グリフィンドールとスリザリンの初めての飛行訓練で箒を暴走させたネビルをハリーが助け、ネビルの落下速度を魔法で落とさせながらドラコも同じく箒で向かっていた。


その時にネビルのポケットから落ちた思い出し玉はドラコが拾って返していた。


(ハリーは前世のことがあるから分かるけど。
どうして僕まで１年生でシーカーなんだ。
勿論、嬉しいから断らないけれど！)


クィディッチに関してはドラコは見た目の年相応になる。


マクゴナガルによって何故かハリーだけではなくて、ドラコも連れて行かれてスネイプも巻き込まれたのだった。


ハロウィン事件でもハーマイオニーに暴言を吐いたロンにドラコは呆れてしまう。


「ロン。
彼女は確かに言葉は強かったかもしれないが、間違ったことは言ってないよ」
「…ドラコ」
「何よりも君は女の子に対して暴言を吐いて何事だ」
「いだだっ！
だって、アイツが…っ」
「女の子に対してアイツ呼びをするな。
反論したかったら、暴言ではなくて素直に言葉で言え。
言葉が強くて傷ついた。
人前で注意をされて恥ずかしかったんだと」
「う…っ」
「だが、注意は何も恥ずかしいことじゃない。
魔法族だって個々で得意なものもあれば、不得意なものだってあるんだ。
彼女はマグル生まれだ。
友達が居ないのは当たり前だし、環境に慣れてなくて余裕がないんだ。
言葉だって強くなるさ。
それに、魔法族が杖を振り回すのはどうかと思うが？」


紳士なドラコに正論で返され、諭される。


「君が今することは？」
「えっ、と…」
「ロン。
謝りに行こうよ。
僕もついて行くから」
「わ、分かったよ」
「いい子だ。
ほら、甘いものでも食べて落ち着いてから行きなさい」


ドラコに頭を撫でられ、ハリーとロンはチョコレートを貰って頷く。


(またしても息子にしていた癖で…！)


ドラコに頭を撫でられると幸運が訪れるとまで言われていた。


「闇側と言われてるマルフォイ家の息子が幸運とまで言われるとはな」
「ザビニ。
ネクタイが曲がってる」
「ドラコ、そういう問題か？」
「闇側と言われてるの事実だ。
それを否定するつもりはない。
私も幸運と言われて戸惑っている」
「全然そう見えないけど」
「経験値の差だな」


不満そうなザビニにドラコは微かに笑い、だからこその平等なのかもしれない。


以前とは違って交流はあるが、あの２人は隣にいることはない。


あの悪魔の火の事件から一緒に減り、代わりに傍に居てくれたのがザビニとノットだった。


(以前は闇側の力もあって。
喧嘩別れのようになってしまったが、今はそうならないように)


ザビニの対応さえも懐かしいと思ってしまう。


「な、何だよ…っ」
「そう強がらなくてもいい。
君の素直なところは愛らしいのだから」
「んな…っ！」
「ドラコ。
僕は慣れているけれど。
ザビニには流石に刺激が強いと思うぞ」
「何故だ」


幼馴染であるノットがドラコの性格をザビニ達に説明するのだった。


「あの溺愛するルシウスさんとナルシッサさんの息子だぞ。
貴方は愛らしいと育ったのだから」
「…どういう意味だ。
何を全員で納得してるんだ」


不満そうなドラコにノットが宥めて、そういうとこは年相応だと先輩達は思った。


「君の言葉は甘いんだって。
大人びていて、同級生が子供に見えていたとしても。
まるで口説いているように感じてしまう」
「だから赤面してたのか」
「掘り下げるな！
不意打ちだったんだよ！」


結局はザビニに大ダメージがあり、周りは苦笑いする。


「あれがツンデレか」
「「ぶはっ！」」


ザビニが去ったあとに呟いたドラコに複数が吹き出す。


「ドラコ。
ザビニ本人には言うなよ」
「とても愛らしい反応をしそうだな」
「楽しそうで何よりで。
フォローする身になって考えてくれ。
やっぱり、君はスリザリンの血筋だよ」


ノットは頭を抱えていてドラコは不敵な笑みだった。