微睡み
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走馬灯のように流れてゆく大量の映像と情報に思考が止まる。
助けられなかった命と思うこそが傲慢ではないのか。
その影では自分の発言や行動によって傷つけられた者、犠牲になった者がいた。
自分が“正義”だと正しいと思っていたものさえ、疑問が浮かぶ。
(私は…、生きているのか。
あれは夢…だったのか?
そんなはずはない。
あれは…っ)
何が現実で、どこまでが夢か幻想なのかさえも分からなかった。
“君は浄化を選ぶかい?
それとも…、新たな力を望むかい?”
不思議な声が聞こえて、警戒するように身構える。
「誰だ!」
姿は見えずに自分の声だけが部屋に響く。
“そう警戒せずともいい。
さあ、君は何を望む?”
得体の知れない者なのに考えてしまう。
“…そうか。
君は力を欲するか。
それも悪くない。
人とは面白い生き物だ”
可笑しそうに笑う不思議な者に人ではないのだろうと思っていたので驚きではない。
(…あれは夢だったのか?
それとも、幻想?
私はまだ生きているのだろうか。
やり直せるならば…、どうしたらいいんだ)
以前ならば、感情のままに行動していたのだろう。
関わることが怖くてまた誰かを犠牲にしてしまうのが恐ろしかった。
「…シリウス。
よかった。
目が覚めたのですね」
安堵した様子で記憶よりも若く、自分の手がとても小さいことに今更ながら気がついた。
「……っ…」
長年の癖か、ビクッと肩が震えてしまう。
「…シリウス。
ごめん、なさい。
謝って…許されることではないわ。
貴方が嫌がることはしない。
本当にごめんなさい」
記憶の母とは異なる姿にシリウスは狼狽えてしまう。
「シリウス。
目が覚めたんだね。
覚えているかい?」
オリオンの説明によると、自分は5歳で母と激しく言い争っていたようだ。
母に思いっきり頬を叩かれて感情的になって魔力暴走し、自ら身体を壁に叩きつけて気を失った。
(…魔力消耗していたとしても5日も目覚めなかったら流石に母も少しは心配するか)
沢山の人を傷つけてしまった自分にそんな価値などないとシリウスは黙っていた。
「シリウス。
大丈夫かい?」
「まだ、気分が悪い?」
「…あのまま目覚めなければ」
「えっ?」
無表情でポツリと呟いたシリウスの言葉に戸惑う。
「僕が目覚めなければ…、幸せ…でしょう?
僕は…必要ない…から。
ごめん、なさい」
親不孝で求めることを何もしてあげれなかった。
ポタポタと涙が零れ落ち、自分の存在を否定することしか出来なかった。
「違う!
そうじゃない、シリウス」
「僕なんか…イラナイ。
僕は…っ」
それ以上の言葉を言って欲しくなくて泣きながら錯乱する幼い我が子を抱き締めた。
「…シリウス」
泣きながら眠る幼いシリウスをただ寂しそうに撫でるしか出来なかった。
助けられなかった命と思うこそが傲慢ではないのか。
その影では自分の発言や行動によって傷つけられた者、犠牲になった者がいた。
自分が“正義”だと正しいと思っていたものさえ、疑問が浮かぶ。
(私は…、生きているのか。
あれは夢…だったのか?
そんなはずはない。
あれは…っ)
何が現実で、どこまでが夢か幻想なのかさえも分からなかった。
“君は浄化を選ぶかい?
それとも…、新たな力を望むかい?”
不思議な声が聞こえて、警戒するように身構える。
「誰だ!」
姿は見えずに自分の声だけが部屋に響く。
“そう警戒せずともいい。
さあ、君は何を望む?”
得体の知れない者なのに考えてしまう。
“…そうか。
君は力を欲するか。
それも悪くない。
人とは面白い生き物だ”
可笑しそうに笑う不思議な者に人ではないのだろうと思っていたので驚きではない。
(…あれは夢だったのか?
それとも、幻想?
私はまだ生きているのだろうか。
やり直せるならば…、どうしたらいいんだ)
以前ならば、感情のままに行動していたのだろう。
関わることが怖くてまた誰かを犠牲にしてしまうのが恐ろしかった。
「…シリウス。
よかった。
目が覚めたのですね」
安堵した様子で記憶よりも若く、自分の手がとても小さいことに今更ながら気がついた。
「……っ…」
長年の癖か、ビクッと肩が震えてしまう。
「…シリウス。
ごめん、なさい。
謝って…許されることではないわ。
貴方が嫌がることはしない。
本当にごめんなさい」
記憶の母とは異なる姿にシリウスは狼狽えてしまう。
「シリウス。
目が覚めたんだね。
覚えているかい?」
オリオンの説明によると、自分は5歳で母と激しく言い争っていたようだ。
母に思いっきり頬を叩かれて感情的になって魔力暴走し、自ら身体を壁に叩きつけて気を失った。
(…魔力消耗していたとしても5日も目覚めなかったら流石に母も少しは心配するか)
沢山の人を傷つけてしまった自分にそんな価値などないとシリウスは黙っていた。
「シリウス。
大丈夫かい?」
「まだ、気分が悪い?」
「…あのまま目覚めなければ」
「えっ?」
無表情でポツリと呟いたシリウスの言葉に戸惑う。
「僕が目覚めなければ…、幸せ…でしょう?
僕は…必要ない…から。
ごめん、なさい」
親不孝で求めることを何もしてあげれなかった。
ポタポタと涙が零れ落ち、自分の存在を否定することしか出来なかった。
「違う!
そうじゃない、シリウス」
「僕なんか…イラナイ。
僕は…っ」
それ以上の言葉を言って欲しくなくて泣きながら錯乱する幼い我が子を抱き締めた。
「…シリウス」
泣きながら眠る幼いシリウスをただ寂しそうに撫でるしか出来なかった。