古代魔法と屋敷
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屋敷はシリウスが出て行ってからも古代魔法で守られ、魔法省の職員でさえも侵入を拒んだ。
数年の月日は経過してしまったが、真犯人と共にシリウス・ブラックの無罪を沢山の支えてくれる者と共に勝ち取った。
あのブラック家の直系の嫡男を無罪にも関わらず、証拠もない中でピーターの叫んだ言葉だけを鵜呑みにした魔法大臣は失職。
シリウスは屋敷に拒まれることはなかったが、手入れをされてない屋敷のはずなのに庭も屋敷内も当時のままだった。
「……っ…」
懐かしさに泣きそうになりながら不安もあるが、屋敷に足を踏み入れた。
両親が亡くなったことも家を出た“裏切り者”のシリウスには誰も伝えてくれず、静寂した屋敷に当時は感じなかった寂しさがあった。
「父上…、母上…っ」
思考に嫌ってはいたが、本心で恨んでいた訳ではなかった。
返事は返って来ないと理解しているのに呼んでしまう。
「そんな泣きそうな顔してどうしたんだ?」
「呼びましたか?」
「んな…っ!」
亡くなったはずだと聞いていたシリウスは驚愕する。
半透明でもなく、触れられるのでゴーストでないことは理解が出来る。
「大丈夫かい、シリウス」
座り込みながらオリオンの足をペタペタと触るシリウスにオリオンは苦笑い。
「…何とか。
腰、抜けそうになった。
生きてるのかよ!」
「死んでいて欲しかったか?」
「そんな訳…っ」
勢いよく顔を上げたシリウスは当時と変わらないオリオンに勢いよく抱きついた。
「おやおや。
数年で君は随分と甘えたさんになったな」
「…っズ」
揶揄りながらオリオンの頭を撫でる手も声も優しくてシリウスは鼻を啜る。
「落ち着きましたか?」
(俺は何をしているんだ。
父に抱きついて号泣って)
頭を抱えているシリウスにやれやれとため息をつく。
「まぁ、色々と思うことはありますが。
貴方が無事で良かったです」
「え…?」
「無事と言っていいのか分からないが。
助けてやれずにすまなかった」
「別に…、助けてもらえるなんて…思ってなかったから。
誰にも信じてもらえることなく、助けてもらえるなんて。
思ってもみなかった」
アズカバンに投獄されて心にあったのは“絶望”と真犯人であるピーター・ペティグリューに対する“憎しみ”だった。
憎しみだけではなく、裏切られた悲しみや憤りなどもあったが。
助けてもらえないと思うくらいに心に傷を負っていた。
「住む場所はあるのかい?」
(そりゃ、家を出たと安心した息子がいれば良くは思わないだろ。
亡くなったというのも俺に対する嫌味なのかもな。
両親が居なければ、住もうとも思っていたけれど。
金はあっても無罪だと分かっても未だに疑われ、偏見もあるのだからちゃんとしたところを借りるのは難しいだろうな)
疲れたなと思いながらもシリウスはぼんやりと外を眺めた。
(これがレギュラスなら、喜んで迎え入れたんだろうな。
抱擁されて頭を撫でられて。
拒絶されなかったのだからそれでいいだろう。
これが会えるのが最期なんだろうから)
どこに向かえばいいのか分からないまま、シリウスは屋敷について問いただすことも誰かに話そうとも思っていなかった。
「どこに行くのですか?」
「…俺が居れば落ち着くことも出来ないだろ。
安心してくれ、もう二度と来ないから」
「シリウス!」
「なん、だよ…」
「その身体でどこに行くつもりですか!」
「歩くのも辛いのだろう。
今は休むべきだ」
「離せ!」
「大丈夫だから、落ち着きなさい」
「シリウス。
貴方の敵じゃないから。
もう大丈夫よ」
「いや…だ…ッ」
錯乱に近いシリウスをオリオンを抱き締め、母も手を握って宥めた。
身体も心も限界で抵抗する力さえも残ってなかった。
「シリウス。
話はあとでするから。
今だけは休もう」
「うっ、ぁ…ッ」
呼吸するのも辛くて過呼吸を起こしたシリウスの背を屈んでさすった。
数年の月日は経過してしまったが、真犯人と共にシリウス・ブラックの無罪を沢山の支えてくれる者と共に勝ち取った。
あのブラック家の直系の嫡男を無罪にも関わらず、証拠もない中でピーターの叫んだ言葉だけを鵜呑みにした魔法大臣は失職。
シリウスは屋敷に拒まれることはなかったが、手入れをされてない屋敷のはずなのに庭も屋敷内も当時のままだった。
「……っ…」
懐かしさに泣きそうになりながら不安もあるが、屋敷に足を踏み入れた。
両親が亡くなったことも家を出た“裏切り者”のシリウスには誰も伝えてくれず、静寂した屋敷に当時は感じなかった寂しさがあった。
「父上…、母上…っ」
思考に嫌ってはいたが、本心で恨んでいた訳ではなかった。
返事は返って来ないと理解しているのに呼んでしまう。
「そんな泣きそうな顔してどうしたんだ?」
「呼びましたか?」
「んな…っ!」
亡くなったはずだと聞いていたシリウスは驚愕する。
半透明でもなく、触れられるのでゴーストでないことは理解が出来る。
「大丈夫かい、シリウス」
座り込みながらオリオンの足をペタペタと触るシリウスにオリオンは苦笑い。
「…何とか。
腰、抜けそうになった。
生きてるのかよ!」
「死んでいて欲しかったか?」
「そんな訳…っ」
勢いよく顔を上げたシリウスは当時と変わらないオリオンに勢いよく抱きついた。
「おやおや。
数年で君は随分と甘えたさんになったな」
「…っズ」
揶揄りながらオリオンの頭を撫でる手も声も優しくてシリウスは鼻を啜る。
「落ち着きましたか?」
(俺は何をしているんだ。
父に抱きついて号泣って)
頭を抱えているシリウスにやれやれとため息をつく。
「まぁ、色々と思うことはありますが。
貴方が無事で良かったです」
「え…?」
「無事と言っていいのか分からないが。
助けてやれずにすまなかった」
「別に…、助けてもらえるなんて…思ってなかったから。
誰にも信じてもらえることなく、助けてもらえるなんて。
思ってもみなかった」
アズカバンに投獄されて心にあったのは“絶望”と真犯人であるピーター・ペティグリューに対する“憎しみ”だった。
憎しみだけではなく、裏切られた悲しみや憤りなどもあったが。
助けてもらえないと思うくらいに心に傷を負っていた。
「住む場所はあるのかい?」
(そりゃ、家を出たと安心した息子がいれば良くは思わないだろ。
亡くなったというのも俺に対する嫌味なのかもな。
両親が居なければ、住もうとも思っていたけれど。
金はあっても無罪だと分かっても未だに疑われ、偏見もあるのだからちゃんとしたところを借りるのは難しいだろうな)
疲れたなと思いながらもシリウスはぼんやりと外を眺めた。
(これがレギュラスなら、喜んで迎え入れたんだろうな。
抱擁されて頭を撫でられて。
拒絶されなかったのだからそれでいいだろう。
これが会えるのが最期なんだろうから)
どこに向かえばいいのか分からないまま、シリウスは屋敷について問いただすことも誰かに話そうとも思っていなかった。
「どこに行くのですか?」
「…俺が居れば落ち着くことも出来ないだろ。
安心してくれ、もう二度と来ないから」
「シリウス!」
「なん、だよ…」
「その身体でどこに行くつもりですか!」
「歩くのも辛いのだろう。
今は休むべきだ」
「離せ!」
「大丈夫だから、落ち着きなさい」
「シリウス。
貴方の敵じゃないから。
もう大丈夫よ」
「いや…だ…ッ」
錯乱に近いシリウスをオリオンを抱き締め、母も手を握って宥めた。
身体も心も限界で抵抗する力さえも残ってなかった。
「シリウス。
話はあとでするから。
今だけは休もう」
「うっ、ぁ…ッ」
呼吸するのも辛くて過呼吸を起こしたシリウスの背を屈んでさすった。