僕の願い事
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どんなに拒絶していても、本心では両親に認めて欲しかったんだと今になって理解した。
(信じて欲しかった。
ぬくもりが欲しかった。
愛してると、一度でいいから言って欲しかった…っ)
弱弱しくもオリオンのローブを掴んで嗚咽が溢れた。
「ずっと傍に居て欲しかった。
嘘でいいから、認めて。
信じて欲しかった。
あ、愛してる…って」
「…シリウス。
本当にすまない。
嘘なんかじゃないよ」
「これからは傍に居るわ」
「出来る限り、時間を作るよ。
一緒に過ごそう」
「…ん」
恥ずかしさよりもこの数日間で甘えることを学び、両親も必要以上に甘やかしてくれた。
体調が良くなったら日常になるのかと疑っていたが、そんな様子はないようだ。
お見舞いに来たアルファードが驚愕するくらいには。
「何をしたんだ、シリウス」
「…僕も知りたい。
どうしてこうなったのか」
アルファードの視線に気まずさを感じて目を反らす。
「ところで、あの息苦しさは何だったの?」
「魔力暴走の一種だな。
シリウスの魔力は成人の魔法族の中でも稀な強さと質がある。
それを抑えようとしていたんだよ」
「…そんなことあるの?」
「滅多にないが。
それ程に君の魔力は優れているということだ」
シリウスが敬語で話すと寂しがるので人前でない限りはこの口調で両親と話している。
敬語ではないので甘えた口調だと両親は思っているようだ。
「それ程にシリウスの魔力が強いことよ。
幼いうちは魔力暴走は当たり前のことで恥ずかしいことではないの。
無理に抑えることはないのよ。
それで体調を崩す方が大変…、いえ、心配になるわ」
自覚はなかったが、シリウスは頷いて無意識に身体の精神力に引っ張られるのかもしれない。
「僕、今は何歳?」
「5歳よ」
(…思っていたよりも幼い。
ホグワーツの入学まで長いな。
勉強期間と思うしかないか。
本家の書斎には貴重な本もあるはずだし)
特に出入りを禁じられてないので問題はないだろう。
「理解しているようだな。
では、これはわかるかい?
ゆっくりで構わないよ」
(この年齢の時には家庭教師がいたような気がするけど)
オリオンが教えてくれた方が変に気遣わなくていいから気が楽なので問題はない。
毎日疲れた様子のシリウスに両親が気づいたのだが、本人の自覚は薄い。
「今日はこのくらいにしておこうか」
「ん〜…」
眠たそうに目を擦る幼いシリウスにオリオンは執務室から抱えて出て来る。
「すぅ…すぅ…」
幼い身体は睡魔に勝てず、オリオンの腕の中で毎日お昼寝タイムになってしまう。
(5歳の時の記憶なんてほとんどないし、以前とは違うこともあるかもしれない。
家族以外ではアルファードと会っているのは間違いないんだけど、分家の人達とも多少なり会っていたはずだ)
少しでも記憶に残っていて欲しかったなと思う。
(成長ということで誤魔化せるだろう。
分家ならうまく誤魔化してくれるだろうから)
完全に信頼している訳ではないが、両親だけに非がある訳ではないので少しずつ信じてみることにした。
「シリウス。
起きていたのかい?」
「…父様」
「何か考え事かい?」
「記憶がなくて。
アルファード以外と会ったこともあると思うんだけど」
「パーティーでもそこまで交流はさせてなかったし、挨拶程度だった。
分家の者は分家の当主とブラック家の三姉妹だな」
「それなら、問題ない?」
「気にすることはないさ。
さあ、食事に行こうか」
「はい…父様」
両親にお願いされて人前以外では呼び方も変えている。
「兄様、おはようございます」
「おはよう、レギュラス」
まだ舌足らずな口調のレギュラスにシリウスは微かに笑みが浮かんだ。
「…いつもと違う」
「えっ?」
「いつもはレグって呼んでくれてました」
不満を露わにするレギュラスにシリウスは苦笑いする。
「そうだったな。
ごめん、レグ。
おはよう」
額にキスをして謝るとレギュラスはご満悦。
(…分かりやすい。
ブラック家で生きているのに。
まぁ、数年後は無愛想な子になるんだけど。
主に母と言い争っていて板挟みにされていたからな。
余計な苦労をさせてしまっていたな)
いつもと違う両親とシリウスにレギュラスは嬉しそうだ。
家の雰囲気が明るくなっているのも気のせいではないだろう。
(信じて欲しかった。
ぬくもりが欲しかった。
愛してると、一度でいいから言って欲しかった…っ)
弱弱しくもオリオンのローブを掴んで嗚咽が溢れた。
「ずっと傍に居て欲しかった。
嘘でいいから、認めて。
信じて欲しかった。
あ、愛してる…って」
「…シリウス。
本当にすまない。
嘘なんかじゃないよ」
「これからは傍に居るわ」
「出来る限り、時間を作るよ。
一緒に過ごそう」
「…ん」
恥ずかしさよりもこの数日間で甘えることを学び、両親も必要以上に甘やかしてくれた。
体調が良くなったら日常になるのかと疑っていたが、そんな様子はないようだ。
お見舞いに来たアルファードが驚愕するくらいには。
「何をしたんだ、シリウス」
「…僕も知りたい。
どうしてこうなったのか」
アルファードの視線に気まずさを感じて目を反らす。
「ところで、あの息苦しさは何だったの?」
「魔力暴走の一種だな。
シリウスの魔力は成人の魔法族の中でも稀な強さと質がある。
それを抑えようとしていたんだよ」
「…そんなことあるの?」
「滅多にないが。
それ程に君の魔力は優れているということだ」
シリウスが敬語で話すと寂しがるので人前でない限りはこの口調で両親と話している。
敬語ではないので甘えた口調だと両親は思っているようだ。
「それ程にシリウスの魔力が強いことよ。
幼いうちは魔力暴走は当たり前のことで恥ずかしいことではないの。
無理に抑えることはないのよ。
それで体調を崩す方が大変…、いえ、心配になるわ」
自覚はなかったが、シリウスは頷いて無意識に身体の精神力に引っ張られるのかもしれない。
「僕、今は何歳?」
「5歳よ」
(…思っていたよりも幼い。
ホグワーツの入学まで長いな。
勉強期間と思うしかないか。
本家の書斎には貴重な本もあるはずだし)
特に出入りを禁じられてないので問題はないだろう。
「理解しているようだな。
では、これはわかるかい?
ゆっくりで構わないよ」
(この年齢の時には家庭教師がいたような気がするけど)
オリオンが教えてくれた方が変に気遣わなくていいから気が楽なので問題はない。
毎日疲れた様子のシリウスに両親が気づいたのだが、本人の自覚は薄い。
「今日はこのくらいにしておこうか」
「ん〜…」
眠たそうに目を擦る幼いシリウスにオリオンは執務室から抱えて出て来る。
「すぅ…すぅ…」
幼い身体は睡魔に勝てず、オリオンの腕の中で毎日お昼寝タイムになってしまう。
(5歳の時の記憶なんてほとんどないし、以前とは違うこともあるかもしれない。
家族以外ではアルファードと会っているのは間違いないんだけど、分家の人達とも多少なり会っていたはずだ)
少しでも記憶に残っていて欲しかったなと思う。
(成長ということで誤魔化せるだろう。
分家ならうまく誤魔化してくれるだろうから)
完全に信頼している訳ではないが、両親だけに非がある訳ではないので少しずつ信じてみることにした。
「シリウス。
起きていたのかい?」
「…父様」
「何か考え事かい?」
「記憶がなくて。
アルファード以外と会ったこともあると思うんだけど」
「パーティーでもそこまで交流はさせてなかったし、挨拶程度だった。
分家の者は分家の当主とブラック家の三姉妹だな」
「それなら、問題ない?」
「気にすることはないさ。
さあ、食事に行こうか」
「はい…父様」
両親にお願いされて人前以外では呼び方も変えている。
「兄様、おはようございます」
「おはよう、レギュラス」
まだ舌足らずな口調のレギュラスにシリウスは微かに笑みが浮かんだ。
「…いつもと違う」
「えっ?」
「いつもはレグって呼んでくれてました」
不満を露わにするレギュラスにシリウスは苦笑いする。
「そうだったな。
ごめん、レグ。
おはよう」
額にキスをして謝るとレギュラスはご満悦。
(…分かりやすい。
ブラック家で生きているのに。
まぁ、数年後は無愛想な子になるんだけど。
主に母と言い争っていて板挟みにされていたからな。
余計な苦労をさせてしまっていたな)
いつもと違う両親とシリウスにレギュラスは嬉しそうだ。
家の雰囲気が明るくなっているのも気のせいではないだろう。