暗闇の希望
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まるで長い夢から目覚めたような感覚だった。
(…夢じゃないんだ。
本当に戻って来れたんだ)
自分の小さな手を見て、鏡に写る姿に実感する。
「シリウス。
遅いですよ」
「早く座りなさい」
「おはようございます」
家族が生きていることに泣きそうになりながらも歩いて行く。
「え…?
あぁ、おはよう」
自分達に近づくシリウスに両親も戸惑う。
「シリウス。
何をして…っ」
「家族の挨拶です」
「いや、そうかもしれんが。
そうではなくて」
「父上。
大好きです」
「……っ…」
シリウスに微笑まれて頬にキスされ、家族が大好きなオリオンには効果が絶大のようだ。
「おはようございます。
母上、大好きです」
「何を…。
熱は、ない…ですね」
意味が分からずに戸惑いながら見つめる。
「どうしたんですか」
「叱らないから言いなさい」
「コミュニケーションです。
家族でキスするのはおかしくないでしょう?」
「いや、そうだが…」
両親は根負けして諦め、受け入れるしかない。
いくら反発していてもまだ入学もしてない小さなシリウスには弱かった。
「父様、切ってください」
「…自分で出来るだろう」
「ダメ…?」
「今回だけだからな」
「ありがとうございます」
「オリオン」
「し、仕方ないだろ」
我が子に上目遣いで見られ、滅多に甘えられないオリオンは弱かった。
「母様、取り分けて」
「自分で…やりなさい」
「(ウルウル)」
「…今回だけですよ」
「君もじゃないか」
「仕方ないじゃないですか」
愛しい我が子に反発されて悲しかったのもあり、甘えてもらうと両親は弱い。
「ほら、切ったぞ。
沢山食べなさい」
「ありがとうございます」
「取り分けたわ。
ゆっくり食べるんですよ」
「はい、母様」
シリウスの戦略に両親は翻弄されてしまう。
今回だけだと言いながら食事の度に世話していた。
「父様、抱っこ!」
「はっ?」
「抱えてくれないの?」
「…こうか?」
「うん!」
シリウスを膝に抱えてオリオンは執務室で仕事するのが日課になった。
「シリウス。
お父様の邪魔をしてはいけませんよ」
「僕、邪魔…?」
「そうではなくて。
シリウス、向こうでお菓子を食べましょう。
貴方が好きなお菓子を用意してあげるわ」
厳しすぎて赤ちゃん返りしているのではないかと両親は厳しく出来ずにいた。
(認めて欲しくて意思を主張していたけれど。
意見を聞いてもらう為には信頼をされないといけないから。
両親を変えるのは難しいかもしれないけど、自分を変えるのは簡単だから)
それが両親にとって“いい子”だとしても笑顔で愛情を向ける我が子の方が愛しいと思うのは人間の心理だろう。
(レギュラスは確かに正しい道を歩んだのかもしれない。
ただ、そこに“自分の意思”はなかった。
いつだって考えるのは両親の意思だ。
それが悪いとは言わないけど)
どうしたいのかと聞かれてしまえば、レギュラスは答えられないのだろう。
それがレギュラスの生きる価値だったのだから。
(環境的に自分の意思なんて言える訳がなかった。
まぁ、そこは僕の責任も大きいのだけれど。
今度こそは家族で幸せになりたいんだ。
幸せを願って何が悪いんだ)
シリウスの愛情表現は両親に影響を及ぼすとは本人は思ってもいなかった。
「シリウス、おはよう」
「今日は早起きさんね。
おはようございます、シリウス」
いつもは自分からキスするだけだったのでシリウスはキョトンと見つめる。
「どうしたんだい?」
「嫌だったかしら」
「うぅん…びっくりして。
僕、幸せです」
両親から抱擁されて頬にキスされてシリウスは泣きそうな顔でオリオンの首に抱きつく。
(…夢じゃないんだ。
本当に戻って来れたんだ)
自分の小さな手を見て、鏡に写る姿に実感する。
「シリウス。
遅いですよ」
「早く座りなさい」
「おはようございます」
家族が生きていることに泣きそうになりながらも歩いて行く。
「え…?
あぁ、おはよう」
自分達に近づくシリウスに両親も戸惑う。
「シリウス。
何をして…っ」
「家族の挨拶です」
「いや、そうかもしれんが。
そうではなくて」
「父上。
大好きです」
「……っ…」
シリウスに微笑まれて頬にキスされ、家族が大好きなオリオンには効果が絶大のようだ。
「おはようございます。
母上、大好きです」
「何を…。
熱は、ない…ですね」
意味が分からずに戸惑いながら見つめる。
「どうしたんですか」
「叱らないから言いなさい」
「コミュニケーションです。
家族でキスするのはおかしくないでしょう?」
「いや、そうだが…」
両親は根負けして諦め、受け入れるしかない。
いくら反発していてもまだ入学もしてない小さなシリウスには弱かった。
「父様、切ってください」
「…自分で出来るだろう」
「ダメ…?」
「今回だけだからな」
「ありがとうございます」
「オリオン」
「し、仕方ないだろ」
我が子に上目遣いで見られ、滅多に甘えられないオリオンは弱かった。
「母様、取り分けて」
「自分で…やりなさい」
「(ウルウル)」
「…今回だけですよ」
「君もじゃないか」
「仕方ないじゃないですか」
愛しい我が子に反発されて悲しかったのもあり、甘えてもらうと両親は弱い。
「ほら、切ったぞ。
沢山食べなさい」
「ありがとうございます」
「取り分けたわ。
ゆっくり食べるんですよ」
「はい、母様」
シリウスの戦略に両親は翻弄されてしまう。
今回だけだと言いながら食事の度に世話していた。
「父様、抱っこ!」
「はっ?」
「抱えてくれないの?」
「…こうか?」
「うん!」
シリウスを膝に抱えてオリオンは執務室で仕事するのが日課になった。
「シリウス。
お父様の邪魔をしてはいけませんよ」
「僕、邪魔…?」
「そうではなくて。
シリウス、向こうでお菓子を食べましょう。
貴方が好きなお菓子を用意してあげるわ」
厳しすぎて赤ちゃん返りしているのではないかと両親は厳しく出来ずにいた。
(認めて欲しくて意思を主張していたけれど。
意見を聞いてもらう為には信頼をされないといけないから。
両親を変えるのは難しいかもしれないけど、自分を変えるのは簡単だから)
それが両親にとって“いい子”だとしても笑顔で愛情を向ける我が子の方が愛しいと思うのは人間の心理だろう。
(レギュラスは確かに正しい道を歩んだのかもしれない。
ただ、そこに“自分の意思”はなかった。
いつだって考えるのは両親の意思だ。
それが悪いとは言わないけど)
どうしたいのかと聞かれてしまえば、レギュラスは答えられないのだろう。
それがレギュラスの生きる価値だったのだから。
(環境的に自分の意思なんて言える訳がなかった。
まぁ、そこは僕の責任も大きいのだけれど。
今度こそは家族で幸せになりたいんだ。
幸せを願って何が悪いんだ)
シリウスの愛情表現は両親に影響を及ぼすとは本人は思ってもいなかった。
「シリウス、おはよう」
「今日は早起きさんね。
おはようございます、シリウス」
いつもは自分からキスするだけだったのでシリウスはキョトンと見つめる。
「どうしたんだい?」
「嫌だったかしら」
「うぅん…びっくりして。
僕、幸せです」
両親から抱擁されて頬にキスされてシリウスは泣きそうな顔でオリオンの首に抱きつく。