僕の願い事
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あの日、裏切られてから絶望の日々だった。
だからこそ、真逆の人生を歩もうと拒絶せずに苦痛も受け入れて自分の為にも大切な者の為にも学んだ。
今まで正しいと思っていたことも“正義”だったのかと疑問が浮かんだ。
(結局は…、ブラックという自分を利用された…だけ、だった。
誰も僕を認めてはなかったのかもしれない。
上辺だけで見ていたのは、僕も同じだ。
なんて…醜い心…だろうか。
自分は守られていた。
あんなことして、家を出たにも関わらず。
口では言っていても。
認めてくれていた。
愛して…くれていた。
なのに、僕は…裏切ってばかりで、傷つけてばかりで。
なんて酷いんだろう。
裏切られて当然だ。
僕のせいで、ジェームズとリリーは亡き者にされて。
ハリーは…孤独に…っ)
全部が自分のせいだと薄暗い書斎で本を片手に静かに涙が流れ、必死に嗚咽を抑えていた。
(マグルと魔法族の間に何があったのかも学ばないで、何も聞かずに悪だと信じて疑わず。
ホグワーツでもそんな文面も見当たらなかった。
マグル出身に対する配慮もあるだろうけれど。
コレは“意図的に”誰かによって操作されていた。
僕は世間知らずで、利用されていたことも知らずに信じて。
本当に…、馬鹿だ)
憎しみなど消え失せて後悔と絶望が心に深くのしかかる。
「シリウス…?」
「あ…っ」
「具合悪いのかい?」
「ちが…っ、僕は…っ」
「何も言わなくていい。
大丈夫だ、シリウス」
パニックに陥る幼いシリウスを抱えて宥めるように優しくポンポンと背を叩かれた。
嗚咽が漏れて幼いシリウスはオリオンにしがみついた。
「オリオン。
シリウスは?
一体、何が…っ」
「わからない。
この本を手に泣いていた。
幼い子が、隠れるように嗚咽を抑えて泣いていたんだ」
「この子の身に何が起きているんでしょうか。
あんなに必死に私達に反発していたのに。
それを受け入れて、まるで大人になったように性格がある日変わって。
どんな子だろうと私達の子には変わりはないですし、愛しています。
それでもこの子は…苦痛を独りで抱えているのではないかと。
心配で不安で、たまりません。
そんなことを言うのは。
母としても妻として、女主人として失格でしょうが」
泣き疲れて眠っているシリウスの頭を母は優しく撫でた。
「…そんなことはない。
シリウスはシリウスだけれど。
心配になるのも不安なのも、何も間違いではないさ。
ただ見守り、厳しくすることしか出来ないのは辛いものだな」
「…厳しいだけがこの子の為になるのか」
「それでも、シリウスは次期当主だ」
どうしたら正解なのか両親も半信半疑なのだろう。
「ん…っ」
「シリウス。
起きたか」
「覚えてますか。
書斎で倒れたんですよ。
シリウス、聞いていますか?」
いつもの小言に憂鬱な気持ちになりながらシリウスは謝る。
(…頭が痛い。
あの日の出来事が。
頭から、離れない)
納得してなさそうな両親が自室から出て行くと安堵と共に倦怠感にベットに身を預ける。
(傍に居て欲しいなんて。
おかしいな。
幼い身体に…引っ張られているんだろうか。
そんなこと、されたことないくせに)
苦痛を感じながらも目を強く瞑り、耐えるしかない。
「う…っ、ァ…っ」
激しい痛みに苦痛に顔が歪み、唸り声が上がる。
「シリウス!
大丈夫よ。
もうすぐ魔法薬が効くわ。
ごめんね、ずっと苦しかったでしょう。
痛かったのに。
気づかないで、1人にして」
「…母上」
「大丈夫よ。
傍に居ますから」
流れる涙を指で拭われ、手を握られていた。
表情が歪んでいる姿を見るのは初めてだった。
「はは…うえ」
「ここに居るわ」
「かは…ッ」
「シリウス!」
呼吸するのも辛くて痛くて苦痛に顔が歪む。
生きていると実感するのは母のぬくもり。
「う…っ、あァ…ッ」
「大丈夫。
シリウス、大丈夫よ。
何も怖くないわ。
母様が傍に居るから!」
どんなに暴れても母は抱き締めることをやめることはなかった。
「ふ…っ、ァ…」
「少し落ち着いた?」
「僕…っ」
「謝らなくていいの。
さあ、寝ましょうね」
母の綺麗な整えていた髪は乱れて頬や手にも傷があり、自分が錯乱して暴れたのは明白だった。
「ごめっ、なさ…ッ」
「シリウスのせいじゃないわ。
ゆっくり深呼吸して。
また息が辛くなるでしょう?
少し落ち着いたならよかった」
母に抱き締められてベットに寝かされた。
(…また傷つけてしまった。
それでも離さないなんて。
でも、落ち着く)
母の心音とぬくもりに疲れもあってウトウトしてしまう。
だからこそ、真逆の人生を歩もうと拒絶せずに苦痛も受け入れて自分の為にも大切な者の為にも学んだ。
今まで正しいと思っていたことも“正義”だったのかと疑問が浮かんだ。
(結局は…、ブラックという自分を利用された…だけ、だった。
誰も僕を認めてはなかったのかもしれない。
上辺だけで見ていたのは、僕も同じだ。
なんて…醜い心…だろうか。
自分は守られていた。
あんなことして、家を出たにも関わらず。
口では言っていても。
認めてくれていた。
愛して…くれていた。
なのに、僕は…裏切ってばかりで、傷つけてばかりで。
なんて酷いんだろう。
裏切られて当然だ。
僕のせいで、ジェームズとリリーは亡き者にされて。
ハリーは…孤独に…っ)
全部が自分のせいだと薄暗い書斎で本を片手に静かに涙が流れ、必死に嗚咽を抑えていた。
(マグルと魔法族の間に何があったのかも学ばないで、何も聞かずに悪だと信じて疑わず。
ホグワーツでもそんな文面も見当たらなかった。
マグル出身に対する配慮もあるだろうけれど。
コレは“意図的に”誰かによって操作されていた。
僕は世間知らずで、利用されていたことも知らずに信じて。
本当に…、馬鹿だ)
憎しみなど消え失せて後悔と絶望が心に深くのしかかる。
「シリウス…?」
「あ…っ」
「具合悪いのかい?」
「ちが…っ、僕は…っ」
「何も言わなくていい。
大丈夫だ、シリウス」
パニックに陥る幼いシリウスを抱えて宥めるように優しくポンポンと背を叩かれた。
嗚咽が漏れて幼いシリウスはオリオンにしがみついた。
「オリオン。
シリウスは?
一体、何が…っ」
「わからない。
この本を手に泣いていた。
幼い子が、隠れるように嗚咽を抑えて泣いていたんだ」
「この子の身に何が起きているんでしょうか。
あんなに必死に私達に反発していたのに。
それを受け入れて、まるで大人になったように性格がある日変わって。
どんな子だろうと私達の子には変わりはないですし、愛しています。
それでもこの子は…苦痛を独りで抱えているのではないかと。
心配で不安で、たまりません。
そんなことを言うのは。
母としても妻として、女主人として失格でしょうが」
泣き疲れて眠っているシリウスの頭を母は優しく撫でた。
「…そんなことはない。
シリウスはシリウスだけれど。
心配になるのも不安なのも、何も間違いではないさ。
ただ見守り、厳しくすることしか出来ないのは辛いものだな」
「…厳しいだけがこの子の為になるのか」
「それでも、シリウスは次期当主だ」
どうしたら正解なのか両親も半信半疑なのだろう。
「ん…っ」
「シリウス。
起きたか」
「覚えてますか。
書斎で倒れたんですよ。
シリウス、聞いていますか?」
いつもの小言に憂鬱な気持ちになりながらシリウスは謝る。
(…頭が痛い。
あの日の出来事が。
頭から、離れない)
納得してなさそうな両親が自室から出て行くと安堵と共に倦怠感にベットに身を預ける。
(傍に居て欲しいなんて。
おかしいな。
幼い身体に…引っ張られているんだろうか。
そんなこと、されたことないくせに)
苦痛を感じながらも目を強く瞑り、耐えるしかない。
「う…っ、ァ…っ」
激しい痛みに苦痛に顔が歪み、唸り声が上がる。
「シリウス!
大丈夫よ。
もうすぐ魔法薬が効くわ。
ごめんね、ずっと苦しかったでしょう。
痛かったのに。
気づかないで、1人にして」
「…母上」
「大丈夫よ。
傍に居ますから」
流れる涙を指で拭われ、手を握られていた。
表情が歪んでいる姿を見るのは初めてだった。
「はは…うえ」
「ここに居るわ」
「かは…ッ」
「シリウス!」
呼吸するのも辛くて痛くて苦痛に顔が歪む。
生きていると実感するのは母のぬくもり。
「う…っ、あァ…ッ」
「大丈夫。
シリウス、大丈夫よ。
何も怖くないわ。
母様が傍に居るから!」
どんなに暴れても母は抱き締めることをやめることはなかった。
「ふ…っ、ァ…」
「少し落ち着いた?」
「僕…っ」
「謝らなくていいの。
さあ、寝ましょうね」
母の綺麗な整えていた髪は乱れて頬や手にも傷があり、自分が錯乱して暴れたのは明白だった。
「ごめっ、なさ…ッ」
「シリウスのせいじゃないわ。
ゆっくり深呼吸して。
また息が辛くなるでしょう?
少し落ち着いたならよかった」
母に抱き締められてベットに寝かされた。
(…また傷つけてしまった。
それでも離さないなんて。
でも、落ち着く)
母の心音とぬくもりに疲れもあってウトウトしてしまう。