小さな黒犬
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こんなに大事になるとは思わず、あとに引けなくなってしまった。
階段から滑り落ち、叱られたくないという理由よりは少しでいいから甘やかして欲しかった。
「シリウス。
本当に何も覚えてないのですか?」
「……っ…」
「そう急かしてはダメだ。
ゆっくりでいいからね」
(あの厳しい両親なんだろうか。
心配してくれてるみたいだけど。
変わり過ぎでは…)
記憶喪失を偽った自分も大概だが。
「シリウス。
具合は悪くないですか?」
「…大丈夫です」
「熱はなさそうだね。
ほら、レモンシャーベットだ。
好きだろう?」
「オリオン!
また食事前に!」
「少しならいいじゃないか」
「そう言ってさっきもチョコレートをあげたじゃないですか」
あの厳しい両親と同一人物なんだろうかと疑いたくなるくらいに溺愛されていた。
思わず、苦笑いしてしまうと両親は顔を見合わせて微笑む。
「溶けてしまう前に食べちゃいなさい」
「…いいの?」
「貰ったものを奪ったりはしないわ。
その代わり、ちゃんと野菜も残さずに食べるのよ」
「はい、母様」
安堵して幼いシリウスはレモンのシャーベットを食べる。
「シリウス。
約束ですからね。
きちんと野菜も…」
「シリウス!
具合悪いのか?」
「戻しそう?
我慢しなくていいわ。
ここに出しなさい」
「うっ…ぇ…ッ」
母に背中をさすられ、幼いシリウスは苦しそうに息をする。
デザートやお菓子は食べれるのに食事は身体が受け付けずに戻してしまう。
「ごめんなさい」
「謝らなくていいのよ。
少し寝ましょうね」
「無理する必要はないよ。
ゆっくり休もうか」
精神的なものだと言われ、様子を見るしかなかった。
「少し落ち着いた?」
「顔色は良くなったな」
「アッサリしたものなら食べれそうかしら。
トマトのスープよ」
「嫌なら食べなくていいし、戻してもいいから」
「う…っ」
「無理はしなくていいわ」
「…ごめんなさい。
匂いが…、ダメ」
「匂い?
野菜の匂いか?」
「わかんない。
生の野菜は大丈夫」
「作り方か?
でも、私達も同じだからな」
「シリウスは香りに敏感なのかもしれないわね。
ハーブがダメなのかしら。
でも、以前は平気だったわね」
何が原因か分からないので両親も頭を悩ませていた。
階段から滑り落ち、叱られたくないという理由よりは少しでいいから甘やかして欲しかった。
「シリウス。
本当に何も覚えてないのですか?」
「……っ…」
「そう急かしてはダメだ。
ゆっくりでいいからね」
(あの厳しい両親なんだろうか。
心配してくれてるみたいだけど。
変わり過ぎでは…)
記憶喪失を偽った自分も大概だが。
「シリウス。
具合は悪くないですか?」
「…大丈夫です」
「熱はなさそうだね。
ほら、レモンシャーベットだ。
好きだろう?」
「オリオン!
また食事前に!」
「少しならいいじゃないか」
「そう言ってさっきもチョコレートをあげたじゃないですか」
あの厳しい両親と同一人物なんだろうかと疑いたくなるくらいに溺愛されていた。
思わず、苦笑いしてしまうと両親は顔を見合わせて微笑む。
「溶けてしまう前に食べちゃいなさい」
「…いいの?」
「貰ったものを奪ったりはしないわ。
その代わり、ちゃんと野菜も残さずに食べるのよ」
「はい、母様」
安堵して幼いシリウスはレモンのシャーベットを食べる。
「シリウス。
約束ですからね。
きちんと野菜も…」
「シリウス!
具合悪いのか?」
「戻しそう?
我慢しなくていいわ。
ここに出しなさい」
「うっ…ぇ…ッ」
母に背中をさすられ、幼いシリウスは苦しそうに息をする。
デザートやお菓子は食べれるのに食事は身体が受け付けずに戻してしまう。
「ごめんなさい」
「謝らなくていいのよ。
少し寝ましょうね」
「無理する必要はないよ。
ゆっくり休もうか」
精神的なものだと言われ、様子を見るしかなかった。
「少し落ち着いた?」
「顔色は良くなったな」
「アッサリしたものなら食べれそうかしら。
トマトのスープよ」
「嫌なら食べなくていいし、戻してもいいから」
「う…っ」
「無理はしなくていいわ」
「…ごめんなさい。
匂いが…、ダメ」
「匂い?
野菜の匂いか?」
「わかんない。
生の野菜は大丈夫」
「作り方か?
でも、私達も同じだからな」
「シリウスは香りに敏感なのかもしれないわね。
ハーブがダメなのかしら。
でも、以前は平気だったわね」
何が原因か分からないので両親も頭を悩ませていた。