和解までの道程
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
言い争ってはいたけれど、恨んではいない。
「…シリウス」
「何だよ」
「どこに行くのですか?」
「はぁ?」
今から家を出る息子に対してどういうことだと一瞬言葉を失いそうになる。
「貴方はブラック家の嫡男ですよ」
「…これからはレギュラスがそうなるさ。
ブラック家は一人っ子だ」
自分で言っていて悲しくなり、あれだけ傷つけられたのにまだ諦められないのかとシリウスは泣きそうになる。
「…レギュラスでは次期当主にはなれません。
あの子は優しすぎる」
「それ、は…っ」
「貴方もそれをわかっているのでしょう?」
「だったら!
どうしろと言うんだよ!
ずっと、俺に…耐えろと、言うのかよ。
居場所…ないのに…っ」
「どうして貴方は、そうなのですか」
「何が…っ」
母に抱き締められてシリウスは目を見開く。
「そんな行動に移させるくらいに追い込んでいたのは申し訳なく思いますが。
どうして頼らないのですか。
次期当主だって甘えていいのですよ」
「…っズ。
今更…、なんだよ」
「申し訳なく思ってます」
許してしまいそうになっている自分に混乱しながらもシリウスは涙が流れた。
「認めて…欲しかった。
ただ傍に、居て欲しかった。
味方に…なってくれたら。
それでよかったんだよ!」
「えぇ、私達の判断が間違ってました。
ごめんなさいね」
謝って欲しかった訳ではなくて、ただ寄り添って欲しかった。
家出は延長するしかなくて、心配してるかなとぼんやりしながら思っていた。
「シリウス!
連絡もないから心配していたんだ。
何かあったのかい?」
「…家を出るのは延長する」
「何かされたのか?
そうなんだろう!」
「違う、そうじゃない」
「ジェームズ。
やめなさい」
シリウスの服を掴んで揺らすジェームズに両親は宥めて引き離した。
「おじさんとおばさんも。
巻き込んでごめんなさい」
「大丈夫…なんだね?」
シリウスはぎこちなく、小さく頷いた。
「まずは話をしようか。
そちらもよろしいですか?」
「…構わない。
息子が世話になったようだ」
「仕方ありませんね」
「ジェームズ。
2人で部屋に行ってなさい」
「何で!?」
「いいから行きなさい」
いつもは激甘な両親の気迫も感じて戸惑いながらジェームズはシリウスを連れて部屋に行く。
「…シリウス。
大丈夫なのか」
「正直、分からない。
まだ混乱してる」
いつもよりも口数の少ない無表情に近いシリウスにジェームズも気まずくなる。
「…悪い。
巻き込んだくせに」
「それは良いんだよ。
ほら、少しは食べないと。
また痩せたんじゃないか?」
ジェームズからお菓子を渡されてシリウスは見つめる。
「疑うなよ、相棒。
流石の僕もこんな時まで悪戯しないよ」
シリウスはやっと小さく笑ってお菓子を口にした。
(…昨日も眠れてなかったんだろうな)
何口か食べるとシリウスは眠ってしまい、ベットに寝かせた。
(今度は何を抱えてるんだか。
そういうのは一切、話してくれないんだよな。
頼って欲しいのに)
眠っているシリウスの羨ましい程のサラサラな髪に触れてジェームズはため息をつく。
「ちち…うえ?」
「起こしてしまったか。
大丈夫だから眠ってなさい」
(こんなに間近で父上の顔を見たのは久しい。
俺、何してたんだっけ)
「シリウス。
何も考えなくていいわ。
おやすみなさい」
母に額にキスされ、目を手で覆うとシリウスは再び眠る。
高熱を出したシリウスはオリオンに抱えられてポッター家から出て行く。
「息子と関わるなとは言わないが、コレに関してからかうのならば容赦はしない」
「……っ…」
「君が痛手なのは悪戯グッズを買えないことだろうか。
そうすれば、改造も出来ないだろうからね」
「…僕は何も見てません」
「よろしい」
冷たい笑顔を浮かべるオリオンにジェームズは顔を引きつらせる。
「…シリウス」
「何だよ」
「どこに行くのですか?」
「はぁ?」
今から家を出る息子に対してどういうことだと一瞬言葉を失いそうになる。
「貴方はブラック家の嫡男ですよ」
「…これからはレギュラスがそうなるさ。
ブラック家は一人っ子だ」
自分で言っていて悲しくなり、あれだけ傷つけられたのにまだ諦められないのかとシリウスは泣きそうになる。
「…レギュラスでは次期当主にはなれません。
あの子は優しすぎる」
「それ、は…っ」
「貴方もそれをわかっているのでしょう?」
「だったら!
どうしろと言うんだよ!
ずっと、俺に…耐えろと、言うのかよ。
居場所…ないのに…っ」
「どうして貴方は、そうなのですか」
「何が…っ」
母に抱き締められてシリウスは目を見開く。
「そんな行動に移させるくらいに追い込んでいたのは申し訳なく思いますが。
どうして頼らないのですか。
次期当主だって甘えていいのですよ」
「…っズ。
今更…、なんだよ」
「申し訳なく思ってます」
許してしまいそうになっている自分に混乱しながらもシリウスは涙が流れた。
「認めて…欲しかった。
ただ傍に、居て欲しかった。
味方に…なってくれたら。
それでよかったんだよ!」
「えぇ、私達の判断が間違ってました。
ごめんなさいね」
謝って欲しかった訳ではなくて、ただ寄り添って欲しかった。
家出は延長するしかなくて、心配してるかなとぼんやりしながら思っていた。
「シリウス!
連絡もないから心配していたんだ。
何かあったのかい?」
「…家を出るのは延長する」
「何かされたのか?
そうなんだろう!」
「違う、そうじゃない」
「ジェームズ。
やめなさい」
シリウスの服を掴んで揺らすジェームズに両親は宥めて引き離した。
「おじさんとおばさんも。
巻き込んでごめんなさい」
「大丈夫…なんだね?」
シリウスはぎこちなく、小さく頷いた。
「まずは話をしようか。
そちらもよろしいですか?」
「…構わない。
息子が世話になったようだ」
「仕方ありませんね」
「ジェームズ。
2人で部屋に行ってなさい」
「何で!?」
「いいから行きなさい」
いつもは激甘な両親の気迫も感じて戸惑いながらジェームズはシリウスを連れて部屋に行く。
「…シリウス。
大丈夫なのか」
「正直、分からない。
まだ混乱してる」
いつもよりも口数の少ない無表情に近いシリウスにジェームズも気まずくなる。
「…悪い。
巻き込んだくせに」
「それは良いんだよ。
ほら、少しは食べないと。
また痩せたんじゃないか?」
ジェームズからお菓子を渡されてシリウスは見つめる。
「疑うなよ、相棒。
流石の僕もこんな時まで悪戯しないよ」
シリウスはやっと小さく笑ってお菓子を口にした。
(…昨日も眠れてなかったんだろうな)
何口か食べるとシリウスは眠ってしまい、ベットに寝かせた。
(今度は何を抱えてるんだか。
そういうのは一切、話してくれないんだよな。
頼って欲しいのに)
眠っているシリウスの羨ましい程のサラサラな髪に触れてジェームズはため息をつく。
「ちち…うえ?」
「起こしてしまったか。
大丈夫だから眠ってなさい」
(こんなに間近で父上の顔を見たのは久しい。
俺、何してたんだっけ)
「シリウス。
何も考えなくていいわ。
おやすみなさい」
母に額にキスされ、目を手で覆うとシリウスは再び眠る。
高熱を出したシリウスはオリオンに抱えられてポッター家から出て行く。
「息子と関わるなとは言わないが、コレに関してからかうのならば容赦はしない」
「……っ…」
「君が痛手なのは悪戯グッズを買えないことだろうか。
そうすれば、改造も出来ないだろうからね」
「…僕は何も見てません」
「よろしい」
冷たい笑顔を浮かべるオリオンにジェームズは顔を引きつらせる。