暗闇の希望
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両親は困ったように笑い、シリウスを慰めてくれた。
「そんな顔をしないで」
「何度だってするよ」
「ほんと…?」
「あぁ、約束する」
「勿論よ」
約束通りに両親は毎朝、毎晩、シリウスにしてくれた。
「父上、母上。
ホグワーツから入学の手紙が届きました」
「よくやった。
流石は我々の息子だ。
どうした、あんなに楽しみにしていただろう?」
「おめでとう、シリウス。
嬉しくないのですか?」
「行きたくない…っ」
泣きながら行きたくないと駄々をこねるシリウスに両親は戸惑い、話を聞く。
「落ち着いて。
シリウス、何が嫌なの?」
「不安かもしれないけれど。
何も怖いことは起きないよ」
「寂しい…っ」
「「えっ!?」」
レギュラス以上に甘やかされて尽くされていたシリウス。
それが当たり前になってしまった日常に満足していた。
シリウスの予想外の言葉に両親は一瞬、言葉を失う。
「ふは…っ、すまない。
私達の息子は何歳になっても可愛らしいな」
「ふふっ…そうね」
「笑わないで…っ」
「バカにしたんじゃないさ。
シリウス、寮暮らしになるのも慣れないだろうけど。
ここでは経験の出来ないことが沢山あるよ」
「父様と母様と離れたくない」
また幼少期の呼び方になってしまい、泣きながらシリウスは両親に甘えるように抱きつく。
「まったく。
何歳になっても困った子だ」
「そんなこと言われたら、行かせたくなってしまうわ」
「むぅ…」
「休暇に帰っておいで。
沢山の思い出を話しておくれ」
「いっぱい甘やかしてくれる?」
「勿論だとも」
「レグだけ可愛がってたら許さないからね」
「そんなことしないわ。
貴方が一番よ、シリウス」
「…ん」
やっと両親に宥められてシリウスは笑顔を見せる。
「あれだけ行きたくないと泣きついていたわりには」
「列車にすぐに乗りましたね」
半ば呆れながらも両親は苦笑いしつつ、寂しそうに列車を眺めていた。
結局はシリウスは楽しみが勝ってしまったらしい。
(…この列車も景色も懐かしい)
何をするのも懐かしくて少しだけ泣きそうになった。
(両親に大切にされて愛されて、充実している。
とても信頼しているし。
だからって何歳なんだよ。
身体の年齢に引っ張られたと思いたい!
それがあって寂しくならないようにと両親は構い倒すし!
いや、嫌じゃなかったけど。
嬉しかったけど)
恥ずかし過ぎて叫びそうになり、頭を抱えてしまう。
両親は心配だから分家の子達に付き添ってもらおうとしたが、シリウスが大丈夫だと言い張った。
最終的には“僕を信じてないんだ”と泣き落とし、両親を慌てさせてしまったが。
(計算上の行動だけど。
ぶりっ子みたいだな)
最初は罪悪感が多少なりあったが、少し楽しくなっている自分もいる。
(探索もいいけど。
それよりも朝早く起きてしまったから眠い…)
楽しみ過ぎて両親の寝室に突撃して起こしたシリウスに両親は苦笑いしていたが。
あれだけ嫌だと行きたくないと泣いていた子に思えないと両親は笑っていた。
以前なら品格がないと激怒された事案だろう。
「ん…っ」
ふと人の気配がして目を覚まし、シリウスは瞬きする。
「あ…、起こしちゃった?
一応はノックしたのよ。
どこもいっぱいで、ね?」
赤髪の女の子はにっこりと笑い、シリウスは見つめる。
「り、リリー。
流石にダメだと思うよ。
寝てるうちに居座るなんて」
「仕方ないじゃない。
ここしか空いてなかったし」
「…全部聞こえてる」
「「あ…っ」」
小声で話しているつもりだったようで気まずそうに目を反らす。
(ジェームズよりも先に出会うことになるとは。
見覚えあると思ったら。
まぁ、記憶にあるのは大人になってからの姿だし)
流石に叱られるかなとシリウスの反応を伺う。
「あ、あの…」
「なんだ?」
「追い出さないの?」
「…追い出されたいのか?」
「そうじゃないけど」
「具合悪いの?」
「頭痛、するだけだ」
自分を罠に嵌めた張本人のことを想像してシリウスはズキズキと頭が痛んだ。
「これ、よかったら…」
「魔法薬?」
「セブの魔法薬は効くのよ!
それに、苦くないの」
(魔法薬の教授になっていたが、そこまで入学前に才能があったんだろうか)
気遣いでくれたのに無下にも出来ず、シリウスは毒薬ではないだろうと確信して飲む。
「そんな顔をしないで」
「何度だってするよ」
「ほんと…?」
「あぁ、約束する」
「勿論よ」
約束通りに両親は毎朝、毎晩、シリウスにしてくれた。
「父上、母上。
ホグワーツから入学の手紙が届きました」
「よくやった。
流石は我々の息子だ。
どうした、あんなに楽しみにしていただろう?」
「おめでとう、シリウス。
嬉しくないのですか?」
「行きたくない…っ」
泣きながら行きたくないと駄々をこねるシリウスに両親は戸惑い、話を聞く。
「落ち着いて。
シリウス、何が嫌なの?」
「不安かもしれないけれど。
何も怖いことは起きないよ」
「寂しい…っ」
「「えっ!?」」
レギュラス以上に甘やかされて尽くされていたシリウス。
それが当たり前になってしまった日常に満足していた。
シリウスの予想外の言葉に両親は一瞬、言葉を失う。
「ふは…っ、すまない。
私達の息子は何歳になっても可愛らしいな」
「ふふっ…そうね」
「笑わないで…っ」
「バカにしたんじゃないさ。
シリウス、寮暮らしになるのも慣れないだろうけど。
ここでは経験の出来ないことが沢山あるよ」
「父様と母様と離れたくない」
また幼少期の呼び方になってしまい、泣きながらシリウスは両親に甘えるように抱きつく。
「まったく。
何歳になっても困った子だ」
「そんなこと言われたら、行かせたくなってしまうわ」
「むぅ…」
「休暇に帰っておいで。
沢山の思い出を話しておくれ」
「いっぱい甘やかしてくれる?」
「勿論だとも」
「レグだけ可愛がってたら許さないからね」
「そんなことしないわ。
貴方が一番よ、シリウス」
「…ん」
やっと両親に宥められてシリウスは笑顔を見せる。
「あれだけ行きたくないと泣きついていたわりには」
「列車にすぐに乗りましたね」
半ば呆れながらも両親は苦笑いしつつ、寂しそうに列車を眺めていた。
結局はシリウスは楽しみが勝ってしまったらしい。
(…この列車も景色も懐かしい)
何をするのも懐かしくて少しだけ泣きそうになった。
(両親に大切にされて愛されて、充実している。
とても信頼しているし。
だからって何歳なんだよ。
身体の年齢に引っ張られたと思いたい!
それがあって寂しくならないようにと両親は構い倒すし!
いや、嫌じゃなかったけど。
嬉しかったけど)
恥ずかし過ぎて叫びそうになり、頭を抱えてしまう。
両親は心配だから分家の子達に付き添ってもらおうとしたが、シリウスが大丈夫だと言い張った。
最終的には“僕を信じてないんだ”と泣き落とし、両親を慌てさせてしまったが。
(計算上の行動だけど。
ぶりっ子みたいだな)
最初は罪悪感が多少なりあったが、少し楽しくなっている自分もいる。
(探索もいいけど。
それよりも朝早く起きてしまったから眠い…)
楽しみ過ぎて両親の寝室に突撃して起こしたシリウスに両親は苦笑いしていたが。
あれだけ嫌だと行きたくないと泣いていた子に思えないと両親は笑っていた。
以前なら品格がないと激怒された事案だろう。
「ん…っ」
ふと人の気配がして目を覚まし、シリウスは瞬きする。
「あ…、起こしちゃった?
一応はノックしたのよ。
どこもいっぱいで、ね?」
赤髪の女の子はにっこりと笑い、シリウスは見つめる。
「り、リリー。
流石にダメだと思うよ。
寝てるうちに居座るなんて」
「仕方ないじゃない。
ここしか空いてなかったし」
「…全部聞こえてる」
「「あ…っ」」
小声で話しているつもりだったようで気まずそうに目を反らす。
(ジェームズよりも先に出会うことになるとは。
見覚えあると思ったら。
まぁ、記憶にあるのは大人になってからの姿だし)
流石に叱られるかなとシリウスの反応を伺う。
「あ、あの…」
「なんだ?」
「追い出さないの?」
「…追い出されたいのか?」
「そうじゃないけど」
「具合悪いの?」
「頭痛、するだけだ」
自分を罠に嵌めた張本人のことを想像してシリウスはズキズキと頭が痛んだ。
「これ、よかったら…」
「魔法薬?」
「セブの魔法薬は効くのよ!
それに、苦くないの」
(魔法薬の教授になっていたが、そこまで入学前に才能があったんだろうか)
気遣いでくれたのに無下にも出来ず、シリウスは毒薬ではないだろうと確信して飲む。