和解までの道程
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どっと疲れて両親もジェームズも黙り、家に戻るのだった。
しばらく会話がないのも仕方ないだろう。
「…あんなに愛しそうに見るなら最初からすればいいのに」
「それが出来ないのが大人なんだろうな。
権力がある人なら尚更だ。
君もいつか理解が出来るよ」
子供扱いされたようでジェームズは不満顔だ。
「はっ、ァ…」
「まだ熱は下がらないのか」
「魔法薬も飲ませたのですが。
あとは本人の体力次第です。
過労だと思われます」
夫妻の苛立ちに怯えながらも伝えて逃げるように帰ったのは仕方ないだろうとレギュラスは覗き見しながら思う。
「ん…っ」
「気がつきましたか、シリウス」
「はは…うえ…?」
「さあ、飲んで。
力を抜いてていいわ」
言われるままにぼんやりしながらシリウスは飲み物を口にする。
乾いていた口内が少し潤い、声の掠れも先程よりは楽になった。
「もっと飲む?
慌てなくていいわ」
「…ん」
高熱があるので喉の渇きがあるのは当然だろう。
「今後についての話は体調が良くなってから話そう。
叱る訳じゃないから安心しなさい」
「…分かった」
「シリウス、何か食べれるものはあるかい?」
「少しでもいいから食べて頂戴。ね?」
シリウスは両親の豹変に顔が引きつりそうになりながらも小さく頷いた。
(自分にしては珍しく食欲ないから食べれないと思ったんだけど。
こんな風に体調崩すなんて小さな頃以来かもしれない。
何だか懐かしくて優しい味だったな)
高熱もあってぼんやりしながらシリウスは両親を見つめる。
「辛かったり、苦しかったりはない?」
「大丈夫…です」
「それなら眠りなさい。
魔法薬も効いて来るだろう」
オリオンが杖を振ると優しい魔力を感じ、睡魔が襲う。
「…こんな風に我が子の寝顔を見るのが久しいなんて。
おかしいですね。
どれだけ苦しめて、追い詰めていたんでしょうか」
「言葉にしなかったのではなくて、出来なかったんだな。
最初から期待などせずに私達に対して諦めていたんだ」
「父上、母上」
「レギュラス。
どうしたのですか?」
「…兄様は?
阻止、したのですか?」
「まだ高熱ではあるが、一応は落ち着いたようだ」
「家を出るのを含めて?」
「そうだと、いいんだがな」
レギュラスの問い掛けにオリオンは言葉を濁す。
「兄様の部屋から荷物が消えてました」
「魔法を掛けたトランクに詰め込んだのだろう」
床にトランクが置いてあり、レギュラスは見つめた。
「父上、コレを…」
「何を…っ」
「レギュラス!
毒薬じゃない。
なんてことを…っ」
「違いますよ。
兄様の部屋のベットの下に隠すように落ちてました」
「まさか…」
「実験で使ったのか、それ以外なのか分かりませんが」
両親の顔色が青ざめて眠っているシリウスを見つめる。
「…そこまで追い詰めてしまっていたのか」
「私達が想像しているよりも遥かに」
(これくらいの返しならいいでしょう、兄様。
僕には当主なんて無理だし。
しっかりと両親に捕まってくださいね)
レギュラスは自室に戻る道で微かに笑みを浮かべる。
「レギュラスお坊ちゃま」
「…僕達の秘密だよ」
「旦那様が調べれば、すぐに分かりますよ」
「母上に知られなければ問題はないよ。
叱られるだろうけどね」
後日、オリオンの執務室にこっそりと呼び出されたのは言うまでもない。
「…家系図から消されてなかったのか」
「次期当主がスリザリン家系からグリフィンドールを選んだだけでは消されないさ」
「貴方は魔力がない訳でもありませんからね」
(むしろ、魔力ある先祖で消された奴は何をしたんだよ)
「君は犯罪を犯した訳ではないからね」
(…狂った奴等なのか)
「欲望に闇の魔術に溺れては意味がない」
効果の実験を動物だけではなく、人に対しても行ったのだろうと理解した。
しばらく会話がないのも仕方ないだろう。
「…あんなに愛しそうに見るなら最初からすればいいのに」
「それが出来ないのが大人なんだろうな。
権力がある人なら尚更だ。
君もいつか理解が出来るよ」
子供扱いされたようでジェームズは不満顔だ。
「はっ、ァ…」
「まだ熱は下がらないのか」
「魔法薬も飲ませたのですが。
あとは本人の体力次第です。
過労だと思われます」
夫妻の苛立ちに怯えながらも伝えて逃げるように帰ったのは仕方ないだろうとレギュラスは覗き見しながら思う。
「ん…っ」
「気がつきましたか、シリウス」
「はは…うえ…?」
「さあ、飲んで。
力を抜いてていいわ」
言われるままにぼんやりしながらシリウスは飲み物を口にする。
乾いていた口内が少し潤い、声の掠れも先程よりは楽になった。
「もっと飲む?
慌てなくていいわ」
「…ん」
高熱があるので喉の渇きがあるのは当然だろう。
「今後についての話は体調が良くなってから話そう。
叱る訳じゃないから安心しなさい」
「…分かった」
「シリウス、何か食べれるものはあるかい?」
「少しでもいいから食べて頂戴。ね?」
シリウスは両親の豹変に顔が引きつりそうになりながらも小さく頷いた。
(自分にしては珍しく食欲ないから食べれないと思ったんだけど。
こんな風に体調崩すなんて小さな頃以来かもしれない。
何だか懐かしくて優しい味だったな)
高熱もあってぼんやりしながらシリウスは両親を見つめる。
「辛かったり、苦しかったりはない?」
「大丈夫…です」
「それなら眠りなさい。
魔法薬も効いて来るだろう」
オリオンが杖を振ると優しい魔力を感じ、睡魔が襲う。
「…こんな風に我が子の寝顔を見るのが久しいなんて。
おかしいですね。
どれだけ苦しめて、追い詰めていたんでしょうか」
「言葉にしなかったのではなくて、出来なかったんだな。
最初から期待などせずに私達に対して諦めていたんだ」
「父上、母上」
「レギュラス。
どうしたのですか?」
「…兄様は?
阻止、したのですか?」
「まだ高熱ではあるが、一応は落ち着いたようだ」
「家を出るのを含めて?」
「そうだと、いいんだがな」
レギュラスの問い掛けにオリオンは言葉を濁す。
「兄様の部屋から荷物が消えてました」
「魔法を掛けたトランクに詰め込んだのだろう」
床にトランクが置いてあり、レギュラスは見つめた。
「父上、コレを…」
「何を…っ」
「レギュラス!
毒薬じゃない。
なんてことを…っ」
「違いますよ。
兄様の部屋のベットの下に隠すように落ちてました」
「まさか…」
「実験で使ったのか、それ以外なのか分かりませんが」
両親の顔色が青ざめて眠っているシリウスを見つめる。
「…そこまで追い詰めてしまっていたのか」
「私達が想像しているよりも遥かに」
(これくらいの返しならいいでしょう、兄様。
僕には当主なんて無理だし。
しっかりと両親に捕まってくださいね)
レギュラスは自室に戻る道で微かに笑みを浮かべる。
「レギュラスお坊ちゃま」
「…僕達の秘密だよ」
「旦那様が調べれば、すぐに分かりますよ」
「母上に知られなければ問題はないよ。
叱られるだろうけどね」
後日、オリオンの執務室にこっそりと呼び出されたのは言うまでもない。
「…家系図から消されてなかったのか」
「次期当主がスリザリン家系からグリフィンドールを選んだだけでは消されないさ」
「貴方は魔力がない訳でもありませんからね」
(むしろ、魔力ある先祖で消された奴は何をしたんだよ)
「君は犯罪を犯した訳ではないからね」
(…狂った奴等なのか)
「欲望に闇の魔術に溺れては意味がない」
効果の実験を動物だけではなく、人に対しても行ったのだろうと理解した。