黒の道標
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後ろからじっと見ているレギュラスにシリウスはため息をつく。
「なんだ?
言いたいことがあるなら言え」
「服装と髪型」
「部屋を出ようとしたら、屋敷妖精に引き止められて直された」
「ホグワーツの屋敷妖精に?
そんなことします?」
「…専属の屋敷妖精」
「えっ?」
「あ〜、失態だ。
普通に頭が回らなくて話した」
疲れが取れてないなとシリウスはため息をつく。
「兄様。
どういうことですか!」
「ブラック家の屋敷妖精。
俺が1人の時以外は姿を消しているのが条件。
契約は父上としているが。
グリフィンドールでも俺は家系図から消されてないし。
次期当主の名も消されてない。
父上が頑として許してくれなかった。
屋敷妖精の贈り物と言って良いのか分からないが、入学翌日に手紙と共に現れた。
俺と父上以外には知らない。
片付けと身の回りの世話に加えて護衛も兼ねている。
魔法なら防げるが、薬物になると分からないからな。
媚薬や毒物、数え切れない程に仕込まれている」
「毒物って」
「権力とはそういうものだ。
俺は犯人探しはしないし、するつもりもない」
「何故…ですか?」
「あくまでも“俺は”手を出さないだけだ」
「父上が動いているのですか。
兄様、甘やかされている自覚ありますか?」
「それが父上の出した条件だ」
「条件…?」
「ホグワーツに通うこと、退学させないことの条件。
成人までは守られること。
それまでに“答え”を出すこと」
「話して良いのですか?」
「口止めはされてないし。
そのうち、知られる事実だろうからな」
「僕は知らなかった」
「おまえは分かりやすい」
「そんなこと…っ」
「普通の奴等なら気付かないだろうが、それに優れてる奴等なら理解する。
それに、レギュラスには普通の学生生活を味わせたかった」
「結局は僕は兄様に守られていたのですね。
クィディッチの選手にならなかったのも?」
「…そこまでの熱量がないだけだ」
「グリフィンドールのキャプテンにスカウトされたと聞きましたが。
それも何年も」
「…空中で狙われては流石に命の危機があるからな。
嫡男とはそういうものさ」
「制限があったんですか?」
「数え切れない程に。
口止めの契約も含めて」
にっこりと笑うシリウスにレギュラスは黙り込んだ。
自分でも衝撃なのだから周りは尚更だろうと思った。
「どうして、それを守っているのですか?」
「自由を求めて。
父上が本気を出せば、屋敷に閉じ込めるのも居場所特定も出来るからな」
「ですが…っ」
「俺に厳しいのは跡取りや嫡男というだけではないんだ。
守っているんだよ」
「兄様を?」
「俺はブラックの血が濃い。
魔力の強さも含めて。
ブラックというだけで狙われているだけではない。
その価値があるんだよ。
俺が覚えているだけでも2歳から誘拐未遂があった」
「誘拐未遂」
(そういえば、外出する時もパーティーでさえも父上は常に兄様を連れ歩いていた。
絶対に隣から離れなかった)
レギュラスは点と点が繋がり、納得してしまう。
「着崩していたのも悪戯も?」
「それが反抗になるなんて思っていない。
単純に嫌がらせだ」
「え…?」
「父上は内心では面白がっているけれど。
母上は呆れて怒鳴るし。
面白いだろう?」
「どこが、ですか。
兄様は何歳なんですか」
単純に母の反応が良かったから繰り返しているようでレギュラスはため息をつく。
(やはり、父上が動いたか。
一人部屋も悪くないな)
グリフィンドールで監督生以外の唯一の一人部屋だった。
あの日からジェームズとは話しておらず、シリウスは単独行動が増えていてそこにレギュラスが来て話す程度だった。
「セブルス・スネイプ。
降りてくれないか?」
「あ…っ、悪い。
これに関しては…すまない」
下を歩いていたシリウスは上から吹き飛ばされて来たスネイプの下敷きになった。
スネイプも悪戯で吹き飛ばされたのだが。
「あの、2人とも。
大丈夫…?」
「怪我はない?」
「リリー!
僕は大丈夫だが。
その、ブラックが…」
「巻き込まれたの?
医務室に…っ」
「怪我はしていない。
大丈夫だ」
スネイプとリリーに心配されるのは不思議だ。
「なんだ?
言いたいことがあるなら言え」
「服装と髪型」
「部屋を出ようとしたら、屋敷妖精に引き止められて直された」
「ホグワーツの屋敷妖精に?
そんなことします?」
「…専属の屋敷妖精」
「えっ?」
「あ〜、失態だ。
普通に頭が回らなくて話した」
疲れが取れてないなとシリウスはため息をつく。
「兄様。
どういうことですか!」
「ブラック家の屋敷妖精。
俺が1人の時以外は姿を消しているのが条件。
契約は父上としているが。
グリフィンドールでも俺は家系図から消されてないし。
次期当主の名も消されてない。
父上が頑として許してくれなかった。
屋敷妖精の贈り物と言って良いのか分からないが、入学翌日に手紙と共に現れた。
俺と父上以外には知らない。
片付けと身の回りの世話に加えて護衛も兼ねている。
魔法なら防げるが、薬物になると分からないからな。
媚薬や毒物、数え切れない程に仕込まれている」
「毒物って」
「権力とはそういうものだ。
俺は犯人探しはしないし、するつもりもない」
「何故…ですか?」
「あくまでも“俺は”手を出さないだけだ」
「父上が動いているのですか。
兄様、甘やかされている自覚ありますか?」
「それが父上の出した条件だ」
「条件…?」
「ホグワーツに通うこと、退学させないことの条件。
成人までは守られること。
それまでに“答え”を出すこと」
「話して良いのですか?」
「口止めはされてないし。
そのうち、知られる事実だろうからな」
「僕は知らなかった」
「おまえは分かりやすい」
「そんなこと…っ」
「普通の奴等なら気付かないだろうが、それに優れてる奴等なら理解する。
それに、レギュラスには普通の学生生活を味わせたかった」
「結局は僕は兄様に守られていたのですね。
クィディッチの選手にならなかったのも?」
「…そこまでの熱量がないだけだ」
「グリフィンドールのキャプテンにスカウトされたと聞きましたが。
それも何年も」
「…空中で狙われては流石に命の危機があるからな。
嫡男とはそういうものさ」
「制限があったんですか?」
「数え切れない程に。
口止めの契約も含めて」
にっこりと笑うシリウスにレギュラスは黙り込んだ。
自分でも衝撃なのだから周りは尚更だろうと思った。
「どうして、それを守っているのですか?」
「自由を求めて。
父上が本気を出せば、屋敷に閉じ込めるのも居場所特定も出来るからな」
「ですが…っ」
「俺に厳しいのは跡取りや嫡男というだけではないんだ。
守っているんだよ」
「兄様を?」
「俺はブラックの血が濃い。
魔力の強さも含めて。
ブラックというだけで狙われているだけではない。
その価値があるんだよ。
俺が覚えているだけでも2歳から誘拐未遂があった」
「誘拐未遂」
(そういえば、外出する時もパーティーでさえも父上は常に兄様を連れ歩いていた。
絶対に隣から離れなかった)
レギュラスは点と点が繋がり、納得してしまう。
「着崩していたのも悪戯も?」
「それが反抗になるなんて思っていない。
単純に嫌がらせだ」
「え…?」
「父上は内心では面白がっているけれど。
母上は呆れて怒鳴るし。
面白いだろう?」
「どこが、ですか。
兄様は何歳なんですか」
単純に母の反応が良かったから繰り返しているようでレギュラスはため息をつく。
(やはり、父上が動いたか。
一人部屋も悪くないな)
グリフィンドールで監督生以外の唯一の一人部屋だった。
あの日からジェームズとは話しておらず、シリウスは単独行動が増えていてそこにレギュラスが来て話す程度だった。
「セブルス・スネイプ。
降りてくれないか?」
「あ…っ、悪い。
これに関しては…すまない」
下を歩いていたシリウスは上から吹き飛ばされて来たスネイプの下敷きになった。
スネイプも悪戯で吹き飛ばされたのだが。
「あの、2人とも。
大丈夫…?」
「怪我はない?」
「リリー!
僕は大丈夫だが。
その、ブラックが…」
「巻き込まれたの?
医務室に…っ」
「怪我はしていない。
大丈夫だ」
スネイプとリリーに心配されるのは不思議だ。