黒の道標
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シリウスの視線にハッと今更ながら気づいたようだ。
「2人はそういう仲なのか?」
「ちが…ッ」
「交流はなくなったと思っていた」
「謝ったんだ。
ちっぽけなプライドで、心配してくれたリリーに八つ当たりしてしまったことを」
「私は姉にも友達にも注意されたの。
セブだって男の子なんだから。
男のプライドがあるんだって、喧嘩くらいさせればいいって。
セブが傷つくんじゃないかと心配して先回りしようとして空回りしていたんだ」
「それは友情?」
「…異性として想ってる」
「それじゃ、証拠を見せてよ」
「証拠って」
「そうすれば。
僕は味方になる」
戸惑ったようなスネイプとリリーにシリウスは微かに笑う。
「ちょっ、セブ…っ」
細身でもスネイプは男の子で力では敵わない。
リリーはスネイプに唇を奪われてしまう。
「これでいいか?」
「もう…っ」
「十分だ。
アイツは狂うだろうな。
いや、今も狂ってるか」
「…ブラック。
僕が言うことではないが。
その、このままで…君はいいのか?」
「君に酷いことを沢山したのに心配するのか?」
「確かに酷かったが。
それは否定しない。
でも、ポッターよりも今考えると君はきちんと手加減してくれていた。
地面に落ちる時も痣が出来る程の衝撃もないし、わざとらしく薬品が落ちていたこともある」
「そう…だったの?」
「ポッターのは捻挫もしたし、傷だらけになったし。
あのルシウス先輩を激怒するくらいに」
可愛がっている後輩がボロボロになって傷だらけで帰って来れば、そうなるだろうとシリウスもリリーも思う。
その事件のお陰でスネイプはスリザリンで孤立していたが、同情されて仲間として認知されたらしい。
「…エバンズ」
「なに?」
「コイツ、天然か?」
「そうね。
自分が愛される訳がないと理解させるまでに時間は掛かったわ。
そこが愛しいのだけれど」
「惚気は聞いてない」
「そうじゃなくて。
詳しくは離せないけど」
「環境的な問題だろう。
マグルで魔法が拒絶反応され、環境か悪いのは聞くから」
「それが実の親でも?」
「…少なくはない。
恐ろしく思うんだと」
「そう、なのね。
私は恵まれていたのね」
姉の反応がもしかしたら普通なのかもしれないとリリーは考えを改めた。
「私達のことじゃなくて」
「もう関わらないよ。
親友でも相棒でもないさ。
僕等は幻想を見ていた。
違いすぎるんだ」
「後悔、しないの?」
「どうだろうな。
でも、決めたから」
「…そっか」
不仲で毛嫌いしていたのに話すなんて不思議だった。
「シリウス、お帰り。
まずは話そうか」
「…ただいま。
はい、父上」
いつものように自室ではなく、オリオンに連れて行かれた。
「シリウス。
叱りはしないよ」
「え…?」
「これも成長だ。
本当は傷ついたのだろう。
私の前では偽らなくていい。
泣いたっていいんだ」
「父上…、僕は…っ」
「君が選んだ人生だ。
間違いなんてないんだよ。
それも選択のひとつだ」
間違いとは言わず、オリオンはシリウスが落ち着くまでずっと優しく抱擁してくれた。
「…シリウス」
「母上…っ」
「何も言わなくていいわ。
さあ、飲みなさい。
紅茶よ」
「ただいま、母上」
「えぇ、お帰りなさい」
久しく見ていなかったシリウスの笑顔に安堵する。
-END-
2024.10.22
「2人はそういう仲なのか?」
「ちが…ッ」
「交流はなくなったと思っていた」
「謝ったんだ。
ちっぽけなプライドで、心配してくれたリリーに八つ当たりしてしまったことを」
「私は姉にも友達にも注意されたの。
セブだって男の子なんだから。
男のプライドがあるんだって、喧嘩くらいさせればいいって。
セブが傷つくんじゃないかと心配して先回りしようとして空回りしていたんだ」
「それは友情?」
「…異性として想ってる」
「それじゃ、証拠を見せてよ」
「証拠って」
「そうすれば。
僕は味方になる」
戸惑ったようなスネイプとリリーにシリウスは微かに笑う。
「ちょっ、セブ…っ」
細身でもスネイプは男の子で力では敵わない。
リリーはスネイプに唇を奪われてしまう。
「これでいいか?」
「もう…っ」
「十分だ。
アイツは狂うだろうな。
いや、今も狂ってるか」
「…ブラック。
僕が言うことではないが。
その、このままで…君はいいのか?」
「君に酷いことを沢山したのに心配するのか?」
「確かに酷かったが。
それは否定しない。
でも、ポッターよりも今考えると君はきちんと手加減してくれていた。
地面に落ちる時も痣が出来る程の衝撃もないし、わざとらしく薬品が落ちていたこともある」
「そう…だったの?」
「ポッターのは捻挫もしたし、傷だらけになったし。
あのルシウス先輩を激怒するくらいに」
可愛がっている後輩がボロボロになって傷だらけで帰って来れば、そうなるだろうとシリウスもリリーも思う。
その事件のお陰でスネイプはスリザリンで孤立していたが、同情されて仲間として認知されたらしい。
「…エバンズ」
「なに?」
「コイツ、天然か?」
「そうね。
自分が愛される訳がないと理解させるまでに時間は掛かったわ。
そこが愛しいのだけれど」
「惚気は聞いてない」
「そうじゃなくて。
詳しくは離せないけど」
「環境的な問題だろう。
マグルで魔法が拒絶反応され、環境か悪いのは聞くから」
「それが実の親でも?」
「…少なくはない。
恐ろしく思うんだと」
「そう、なのね。
私は恵まれていたのね」
姉の反応がもしかしたら普通なのかもしれないとリリーは考えを改めた。
「私達のことじゃなくて」
「もう関わらないよ。
親友でも相棒でもないさ。
僕等は幻想を見ていた。
違いすぎるんだ」
「後悔、しないの?」
「どうだろうな。
でも、決めたから」
「…そっか」
不仲で毛嫌いしていたのに話すなんて不思議だった。
「シリウス、お帰り。
まずは話そうか」
「…ただいま。
はい、父上」
いつものように自室ではなく、オリオンに連れて行かれた。
「シリウス。
叱りはしないよ」
「え…?」
「これも成長だ。
本当は傷ついたのだろう。
私の前では偽らなくていい。
泣いたっていいんだ」
「父上…、僕は…っ」
「君が選んだ人生だ。
間違いなんてないんだよ。
それも選択のひとつだ」
間違いとは言わず、オリオンはシリウスが落ち着くまでずっと優しく抱擁してくれた。
「…シリウス」
「母上…っ」
「何も言わなくていいわ。
さあ、飲みなさい。
紅茶よ」
「ただいま、母上」
「えぇ、お帰りなさい」
久しく見ていなかったシリウスの笑顔に安堵する。
-END-
2024.10.22