失態と黒の兄弟
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案の定と言うべきか、両親からの手紙と贈り物にため息をつく。
永遠に叱られるよりはマシかと思うしかない。
この件に免じて寮のことは許すということなんだろう。
「兄様、おはようございます」
「…おはよう」
小さな頃のように挨拶に来るレギュラスに一瞬だけ言葉に詰まるが、シリウスはふわりと笑う。
今まで自分達でさえも見たことのない柔らかな自然体の優しい笑みだった。
その微笑みを見たレギュラスも嬉しそうに笑う。
「もう…、美貌って卑怯だ」
頭を抱えてしまったジェームズにリーマスが笑う。
「いいじゃないか。
幸せそうで」
「こっちは不幸せだよ。
無駄な色気にやられる」
「まぁ、色々と…大変そう、だよね」
今後のことを想像してジェームズは深い溜め息、ピーターは顔が引きつった。
マイペースにリーマスはいつものようにチョコレートを食べて幸せそうだったが。
「チョコレートばっかり食べるなと言ってるだろ、リーマス」
「僕のチョコレート!」
「野菜と主食を食べたらな」
((…こういうとこは“お兄さん”なんだよね))
意外と世話焼きのシリウスに苦笑いする。
「ただいま」
「お帰りなさい、シリウス。
レギュラスも」
「おわ…っ」
「お帰り。
シリウス、レギュラス」
妻に抱き締められているシリウスにオリオンは微笑む。
「さあ、帰ろうか。
色々と話したいこともある。
逃げ出さなかっただけ褒めてやろう」
「…最悪」
呟くシリウスに微笑んでオリオンは肩を抱いた。
(選択は間違った気もするけど。
まぁ、こういう形の家族も悪くはないか)
諦めて受け入れるしかないかと苦笑いする。
(きっつ…。
今までサボってたし、仕方ないんだけど)
次期当主として知識を得なくてはいけないので仕方ない。
(それ以上に母上が変わりすぎて怖いんだけど)
若干、引いてしまっている面もあるのだが。
「兄様。
お疲れ様です。
母上がティータイムは如何ですか?と」
「…俺は部屋に。
何だよ、レギュラス」
「また一緒に過ごしたい。
ずっと離れてたから」
「わ、分かったよ」
自分がレギュラスに甘えられると弱いと理解した上で母が呼びに来させている。
「シリウス、お疲れ様です。
いつもの紅茶でいいですか?」
「…サッパリしたのならば。
レギュラスみたいな甘いのは無理です」
「ふふっ、分かったわ」
(穏やかな表情だな)
今まで見たことないが、それも悪くない。
「どうかしましたか?」
「いや…、幸せそうだなと」
「息子達が戻って来ましたから、幸せですよ」
まさか母からそんな返答が来るとは思わず、シリウスは瞬きしてしまう。
満足そうな母の微笑みにやられたなとシリウスは小さく笑う。
心は満たされていて、ジェームズに揶揄られながらも悪くないと思う。
「…レギュラスが失態した甲斐があったな」
「兄様っ!」
シリウスにからかわれてレギュラスは真っ赤になる。
楽しそうに笑い、シリウスはレギュラスの頭を撫でた。
-END-
2024.9.6
永遠に叱られるよりはマシかと思うしかない。
この件に免じて寮のことは許すということなんだろう。
「兄様、おはようございます」
「…おはよう」
小さな頃のように挨拶に来るレギュラスに一瞬だけ言葉に詰まるが、シリウスはふわりと笑う。
今まで自分達でさえも見たことのない柔らかな自然体の優しい笑みだった。
その微笑みを見たレギュラスも嬉しそうに笑う。
「もう…、美貌って卑怯だ」
頭を抱えてしまったジェームズにリーマスが笑う。
「いいじゃないか。
幸せそうで」
「こっちは不幸せだよ。
無駄な色気にやられる」
「まぁ、色々と…大変そう、だよね」
今後のことを想像してジェームズは深い溜め息、ピーターは顔が引きつった。
マイペースにリーマスはいつものようにチョコレートを食べて幸せそうだったが。
「チョコレートばっかり食べるなと言ってるだろ、リーマス」
「僕のチョコレート!」
「野菜と主食を食べたらな」
((…こういうとこは“お兄さん”なんだよね))
意外と世話焼きのシリウスに苦笑いする。
「ただいま」
「お帰りなさい、シリウス。
レギュラスも」
「おわ…っ」
「お帰り。
シリウス、レギュラス」
妻に抱き締められているシリウスにオリオンは微笑む。
「さあ、帰ろうか。
色々と話したいこともある。
逃げ出さなかっただけ褒めてやろう」
「…最悪」
呟くシリウスに微笑んでオリオンは肩を抱いた。
(選択は間違った気もするけど。
まぁ、こういう形の家族も悪くはないか)
諦めて受け入れるしかないかと苦笑いする。
(きっつ…。
今までサボってたし、仕方ないんだけど)
次期当主として知識を得なくてはいけないので仕方ない。
(それ以上に母上が変わりすぎて怖いんだけど)
若干、引いてしまっている面もあるのだが。
「兄様。
お疲れ様です。
母上がティータイムは如何ですか?と」
「…俺は部屋に。
何だよ、レギュラス」
「また一緒に過ごしたい。
ずっと離れてたから」
「わ、分かったよ」
自分がレギュラスに甘えられると弱いと理解した上で母が呼びに来させている。
「シリウス、お疲れ様です。
いつもの紅茶でいいですか?」
「…サッパリしたのならば。
レギュラスみたいな甘いのは無理です」
「ふふっ、分かったわ」
(穏やかな表情だな)
今まで見たことないが、それも悪くない。
「どうかしましたか?」
「いや…、幸せそうだなと」
「息子達が戻って来ましたから、幸せですよ」
まさか母からそんな返答が来るとは思わず、シリウスは瞬きしてしまう。
満足そうな母の微笑みにやられたなとシリウスは小さく笑う。
心は満たされていて、ジェームズに揶揄られながらも悪くないと思う。
「…レギュラスが失態した甲斐があったな」
「兄様っ!」
シリウスにからかわれてレギュラスは真っ赤になる。
楽しそうに笑い、シリウスはレギュラスの頭を撫でた。
-END-
2024.9.6