよ」
「蒸すの?」
「野菜もチキンも柔らかくて美味しいの。
こっちでは珍しいかもしれないけれど。
騙されたと思って食べてご覧なさい」
「そこまで言うなら…」
母にオススメされたメニューを選んで食べてみる。
「うま…っ」
「でしょう?」
「柔らかいのもだけど。
野菜の風味も絶妙。
チキンが肉汁が溢れて本当に美味しい」
口調が崩れても両親は指摘もせずに微笑む。
「食事に来ただけみたい」
「それでもいいじゃないか」
「…っくしゅ!」
「そんな薄着で来るからよ」
「だって。
日中は天気良かったから」
ふわりと首に巻かれてシリウスは瞬きして見つめる。
「プレゼントよ。
柔らかくて温かいでしょう?
夜は冷えますから」
「…ありがとうございます」
「先越されてしまったな。
ほら、これで完璧だ」
「ありがとうございます!」
母からはシルクのストール、父からは上品なロングコートを貰った。
シリウスは嬉しそうに笑って両親に抱擁した。
「どうするか決めたかい?
君が闇の魔術を嫌っていても、それも選択のひとつだ」
「……っ…」
「シリウス。
買い物に行きましょうか」
「はっ?」
「入学前の買い物以来、貴方に何も贈り物をしてないわ。
それを謝罪だなんて思わない。
こんなに大きくなってたのね」
「…母上」
「洋服のサイズも、靴のサイズも何も分からないわ。
どんなアクセサリーが好きなのかも。
少しずつでいいの。
許さなくていいから。
教えて頂戴」
戸惑いながらもシリウスは手を握られて小さく頷いた。
「…答えは急がなくていい。
君が決意した時に」
「これからは貴方の味方よ。
それでも違うと思えば叱るわ。
でも、拒絶も怒鳴ることもしないから」
「少しずつでいい。
私達はシリウスのことを知りたいんだ。
許さなくていいから。
少しでも君に信じてもらえるように」
「調子の良いことばかり言ってるのは自覚してるわ」
「…そうじゃない。
買い物、行ってくれんの?
買って…くれんの?」
潤んだ瞳でシリウスは半信半疑で見つめていて、それさえも期待させずに悲しい思いをさせていたのだろう。
レギュラスだけ連れて、起きたらお金とメモだけ置いてあるのはどれ程に切なくて悲しかったのだろうか。
それを理解しているからアルファードやジェームズの両親は買い物に連れて行ってくれていたのだろう。
「シリウス。
好きなもの、何だって買ってあげるわ」
「あぁ、いくらでも好きなものを選びなさい」
「何歳だと…思ってんだよ」
両親に抱擁されてシリウスの声は震えながらぎゅっと両親の服を掴んだ。
(今までなら黒以外を選んで両親が嫌がるような明るい色を選んでいた。
これも好きかと聞かれたら…)
自分が好んでいた洋服やネックレスも好きなものが分からなくなっていた。
「シリウスはこういう細身なのも似合うわね」
「え?」
「落ち着いた色だな。
試着してみたらどうだ?」
シリウスの心情を理解し、両親は優しくアドバイスをくれた。
「…ごめんなさい」
「何も謝ることはないさ」
「また貴方が好きなものを一緒に探せるってことでしょう?
あらあら、甘えん坊さんね」
結局はシリウスは自分では何も選べずにお店を移動した。
シリウスは泣きそうになりながら母に抱きついた。
「おや、父様には来てくれないのかい?」
「バカ…っ」
からかうようなオリオンが両手を広げ、シリウスは微かに頬を赤らめながら抱きつく。
「…美味しい」
「それは良かった」
「好きなもの、見つかりましたね」
「食べ物…だけど」
「よく焼いたチキンに好きな飲み物、好きなクッキーも分かったんですよ。
これだけでも3つもあります」
母の言葉にシリウスは瞬きし、思わず笑ってしまう。
「こうやって少しずつ見つけて教えてくれたら良い」
「…うん」
「その手伝いを私達にさせてくれたら嬉しいわ」
母に手を握られて今はもう不快ではなくて振り解くこともせずにシリウスは微笑んで頷いた。
目撃される度にザワつき、凝視されてしまっていたが。
「おかわりするかい?
それとも、違うのも食べてみるかい?」
「コレも美味しいのよ」
「蒸すの?」
「野菜もチキンも柔らかくて美味しいの。
こっちでは珍しいかもしれないけれど。
騙されたと思って食べてご覧なさい」
「そこまで言うなら…」
母にオススメされたメニューを選んで食べてみる。
「うま…っ」
「でしょう?」
「柔らかいのもだけど。
野菜の風味も絶妙。
チキンが肉汁が溢れて本当に美味しい」
口調が崩れても両親は指摘もせずに微笑む。
「食事に来ただけみたい」
「それでもいいじゃないか」
「…っくしゅ!」
「そんな薄着で来るからよ」
「だって。
日中は天気良かったから」
ふわりと首に巻かれてシリウスは瞬きして見つめる。
「プレゼントよ。
柔らかくて温かいでしょう?
夜は冷えますから」
「…ありがとうございます」
「先越されてしまったな。
ほら、これで完璧だ」
「ありがとうございます!」
母からはシルクのストール、父からは上品なロングコートを貰った。
シリウスは嬉しそうに笑って両親に抱擁した。